猫を起こさないように
日: <span>2011年4月2日</span>
日: 2011年4月2日

キック・アス


キック・アス


らんらんらーらんららんらーらんらんらんらんらんららーらんらんらーらんららんらーらんらんらんらんらんららー。従来の魔法少女ものの文法を逆手に取ったのが貴様らの愛するアレならば、従来のアメコミヒーローものの文法を逆手に取ったのが俺様の愛するコレだ! ロリコンという罵倒ですら生ぬるい、刃物と銃火器を振り回しながら猥語を発する少女にしか欲情できぬ腐れオマンコ野郎どもには、お似合いの作品だわ! らんらんらーらんららんらーらんらんらんらんらんららーらんらんらーらんららんらーらんらんらんらんらんららー。

エクスペンダブルズ


エクスペンダブルズ


「うわあ、つまらない! びっくりするほどつまらないよ! 特撮とかアニメとかでもそうだけど、オールスターが登場するお話になると、とたんつまらなくなるのはどうしてなんだろう! 教えて、聖母さま!」「(微笑んで)それはね、ケンジ君、優しさゆえなの。スター全員に、等分の尺で見せ場を作ろうとする製作側の配慮が、シナリオから緩急と起伏を奪ってしまうのよ」「うわあ、聖母さま、ありがとう! よくわかったよ! もうぼく、オールスターものはぜったい見ないことに決めたよ! ぜったいに!」

ドラゴンエイジ・オリジンズ


ドラゴンエイジ・オリジンズ


ぼくは、例えばファイナルファンタジーが、ぼくとともに成長してくれなかったことをどこかで恨みに思ってきた。本邦のおたく産業は、いずれ誰もがそこから離れることを前提とした若さと未熟さを輪廻する文化であり、大人になったぼくはいつまでも離れられないことを恥じてうつむきながら、それを再確認し続けてきた。じっさい、おたくだったぼくはずっと、たぶんつい最近まで、三十歳から先は無いもののように感じていた。なぜって、ぼくのいる場所では、どこにもそれは描かれていなかったから。けれど、世界との処し方において、人の成長はどこまでも続いていくことをやがて知る。確かに、荒い作りのゲームだ。システムの根幹に気がついてしまえば、いずれ変わらぬ一本道RPGには違いない。キャラ造形にしたって、いずれ同じトラウマ劇じゃないかと言われれば、全くその通りだ。でも、どのキャラも人くさく歪んでるのに、そのくせ、その歪みを誰かのせいにしないほど成熟している。そう、すべての成熟が、ついにぼくをうつむかせなかった。争いや信仰や愛憎や生殺は終わることがなく、世界の破滅という大きな題目を前にしてさえ、誰もがじぶんの小さな安寧を捨てられるわけじゃない。「グレイ・ウォーデンはその無私により、あらゆる種族から人間の存亡をかけた信頼を付託される」。無私の奉仕だけが救済を可能にするという揺るぎない事実。己の生命よりも長く続く何かに寄与できることの尊さ。失われたと思っていたあの系譜が、こうあって欲しいと願ったあの物語が、異国の地で接木され、生き延びているのをぼくは見た。この若い文化さえ成熟できるということ、そして、誰かの成長に寄り添う物語を生んだということに、ぼくは深い感謝を捧げたい。