猫を起こさないように
雑文「復活のヴァナディール」
雑文「復活のヴァナディール」

雑文「復活のヴァナディール」

 またぞろ、FF11に復帰してんだけど、本家の世界観を丸パクりした寄生虫的なFF14がバージョンアップのたびに”さいきょーそーび”を更新して、過去のアイテムが陳腐化してゴミになって、やることはすべて運営の敷いたレールから外れることのない、決められた手順とタイミングでボタンを押せるかを確認するだけの”大縄とび”という痴呆めいたゲーム性に飽きられて、ゼイゼイ息ぎれしはじめてんのに対して、FF11は30年ちかく前の装備がいまだ現役だったり、運営の想定しない奇妙キテレツなプレイヤー側の戦術を生む土壌が健在だったり、いまは廃れてしまったMMORPGというジャンルを生き生きと現役でやってんのね。5年ぐらいまえに書いたFF11にまつわる自分のテキストを読みかえしてんだけど、サービス終了への予感に目がうるんでて、滑稽なぐらいに感傷的なわけ。最近では、過去のnWoテキストをあざ笑うようにオススメのユーザー数は増えてきてるみたいで、その理由は30年ちかく前のユーザーがそろそろ定年をむかえはじめてて、老後の”終の住処”をヴァナディールにさだめてるからじゃないかって思うのよ。わたしもここ数年、なんどか復帰しようとしてたんだけど、むかし使ってたマクロがぜんぶ消えてるとか、パッドのキーコンフィグがうまくいかないとかで、つど断念させられてたわけ。それもこれも、あきらかな加齢の影響で酔っぱらってるときの集中力と記憶力がよわまってて、前夜の試行錯誤が翌日へとつみあがっていかないからなのよ。それをエイヤと一念発起して、休日1日をまるまるFF11の環境構築につかったら、無事、5年ぶりに復帰できたってわけ。

 30年もののセーブデータが垢バンされるのを怖がって、みんな口をつぐんでると思うんだけど、Windowerっていう海外のソフトを導入すれば、PC1台で複数アカウントを起動できるし、解像度やFPSや操作性もオリジナルから大幅に改善されるし、これをつかわないテはないくらいの、ディ・モールト・ベネ(JOJO語)なシロモノなのよ。もうぜんぜんWindower使ってることを公言すべきだし、新規層をとりこむためにもバンバン宣伝していくべきと思うんだわ。それた話をFF11本体にもどすけど、2016年に大型アップデートを終了するとか、病床の老人みたく弱気なことを言ってたくせに、ひさしぶりに復帰してみれば、初代のラスボスであるカオスにまつわる新エキスパンションがまるッと追加されてたり、レリックとエンピとアナルファック(ちがう)を強化するための新コンテンツが大量に導入されてたり、末期ガンで遺書までしたためてたのになぜか寛解したうえ、90歳でトライアスロンをはじめた老人みたいなありさまで、ベッドのわきで手をとりながらおいおい泣いていた孫としては、ほんまおまえなんやねん、あのときの気持ちをかえしてくれよ、ってなる。以前のくりかえしになるけど、いまのオススメは1日30時間ノートリアス・モンスターにはりついて、釣り負けたらネットに相手LSの誹謗中傷を書きまくる、将棋でたとえるなら坂田三吉みたいな豪放無頼の廃人は鳴りをひそめ、1日1回かならずログインして、時限コンテンツをエクセル管理しながら粛々とこなす藤井聡太タイプが着実に強くなっていく、盤外戦のきかない、人間力による逆転のない世界になってんのよ。レベルキャップが75だった時代を知る者としてはさみしいかぎりだけど、もう徹夜なんてできない身体にとって毎日1時間ばかりのログインですむのは、スマホのアプリゲーみたく生活に組みこんでしまえるし、たいへんにありがたい進化なのね。

 ハンターハンターのグリードアイランド編に登場した”攻防比”なるワードは、ある時期にFF11の廃人だったところの冨樫義博がパクッ……もとい拝借した概念なのは有名な話だけど、この5年でどうもそのキャップが順にはずされてってるみたいで、最高ダメージ99999のようなエクストリームにきわまった世界が強化をつきつめた先にあるのは、90歳の老人がハッピーに腹上死で昇天するみたいなもんで、なんだかすごく楽しい気分になるんだわ。もっとも、その境地へたどりつくには数年単位の研鑽が必要なこともまた事実であり、いよいよサービス終了とおのれの寿命がデッドヒートのチキンレースをくりひろげる段をむかえている、古代のプレイヤーたちも少なくないのではないでしょうか(真顔)。今回の復帰にまつわる個人的な話をしておくと、操作方法やマクロの使い方を実地でさわって指におぼえこませながら、倉庫やカバンに入っている装備やアイテムから、5年前に自分がなにをしていたか思いだしていくのは、まさに記憶を失った異世界転生者ーー最新のシナリオにこの単語が登場するのを見るのは、じつに味わいぶかいものでしたーーといった感じで、ああ、コルセアのロール装備を強化しようとしていたんだなとか、なぜか緑にモヤッたイドリスがあった(こわ)ので、風水士をやるためにデュンナを作ろうするもOboroが素材を受けとってくれず、よくよく確認するとすでに持っていたり、巷間にあふれる異世界モノすべての源流であるヴァナディールにおいて、「記憶を失った勇者」をやれるのは、半世紀ちかくにおよぶゲーム遍歴があるからこその体験で、古参プレイヤー冥利につきるなー、やっぱオススメって最高だなーとあらためて感じておる次第。

 あと、BGMがアゲアゲのソーティっていう最新コンテンツの仕様がすごくドルアーガの塔ーー装置にエモーションしたり、すッぽんぽんで物体にさわったり、ひとりプレイでは発見しようのない数々のギミックーーっぽいなーと思ってたら、開発インタビューでそれを目ざしたとじまんげに語ってて、笑った。

ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」
雑文「ヴァナ・ディールの癒し」