猫を起こさないように
雑文「エヴァンゲリオン大学心理学部形而上心理学科」
雑文「エヴァンゲリオン大学心理学部形而上心理学科」

雑文「エヴァンゲリオン大学心理学部形而上心理学科」

 承前

質問:もうエヴァからは卒業したほうがいいですよ

回答:いや、卒業してたんですよ。1997年7月にエヴァンゲリオン大学心理学部形而上心理学科を卒業したはずが、「ごめん、教務課の手違いで単位が足りてなかったから、実は卒業できていない。4日間の短期集中講座で済ますから、申し訳ないけど再履修してくれる?」と急に電話がかかってきたんです。大学のミスなのになぜか受講料とられて、懐かしい階段教室に入るんだけど、むかし見たことのある教授が明らかに25年前と同じ黄ばんだ講義ノートでボソボソ授業はじめて、まあ社会人になって長いこと大学なんて来てないから、頬づえつきながらボーッと聞いてても、面白くないこともないわけ。そしたら最終日の講義に教授が来なくて、みんな顔を見あわせてザワザワし始めるわけ。しばらくして事務の人が入ってきて、「すいませーん、今日はビデオ講義になりまーす。文科省には確認してオッケーもらってますんでー」っつって、擦り切れたビデオ映像を黒板横のモニターへ流し始めるわけ。明らかに25年前に受けた記憶のある授業なんだけど、カメラが教授の真横のアングルから撮影してて、板書がすごい見にくい。んで、最後にA4ペラ1枚のレポート書かされて、教務課に持ってくんだけど、受付のオバハンは煎餅バリボリかじりながら昼メロ見てる。「レポート持ってきたんですけどー」って声をかけたらふりむきもしないでめんどくさそうに、「そこの箱にレポート入れって書いてあるの読めないの? 学籍番号と名前が間違ってなかったら、みんな単位でるから」って言われて汚いボール紙の箱にレポート出すの。「おっかしーなー、ほんとに卒業できてなかったのかー?」っつって首をひねりながら帰るんだけど、いつまで経っても新しい卒業証明書が郵送されてこない。代表番号に問い合わせしたら、「この電話番号は、現在使われておりません」っつって録音が流れて、いまは手のこんだ特殊詐欺にあった気分です。