猫を起こさないように
日: <span>1999年2月14日</span>
日: 1999年2月14日

ドンボルカン

 「こんにちわ、おばさま」
 「あら。誰かと思えば近所のミッション系お嬢様女子中学校に通っている、最近子どもから大人への過渡期の身体に幼艶な魅力を漂わせはじめたお隣の中山久美子ちゃんじゃないの。もう学校は終わったのかしら」
 「ええ、今日は土曜日だから。おばさまこそ口元の大きなホクロと開ききって腐汁を垂らす妖花を思わせる厚ぼったい唇にこってりと真っ赤な口紅を塗りつけた姿が丸刈り男子中学生にたいそう劣情をもよおさせ、実際数人くわえこんでもいるとご近所でもっぱら評判の熟女っぷりがオーラとして視認できるほどむんむんで久美子うらやましいです。あたし、将来はおばさまみたいになるんだ」
 「うふふ、ありがとう」
 「ところでおジイちゃんの(わざわざ”ジイ”と片仮名で表記したことがいったい読者諸賢に何を暗示させるためなのか、当然おわかりですよね?)具合はどうですか」
 「最近はちょっといいみたいだったんだけど、流行り風邪にやられちゃってね」
 「ごほごほ」
 「(縁側から家の中をのぞきこみながら)ほんとだ。おジイちゃん苦しそう。このまま抵抗力の低い老人の身体で回復しないまま衰弱していくのかと思うとおばさまも色々と気が重いですね」
 「色々と、ぃろぃろ、ぇろぇろ、えろえろ、エロエロ! ギャ・ギャ・ギャーーン!」
 「ああっ。風邪のウイルスにやられてせんずりを終えた直後のチンポのようにしぼしぼだったおジイちゃんのかさかさの乾ききった肌が、初潮を迎えたばかりのロリータの無意識に発するエロ擬音に少し張りと瑞々しさを取り戻したわ」
 「あれ、もうこんな時間。今日はパパといっしょにお昼を食べる約束なんです。あんまりうろうろしてると久美子怒られちゃう」
 「うろうろ、ぅろぅろ、ぇろぇろ、えろえろ、エロエロ! ギャ・ギャ・ギャーーン!」
 「ああっ。風邪のウイルスにやられてせんずりを終えた直後のチンポのようにしぼしぼだったおジイちゃんのかさかさの乾ききった肌が、うぶげのようやく生えはじめたばかりのロリータの無意識に発するエロ擬音にまた少し張りと瑞々しさを取り戻したわ」
 「それじゃ、久美子もう帰ろうっと。おジイちゃん、またね」
 「帰ろう、かえろう、えろう、えろ、エロ! ギャ・ギャ・ギャーーン!」
 「ばりり」
 「ああっ。ようやくほころびはじめたつぼみを思わせるロリータの無意識に発するエロ擬音に反応してせんべい布団を突き破り(この突き破られるせんべい布団がいったい婦女のどの部分を暗喩しているのか賢明な読者諸氏にはもうおわかりですよね?)くろぐろと露出し湯気を立てるその先端は、普段そうであるような枯れ木を思わせる弱々しさではなく魔法瓶そこのけの見事な巨根だわ」
 「わしじゃい! わしがドンボルカンじゃい!」
 「ああっ。港区の一老人というくびきから解き放たれ、地上最強が縁側を踏み抜き一歩毎に足腰の弱いものなら即座にその場にくずおれてしまうような地響きを巻き起こしながら動き出したわ。この私でさえ能動的なアクションを起こす余裕もあらばこそ、かれのそれが一方的に私の女性を蹂躙し通り過ぎるのを待つしかない苛烈さだというのに、性交を知らない女子中学生にとってドンボルカンの相手は荷が勝ちすぎる。久美子ちゃん、逃げて、逃げて~ッ!」
 「あっ。おジイちゃん。もうお風邪はいいの?」
 「わしじゃい! わしがドンボルカンじゃい!」
 「ばりり」
 「きゃああ~っ!」
 「あの悲鳴は! 久美子ちゃん! 久美子ちゃぁぁぁぁぁん!」