アンチャーテッド2
「アングラサイトのくせに、大作ゲーム好きなんですね。ハハ、コンプレックスの現れですか?」などと揶揄され、たちまちカッとなる新世紀火の玉ボーイ・怒瞋恚(イカリシンイ)a.k.a.小鳥猊下であるが、先に取り上げた某有名大作RPG(この部分はMGSに置換してもよい)を正確に批評し日米の文化論にまで展開することを目指す場合、本作をプレイすることが正に必須であるとご進言申し上げたい。某大作RPGに否定的な言及を行うとき、「一本道」という指摘がうんざりするほど頻繁だが、実のところそれ自体は何ら批判には当たらないのである。本作は一本道だがすべての道行は作り手の意志ある演出によって成され、グラフィックは美麗だがゲーム性とプレイアビリティを阻害するほど過剰ではなく、操作は平易で直感的だがプレイヤーの望むあらゆる動きをカバーする。「演出絶無の散漫な道行」「遊び手の利便を無視した美麗さ」「煩雑なのに限定的な操作」をなぜか志向してしまう本邦の大作群とは極めて対照的であり、もはや遺伝子レベルでの民族性の違いすら感じさせる壮大な隔絶である。ストーリーにしたところで、複雑な設定はテキスト式ゲームの方がよほどうまく伝えられるだろうし、内面の吐露は私小説の方がジャンルとしてむしろ適切であろうにと思う。それにしても、こういった斬新かつ贅沢な切り口を惜しげもなく無償で野良犬どもへ投げ与える俺様の気前の良さには、婦女子たちもモニターの前で陰部をまさぐりながら恍惚としているのに違いない。
ファイナルファンタジー13
ファイナルファンタジー13
「青みがかった亀頭をすりあげて柔らかくする行為を終盤は繰り返した」と記述すれば、愚鈍な貴様らにも俺様とこの作品の間に生じた連絡を容易に想像することができよう。しかしながら、製作者の想定する最も理想的なプレイ環境であろう巨大スクリーンと7つ以上のスピーカーを備えた大邸宅に住まう俺様でさえ、エンディングまでに幾度も意識が消失し、虎の毛皮のガウンから桃色の乳首をのぞかせながら足首まで埋まる毛足の絨毯をブランデーで汚したことを告白せずばなるまい。なので、14インチブラウン管と1つのスピーカーを備えたワンルームマンションに大家族で住まうアジア在住の貴様らの評価が本作品へ対して著しく低いのには、憐れみと共に大いに首肯できる。話は突然に変わるが、先日、アバターを視聴した。映像の素晴らしさは言及するまでもないが、主人公が共同体に受け入れられ、お互いに肩を組んで住民の全員がつながってゆく場面に、なぜか自然と涙が流れた。たぶん、映像のスケールと物語の難解さが同時に追求できないものであることを大キャメロンは理解しているのだと思う。俗に王道と呼ばれる人類史的な蓄積にしか、最先端の技術で作成した映像の説得力を受け止めることができないのだ。個人の内側だけで思いついた奇抜な構成や奇矯な造語は、たちまち薄っぺらな小細工として馬脚をあわらしてしまう。あと、本作品が12人の美少女を使徒に従えたキリストの復活をモチーフにしていないのは、nWoの明白な敗北だと思った。
小鳥猊下年始のようす
おとそ気分の諸氏が初詣へ浮かれ騒ぐ傍らでドカチンの俺様だが、黄色いメットと無精ヒゲとタンクトップとニッカボッカで逆さにしたツルハシの柄に体重を預けながら、あけましておめでとうございます。今年もきっと諸君は小指から人差し指のミリ単位での上下運動さえ愉快でためになるnWoの文章群へは与えないのだろうが、それでも律儀に、涙に潤む瞳を土に汚れた手ぬぐいにまぎらせ、鼻腔へ真下から掌底を当てる格好で鼻水をごまかしつつ、年始の挨拶をする可愛らしい少女の土木作業員の俺様なのだった。
さて、昨年度末にうんこ忙しい合間を縫って二つばかり、パロディとパロディじゃない更新をした。無論、マンホールを開けて下水へ有り難い経を読んだり、粗大ゴミの引き出しに宝石を忍ばせたりする、努力が水泡と化すことで陰茎を屹立させるような幼少期のトラウマの持ち主ではないところの少女土木作業員なので、未だこのいじましい場末のテキストサイトへ澱のようにへばりつく諸君がいずれにより大きな反応を示すのか、今後の方向性をさぐるための試みであった。聡明な少女土木作業員である俺様は、その聡明すぎるスプレンディドな国勢調査に自意識の目眩を生ずるほどであった。
もはや様式美とさえ言えるが、結果を公表するならば、双方ともにゼロであった。150アクセスper24時間のうち、おそらく99%は大手検索エンジンの自動巡回ロボットなのに違いあるまい。でなければ、全員の親族か恋人が愛は残酷に奪うa.k.a.俺様の手にかかっており、ゆえにかくも迂遠なやり方で復讐を果たそうとしているかだ。こちらの実感で言うならば、「ヘヘッ、テメエら、殺る気だけは充分じゃねえか」である。正直、mixiにするこの種のエントリーを閲覧する際に諸君へ湧き上がる感情は、人差し指を付け根まで鼻腔へ押し込んでの「また言ってるよ、コイツ」なのやもしれぬ。しかし、「更新したらそれで終わり」ではなく、毎回毎回、息を潜めていずれかの経路で感想がやってくるのを待つ当方の身にもなって欲しい。更新が無い期間は、諸君が感じるような放置期間ではなく、その裏で日々の雑務を縫ってnWoの閲覧を繰り返し、臆病な子猫ちゃんたちが踏み折った小枝の音で逃走してしまわぬよう、じっと身を隠しているのである。
正月早々、猫の集会の中心で人語の演説をぶつような徒労感を味わわせてしまった少女土木作業員の俺様にだけ主に申し訳ないが、ブラウザの戻るボタンを断罪的にプッシュa.k.a.魂の劣化作業を日々繰り返すがゆえに短期記憶が3秒程度まで圧縮されてしまった諸君へ思い出させてやるならば、毎年恒例「慈愛のようす」が大閑散実施中である。明日いっぱいくらいまでこの社は開いている。気軽な年始の挨拶は元より、干支にちなんだ萌え画像を絵馬として奉納することも可能だ。もう二日ほども音信が途絶えているため、ついカッとなって長々と書いた。臆病な子猫ちゃんたちのために、再びトレンチコートを羽織って電信柱の背後へと戻ることにする。
バタフライ・エフェクト3
バタフライ・エフェクト3
「ジャンプによる過去の改変がどこまで状況と記憶を保持するのか?」が曖昧なため、筋立ては崩壊しており、そのシナリオ由来のダルさを解消しようとより過激な(エログロ方向の)映像を付け加えるという、ある意味では正統的とも言える続編ダメ映画転落の経路をたどっていることに、1作目のファンである小生は大いに脱力した。森よりも木が大切なパーツ偏愛狂である「ヤンデレ・妹萌え」の諸氏なら見る価値があるんじゃねえの、と小指の第二関節までを鼻腔へ挿入しながら小生は発言するのであった。あと、三回くらい体位を変えて延々と突きまくったあげくに恋人の写真を見て、「ごめん、できないよ」と発言し「あんたホモなの?」と返答する場面は本作の白眉だが、射精と着床までが正しいセックスですというキリスト教的性倫理を体現しているのではなく、脚本と撮影が乖離してしまっている現場の混乱を裏に読むのがツウの見方であろう。スリーだけどってやかましいわ。
小鳥猊下慈愛のようす
小鳥猊下が耶蘇教的には不吉のナンバリングを施された某有名大作RPGのプレイングと語義的に正しい意味でのマンションをかけずりまわって行う大掃除を同時並行しながら、誰も誘ってくれないからコミケなんか行ってやらないというひねくれた小心を持て余しつつお送りする、慈愛のようすin年末年始。どんな書き込みにも優しく穏やかに対応します。
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「塀の中から発言をする、というのは非常に象徴的でして」
分厚いガラスの向こう側から、スピーカーを通じた声が響く。事前に予想していた感慨を何も持たないでいる自分に気がついた。男の声が含む一種の魔的な力を弱める効果はあるのかもしれない。
「評論家たちが取る立ち位置の、現実に対する効力感の欠如へ、風刺的にまとめて言及することができる点でね。時折、類似の事件に際して、思い出したように君のような人物が面会にやって来る。おそらく、言葉の足りない、論理の裏づけの希薄な反社会的行為というものに耐えられなくなって、おしゃべり好きな奇人へ、気のふれているなりの理由を解説して欲しいんだろうと思う。社会の堅牢さを維持するには、その構成員の過誤を一種の論理エラーとして捉えねば、矛盾として、つまりはそれを取り除けば正常な機能を取り戻せるという意味でのバグとして排除することが困難になるから」
男の顔にはいくつかの青痣が浮かんでおり、薄い唇には切れた跡があった。視線に気づいたのか、奇妙に官能的な仕草で傷口をなぞる。
「うとまれるのには慣れているが、うとまれるときの度合いというのが、いつも尋常ではなくてね。昔からです」
自嘲的に顔を歪めると、傷にさわったのか、眉をわずかにしかめた。男の背後には刑務官が直立しており、普段の生活では意識しない、非人格的な、ゆえに人間を斟酌しない公というものの圧力を私に思い出させた。
「いまや人々は、与えられた民主主義になじまず、望んだ社会主義を選択しようとしている」
思考を読まれたような錯覚に驚いて、視線を戻す。
色素の薄い瞳。向けられる両目の奥に、私はそれまで気づかなかった異様な光を察知した。
「現在を食い荒らすポピュリズムは、万人の未来を担保にしている。あらゆる特権は部屋の端から絨毯をめくるように剥奪されてゆき、それは同時に、目指すべき峰々と頂を喪失した登山家の絶望にも似て、未だ何も為さぬがゆえの希望を抱いた人たちへ迫る。己の能力に見合う専門性を突き詰めてゆくことから生じる称揚感は人間の向上に不可欠な要素だが、それさえも待ち受ける罵倒に著しく弱められることをあらかじめ予期せねばならない。より良くありたいという魂の本来が、低きへの同調圧力により否定される。これから始まる人たちに共通する不幸ですね。やがてビューロクラットたちへすべての特権は集約され――」
そこで男は刑務官の方をちらりとうかがうと、わずかに声をひそめた。私は冷ややかに考える。ここでの会話はすべて記録されているはずだ。だとすれば、その行為は文字通りの芝居に過ぎない。
「――つのる不満の解消はバンドワゴンの方法を以って為される。つまり、社会の構成員一人ひとりが他の構成員たちによる一斉の攻撃対象である一時期を受容した、憎悪の持ち回りが始まるのです。憎悪は定常しません。憎悪にも、新鮮味が必要というわけです」
男は、それがひどく面白い冗談であるとでもいうように、くすくすと笑った。
「そして、構成員のすべてが憎悪をリレーし終えたならば、他の民族、他の国家へと転移の先を拡大する。究極には、いくつかの民族ないし国家との、破滅や覇権を“賭けない”恒常的な戦争状態を作り出すことができれば――」
「オーウェルですね」
思わず、口を挟んでいだ。呵成な、しかし一方通行の言葉に飲みこまれそうになったからだ。ここに至り、発言の内容というよりは、抑揚や声の調子こそがむしろ危険なのだと気づかされる。
男は、気勢をそがれたような表情で、手のひらをこちらへ向けた。
「いや、すまない。ホラ吹きの、誇大妄想の習い性で、ついつい話が大きくなってしまう。もはや自分に関係ないものとして天下国家を論じるときの快感は、ちょっと何事にも変えがたいからね。語ることは伝えること、伝えることは教えること、そして、教えることは成すをあきらめることだと言う。君がわざわざ面会を求めてきた理由について、もっと配慮をするべきだった」
言いながら、軽く頭を下げる。高まりつつあった先ほどの熱気は、嘘のように消えていた。感情の振幅よって受ける印象が全く変わってしまう。不思議な人物だ。
「では、単刀直入に君の聞きたい言葉を言おう。『現在、この国において、テロは非常に有効な手段だ』」
今度は淡々とした言いぶりだったが、言葉の内容そのものが瞬時に私を縛りつけた。
「例えば、君は田舎路線の怠惰で不機嫌な駅員だ。ときどきの理不尽なクレームを除いては、微睡むように日々を過ごしている。今日もバケツを片手に、アンモニア臭のこびりついた駅構内のトイレで、乗客の小便や大便へモップをかける。経費削減の折、清掃業者も快速の止まらぬこんな小さな駅にはやってこない。この仕事が嫌で嫌でしょうがない君は、ある日、ネットで手に入れた毒――水溶性で、粘膜から吸収されるヤツだ――を密かにトイレットペーパーへと染み込ませる。声明があれば、なお効果的だ。一週間も経たないうちに、沿線すべての駅構内にあるトイレは使用禁止となり、君はときどきの理不尽なクレームを除いては、汚物処理から解放された日々を心安らかに過ごすことができる」
馬鹿げ例えばなしだ。そう考えた瞬間だった。
「そう、馬鹿げた例えばなしだ」
まただ。まるで私の思考を読んだかのように、男はうなづいた。
「何より、達成される結果のくだらなさと、己の社会生命を永久に失う危険性とが、全く釣りあっていない。この二つを釣りあわせる方法は、論理的に考えて二つだけだ。ひとつは、人生を投げうつほどの大義を、もたらされる結果に与えること。もうひとつは、個人の価値をもたらされる結果の矮小さにまで縮減すること。おや、我々の社会が抱える危機の正体がどうやら見えてきたな」
男はいまや、間近で遭遇した草食獣を見る肉食獣が持つ確信で、ことさらにゆっくりと身を乗り出してみせた。
「個人の価値は、その内面的な膨張とは真逆のベクトルで、急速に消失の地点へと向かいつつある。一度その事実を何の虚飾もなく直視してしまえば、反社会的行為へ己を投げ出すのは、至極簡単な仕事になる。恋愛やアイドルや虚構やエロや、そんな安い充足さえ、やはり充足なのだという単純な人間心理に思い至らず、総じて何らかの規制へと向かう昨今の動きは、社会にとっての錆びついた安全装置を外そうとする試みに他ならない。やがて可視化した因果に青ざめることになるのだろうが、私にとってそれはまずまず素晴らしい、満足のできる結末のひとつと言えるだろうね」
私の心中を直接に値踏みするかのように、色素の薄い両目が細められた。
「君はまだ、ふりをしている。理解できないふりを。メディアは『不条理な暴力に屈してはいけない』と言う。いずれも判で押したようにだ。しかし、言う者も聞く者も、実感など持ちはしない。なぜならそれは、台本に書いてある、反社会性に対する定型的な応答に過ぎないからだ。一線を越えてしまった者たちの切迫感や熱には及ぶべくもない。両者の関係性を人々に連想させないための冷却期間を置くほどには、この社会は賢明だが、現に首都の電気街で発生した事件は法改正にまでたどりついた。その実行犯の願いをかなえるが如く」
私はそのとき、ある種の惑乱状態に陥っていたと思う。なぜなら男の言葉は、長らく私の脳髄を占拠していた妄想と合致してしまっていたから。
「乱立する新興メディアを含め、一億が放言する無秩序さの中で、誰も君の言うことに耳を傾けたりはしない。唯一、大勢から耳目を集めることができるのは、一定の歳月に耐えた能力者か、社会秩序の擾乱に繋がる規模の犯罪を行った者だけだ。もっとも、準備はしっかりとしておくことだ。与えられるのは、構成員の多数へ向けた発言のチャンス数回でしかない。だが、過剰に恐れる必要はない。個人的な経験から言えば、ほとんどのメディアはよりセンセーショナルな報道を求めるという点で、内容を吟味できるほど賢明であるならば、むしろ我々にとっては味方となりうる。必要なのは、一つの生と一つの主張との等価交換を是とする気概だけだ。本来、個人が微温的な安寧を拒否することは、簡単ではない。しかし、社会から十全に許容された人間が、私などの話をわざわざ聞きたいと考えるとは思えない。だとすれば、答えはすでに、君が独力でたどりつける場所にあるはずだ」
男はゆっくりと片手を持ち上げると、私の胸元を指差した。適切な返答を思いつくことができず――何よりこの会話が記録されているのだという事実と、背後に控える刑務官とにひどくうろたえてしまい――面会時間を残したままコートを手に取ると、曖昧な暇乞いと共に私はあわただしく立ち上がった。
「もうないとは思うが――」
ドアノブに手をかけたところで、背中に声がかけられる。
「また私を訪ねる気持ちになったら、次は何か甘いものを差し入れてくるとありがたい。最近どうにも、脳の働きが悪くなってね」
ひどく面白い冗談を言った、とでもいうような忍び笑い。
「いや、つまらぬことでお引き留めだてをした。では、ごきげんよう、上田くん」
スター・トレック
スター・トレック
時代を超えて幾度も復活する作品というのは、どれも類い稀な熱気と愛情に満ちている。本作品もまた然りであり、細部にまで行き届いた気配りが荒唐無稽なスケール感を裏打ちするバランスに、我が胸と目頭は自然と熱くなった。そして、賢くて論理的な人物よりも、危機に際して「大丈夫だ」と言えるヤツがボスになるという展開は、人生の季節的に我が胸へ強く迫ったのだった。余談だが、TNG世代の私は、当時その視聴を我が英語へ大きく寄与させたものだ。例えば、pikar-ed 「a.禿頭の」など、過去分詞の用法に対する深い造詣を通じて、諸君はその成果を垣間見ることができよう。かように、SFドラマが青少年に与える正の効果は大きいのである。本邦では主にアニメがその役割を担っていると言えるが、保護者が免罪符的な学習効果を期待して連れてゆく科学技術ナントカよりは、頒布性の高い実写のSFドラマに予算を割いた方が十年後の科学技術は明るくなると、半ば本気で信じている。
生きる希望を失うほど、弱くなりたい
学生風情とは比べ物にならぬ社会人の貴重な時間をいいゲームへ湯水の如く注ぐ季節が終わった。愉悦と後悔とが等分に訪れるこの玄妙なる心持ちは、正しい大人にしかわかるまい。そして、やはり学生風情とは比べ物にならぬ社会人の貴重な時間を湯水の如く注いだ更新を行ったのだが、更新後にネット界隈を一通り散策してみたところ、思いついた段階では旬を感じていた元ネタの作品がすでに賞味期限を切らしているような気配を感じたのである。ネットとリアルの二重生活を長く続けている俺様であるが、リアルの方は無理ゲーに近いイベントの連続で青息吐息の俺様であるが、ネットの方では本年冒頭のオフ会以外はあまりにイベントがなさすぎる俺様であるが、おたく界隈の作品消費速度が年々加速しているような気がしてならない。無論、俺様が馬齢を重ねすぎ、虚構に割ける時間が少なくなったため、相対的な割り増し感を得ているということは多分にあろう。客観的な実際がどうであるかは、置いておく。リアルにこれらのおたく的情報を交換する相手がいない俺様にとって、内面だけの問題に過ぎないとはいえ、取り残され孤立しているという実感は、いっそう強烈に胸へ迫ってくるのだ。いつもの繰言だと考えている諸君のしかめ面に結論を急がされるならば、諸君はネットでしか生きていない、しかし俺様の確実な魂の半分である部分を、もっと積極的に支援してよい。なるほど言葉は不確かだが、同時に人の持ち物の中で最も確かなものでもある。だから、諸君は、発したそれを裏切らないと念じて、ただ俺様へと投げればよい。俺様がここにあることへ脅える必要はない。諸君を脅えさせるものがあるとすれば、それはただ発した己の言葉のみとなる。