ザ・ロード
ヒーローのいない終末。いいか、誰に宣言する必要もないが、お前だけは覚えておけ。父性の本質とは暴力だ。それを濁らせるすべての繰り言は、グローバリズムと資本主義が生んだ欺瞞に過ぎない。しかしながら、物語はたとえ嘘でも作り手のその時点の結論を提示しなければならないと思うし、なんでもないようなことが幸せだったと思う。
日: 2011年2月6日
ナイト&デイ
ナイト&デイ
悪い意味で出る映画を選ばない二人ですが、負と負をかけ合わせると正になるのが算術です。性善説を処世の座右とするわたくしですから、いくばくかの期待を抱きながら視聴を開始しましたが、結論から申せば、想像をはるかに超えて最悪でした。映画を構成する要素はいくつかあって、ふつうそのいずれかの欠落が全体の評価を下げる要因であったりしますが、この映画はすべてが複合的に悪い方へ悪い方へと化学反応を行っていきます。圧巻です。わたくし、トム・クルーズの映画はミッションなんとかがタイトルにつかない限り二度と見ないことを心に誓いましたし、キャメロン・ディアスはジャック・ブラックかルーシー・リューと共演しない限り絶対に見ないことを神に誓いました。しかしながら、良いものばかりに触れていると良いものの良さへ不感症になりますので、クリエイティブを生業とする諸兄はむしろ他山の石として積極的に視聴するべきかもしれませんね。