猫を起こさないように
<span class="vcard">小鳥猊下</span>
小鳥猊下

あるスキャンダルの覚え書き


あるスキャンダルの覚え書き


配給会社がまたまたやってくれましたァァァァン! 売り方が無意識のうちにミステリー的ミスリードを作り出しているが、そのミスリードゆえに本来見るべき客層には届かないだろうという失策。ケイト・ウィンスレット萌えでなければ、あやうくこの名作を見逃すところでした。

小鳥猊下慈愛のようす

少女の小鳥猊下がはにかんだ微笑を浮かべて。
「3日くらいまで慈愛を行います。初めての方に説明しますと、基本的にすべての書き込みに返事をする、ファン感謝祭です。寂れた山のほこらに参拝するような気持ちでお気軽にどうぞ」

ボラット


ボラット


体制と良識に対する挑戦、揺さぶることで既存の枠組みを可視化させるのが、芸人の機能である。例えばテレビで政策を語る誰かは、あらかじめのエクスキューズを得ている点で、パラリンピックの競技者に酷似している。ボラットの方法論を採用しないならば、本来の役割を喪失した彼は、個の欠落を優越にすりかえる欺瞞となる。

ゆきゆきて、神軍


ゆきゆきて、神軍


定番すぎる? 最近はじめて見ました。劇場型の精神病患者にカメラを向けるとこうなります。あまりにもすべてが日本的な要素でできあがっており、端々の細かな情報に過去の記憶を刺激されて息苦しくなる。

ルワンダの涙


ルワンダの涙


キリスト教が最強の宗教である所以は、現実が絶望的であればあるほど死後の救済が増幅し、個人の魂に限定すれば理論上は精神の敗北が不可能な構造をしている点にある。いい映画ですが、その意味で複雑。

ヨーロッパの個人主義


ヨーロッパの個人主義


評論ではなく、私小説として読むべし。未だ認められざる者の噴き上がりが最高にロックだ。最近の復刻版あとがきに漂う権威臭に、長年の呪縛が解けました。その記念として君におすすめ。講談社版から読もう。

ぼくを葬る


ぼくを葬る


個人主義が押し詰まると、死さえもが個別的になる。他者や社会と死を共有できない者が、その急激な埋め合わせに宗教を選ぶのは当然である。個人主義とは、誰にも理解されない無二の死を死ぬことと考えよ。