猫を起こさないように
<span class="vcard">小鳥猊下</span>
小鳥猊下

アニメ「アイドルマスター・シンデレラガールズ第23話」感想

 年を取ると感受性が摩耗するのか、新たな経験が肥大化し続ける過去の体験群から参照できてしまうからか、ずっと軽度の鬱状態にいるせいか、おそらくいずれもが理由に一定の割合を占めているのだろうが、大きく感情が動く瞬間が少なくなっていく。なので、ときどき訪れるそういった瞬間を書きとどめておくことは、インターネットを日記帳とするテキストサイト管理者にとって、まったく意味のないことでもないと思われるのである(あるのかないのかどっちなんだ、はっきりしろ)。

 数年前のある晩、いつものようにアルコホリック・ドリンクーーそういえば、過去に一度アルコール飲料の意味で使って、フライト・アテンダントに失笑されたことを思い出したーーを入れながらテレビに流れているアニメをぼんやりと眺めていた。ツッタイーでエシ(壊死?)の方々が大衆の関心を得るために頻繁に原典の模写を公開するところの、「偶像主人・シンデレラ少女」みたいな名前のアニメだった。

 主人公はアイドルというには若干トウのたった少女で、周囲のより若い才能たちの活躍に自信を失って「大丈夫?」と声をかけられると「大丈夫です」と応答する例の状態に陥っていく。アルコホリックの底つきーーなるほど! だからあのフライト・アテンダントは笑ったのかーーみたいな位置でその話は終わった。酩酊した頭には、「かわいそうだな」ぐらいの感想しかなかったのだが、予告で次回タイトルとして提示された”Barefoot girl.”の文字列を見た瞬間、眼球から潮吹きのように涙があふれた。

 たぶん、「シンデレラ」「ガラスの靴」「王子様」「裸足の少女」の連想から、アイドルとして消費される少女ーーつまりそれは、己の価値をすべて、男性側の審判に委ねることに他ならないーーが、王子様の求婚を拒絶し、ガラスの靴を捨て、はじめて自分の意志で人生と相対することを決める、みたいな物語を一瞬で想像したからだろう。決意に満ちた強いまなざしとか、頬に涙の乾いた跡とか、泥に汚れたドレスの裾とか、砂まみれの素足とか、そういったイメージが次々と湧き上がって、自分でも驚くぐらいに感情が動いたことを思い出す。

 家人がやってくる気配にあわてて涙をぬぐい、テレビを消したが、私の目はどうやら真っ赤になっていたらしく、「飲みすぎじゃない?」と言われ、大の大人にあるまじき情動失禁へ気づかれなかったことにホッとしたのを覚えている。

 さて、”Barefoot girl.”と題された続きの話は今日にいたるまで見ていない。たぶん、己を見失ったあの少女が、アイドルとしての自信を取り戻す様子について、コンサートを通じて描かれるのだろう。至極まっとうなその筋立てに文句をつけるところではないが、私が幻視した鮮やかなビジョン、私が味わった大きな情動へ勝ることは決してできないと思っている。

 このダラダラとした犬のような文章を通じて、何が伝えたかったかと言えば、諸君の偶像主人に対する愛や思い入れを否定することではない。結局、テキストサイト村の人間は、長年にわたるテキスト記述を通じて、文字でしか感動できないという奇矯な性癖を身に着けてしまっているということだ。もちろん、”Barefoot girl.”なる文字列から得た私のビジョンや感動を萌え画像化してくれる君の好意については、最大限の敬意と感謝をもって迎え入れられることだろう。

 ほら、おだいはしめしたんだからスケブ(助平?)でコミッション(コミュ障?)をもとめるエシ(壊死?)のみなさんははやくしてやくめでしょ!

映画「キル・ビル2」「キャシャーン」感想

 物語の方法論は大分して、2つしかない。「普遍的な題材を普遍的に描く」か「個人的な題材を普遍的に描く」かのどちらかである。

 キルビル2について。日本版のみの副題、”the love story”。どんな作品でも恋愛ものとして宣伝すれば客は入るという配給会社の作品への冒涜的なやり口に、賢明な諸氏はもうずっと辟易し続けてきていると思うが、ことこの作品に関しては全く違和感がない。KILL IS LOVE。KILL BILLは、LOVE BILLなのだ。愛は個別的であるがゆえに、つまりどの愛もどの愛と似ていないがゆえに、殺してまでそうしなければならぬ、最も極端にある「異常な愛」を描くことで、逆説的に「普遍的な愛」を描くことにこの作品は成功している。

 汗をかき、泥にまみれて、愛する者を殺し、トイレの床に転がり鼻水を流しながら”thank you”という主人公に、私は映画と人間性の正道を見る。あの”thank you”が心に少しもひっかかりを与えなかったなら、自分の感性が「汗くさくないこと」が主眼の”スタイリッシュ”な作品群に踏み荒らされておかしくなってきていることを真剣に疑った方がいい。早々に軌道修正しないと二度と戻ってこれなくなる。

 キルビル2は、個人的な題材(B級なるものへの愛)を普遍性にまで高めた傑作である。

 キャシャーンについて。戦争と平和という普遍的なテーマを置こうとして、それが全く個人的動機に過ぎないことを全編に渡って露呈している。つまりこの映画のテーマとは、PV出身の監督が初めて映画を撮るに当たっての”作られた”テーマ性であり、初めての映画に気負うあまり、現代の世界が置かれている状況を取りいれよう安直に考え(それがカッコイイ態度だ、と思ったのかもしれない)、自身の素質を省みない全く皮相的に止まるテーマの繰り込みを行った結果である。

 人造人間誕生の設定が原作の「自身から進んで」から「父親に無理矢理」へ変更されてしまっているところから、この推測がある程度の的を射ていることが理解されよう。この変更点は同時に「キャシャーンがやらねば誰がやる」というあの決め台詞に込められた熱と意味性を完全に削ぎ落としてしまっており(街角にある”世界人類が平和でありますように”といった世迷い言ではなく、争いが本質的に不可避であることを自覚し、そこへの自分の態度を明確にしており、素晴らしい台詞だ)、「原作をよくわかっている」などという賞賛は全く当てはまるどころではないことが、表層的な装飾群に惑わされない少しでも真摯さを持つ視聴者なら、瞬時に理解できるだろう。おそらく無自覚的にではあろうが、監督は個人的な動機で原作をさえ、弄んだのである。

 作品の持つテーマとは、自身が世界と対面するときに何に固執しているかという点であり、ここが重要なのだが、”恣意的に選択できるものではない”。「戦争と平和」という巨大なテーマ(人類の持つ究極の命題の1つだ!)を扱うに、この監督の初期衝動は「初めての映画で頑張らなくっちゃ! イラク戦争で世界は大変だし、よぅし、戦争を批判しちゃえ!」程度の可愛らしくも絶望的に浅薄なものであり、あまりに脳天気すぎる。「飢えた子どもの前で文学は1枚のパンよりも有効なのか」という古い問いかけを持ち出すまでもなく、この映画は戦火に焼かれる子どもの前で明らかに有効ではない。そして、この映画は(真摯な)原作ファンの前でも明らかに有効ではない。それゆえに、この映画は完全に失敗している。

 更に言うなら、普段ほとんど邦画を見ない人間がこの映画の大量テレビCMとテーマソングにひかれて入館し、今後二度と邦画は見ないことを決心しながら出ていくというのは、充分にありそうな話だ。日本映画凋落の戦犯の1人とならないことを切に願う。

 キャシャーンは、普遍的題材を個人的欲望の充実に落とした駄作である。

 この世に物語が成立する条件は、つまるところ2種類しかない。「真実のように見える嘘」を描くか、「嘘のように見える真実」を描くか。キルビル2は後者であり、キャシャーンはどちらでもない、「真実のように見せたいまがい物」である。つまり、キャシャーンは物語の段階にすら達していない、”フィルムに熱転写された何か”に過ぎない。

映画「スーパーマン・リターンズ」感想(初回)

 変則的な夏期休暇に縦縞のステテコ一丁で乳首から生えた、率直に形容して“陰毛”しか当てはまる語彙を人類は持たない毛を引きつねじりつして過ごす、平和の負の部分をビジュアル的に余すところなく体現したあの気だるい午後、赤と青のまだらタイツ男が帰還する例の活劇を見に出かけた。非常に繊細で隅々まで配慮されたシナリオに、タイツ男の抱える深い葛藤を改めて痛感させられる結果となった。

 断定せぬ曖昧な姿勢と、状況の限定による本質の回避が活劇全体の基調となり、見る者は否応なくタイツ男の苦悩をそのまま彼が体現する某国家の苦悩へと読み替える見方を強要されてゆく。某国家であることは確かながら、具体的にどこなのかを特定させない違和感に満ちた街並みに、この活劇があの二つのビルの倒壊する前なのか後なのかさえ、はっきりと言うことができない。懐かしい敵役の「ローマ帝国は道、大英帝国は船、アメリカは核爆弾……」という長口上は、三段階目の論理飛躍にひやりとした瞬間、最後の台詞の尺を短縮することでやんわりと収束する。致命的な部分に踏み込めないのだ。

 タイツ男は迫り来る大小の厄災を次から次へ食い止めるのみで、例えその元凶が手の届く範囲にいようとも、先制攻撃を行うことを禁じられている。悪漢たちがどんなに殴り蹴ろうとも、決してタイツ男は自ら拳をふりあげることはしない。あまりにも明快な暗示。かつての声高なポリシー、”American way”は”Put it in a right direction.”と控えめに換言され、劇中の少年との関係はすべてほのめかしに終始し、一語すら“その事実”が明示されることはない。契約の国の言葉はいかにささいな内容であれ、我々が思う以上に誓約し束縛するからか。いや、まだ弱い。結婚を前提とせぬ男女の婚姻に対する宗教的嫌悪に配慮しているのだ。なんというデリケートさだろう!

 そして、「紛争やテロが各地で頻発するこの時代に、たった一個のスーパーパワーの存在が意味を持つことができるのか?」という必然の問いには、物語上の技巧を駆使して限定付きの回答がかろうじて与えられる。タイツ男が体現するものに想像を及ばせれば、回答は「意味がある」以外にあり得ないのは自明である。その“正答”を肯定するために「誰一人として死なせない」、「ただし、彼の能力にできる範囲で」という大前提の下に、すべての災害は意図的にプログラムされる。押し寄せる高波、地の奥底から響く鳴動、しかしそれは観客の心拍数を高めるための小道具に過ぎない。我々はすでに現実に数多くの破滅を見てきてしまっている。我々が見てきたようには、大地は裂けもしなければ盛り上がりもせず、ビルは倒壊にほど遠い地点で窓ガラスを控えめに割るのみである。タイツ男は落下する看板を受けとめ、ただ一箇所から迫り来る炎を吹き消す。それだけで決定的な破局は尻すぼみに収束する。回答が与えられる。タイツ男は世界に必要だと。無論、良心的な観客からの喝采は得られない。

 しかし、今作における最大の回避はそこではない。「現在この世界で、いったい誰と戦うのか?」という当然の帰結に対するものである。タイツ男は体現し、象徴している。だからこそ彼は、円月刀の刺突を大胸筋でねじ曲げて、大量のプルトニウムを地下貯蔵するモスクを岩盤ごと宇宙空間に放り投げてしまうことは、暗黙の要請から許されないのだ。彼の敵が“旧作から引き継がれたSF的設定”となったのも、シナリオを吟味し尽くした上の結果ではなく、徹底的に選択肢を奪われた末の残骸であるに過ぎない。自らが体現するものの中身から、戦う相手を指名することの許されぬ永遠のチャンピオンは虚構の中でのみ安心してピンチを味わい、その全能のパワーを行使することができる。もし万が一、次回作が制作されるとするなら、私の興味の焦点は一つしかない。

 「いったい、この世界で誰を“敵”と名指しするのか?」

 余談だが、某監督の息子が制作した某戦記も見た。婉曲表現を許して欲しいが、私はピュアウォーター某のナニもアレしたいほどの原理主義者なので、自分語りだけにとどまることのできる外殻のみを書く。この活劇の中で発生する感情はすべて言葉によってトリガーされている。心の一番深い部分の動きが、行為や体験によってでなく、言葉によって引き起こされている。私もそうだ。そこに共感した。より正確に言えば、同じ病の患者が持つ憐れみ、負の連帯を感じたのだ。「重要な場面が人物の台詞だけで展開する」、「言葉じゃなくて主人公の行動で説得力を持たせて欲しい」。たぶん、それは私たちの中には無い。

映画「ホステル」感想

 左のつま先へ伸ばした右手の先端で触れ、左腕と右の肩胛骨でアーチを形作り、「パロール!」と深夜戸外へ絶叫することも稀ではない不安定の代名詞、生きる伝説a.k.a.小鳥猊下であるが、相も変わらず貴様らは俺をなめておるのか。アー・ユー・リッキング・マイ・ディック? 堪能な英語が思わず口をついてしまい、諸君の民族に固有の遺伝的白人フォビアの証左であるてんかん発作を誘発したのをたいへん申し訳なく感じているが、私には貴様らしかいないのだということを改めて、無言で口角泡飛ばす貴様らに懇願し申し上げたい。貴様らは王様の裸踊りをにやにや笑いで眺める通行人であり、そして王様は与えられた権威の絶対性が示唆するほど自立的に存在できるわけではない。私は今回の更新を二週間に渡り読み返しては改変し、その行為の不毛性自体を楽しんでいた。もう二週間は続けていたかったが、関心を得たいあまり気がつけば、愛されたい一心で発作的にアップロードを完了してしまっていた。私の意識は常に貴様らに脅迫され続けている。民衆は王様が手を振るとき、彼の瞳が潤む瞬間を見逃してはならないのだ。

 ホステルを見た。素晴らしい映画だった。人物と舞台装置に与えられていた意味が、物語の進捗につれて次々と反転してゆく様は見事であり、また、アメリカへの世界的憎悪をアメリカ人自身が描いた心意気を褒めたたえたい。ワールドトレードセンターの壮大な腰の引けっぷりに比べ、なんといさぎよいことか。しかし、私が何より関心したのは、国際理解やグローバル化などという催眠による眠気がたちまちぶっとぶ、そびえ立つ異質の表現であった。疲労で脳神経が灼き切れ、それまで理解できていたはずの外国語から全く意味の消失するあの瞬間、笑顔に見えていた表情が顔面の筋肉の変化を伴わず眼前へ能面化する、ほとんど恐慌さえ伴う圧倒的なあの異国感――私にとって異国とはあれに尽きる――を感じたのは、少なくない映画視聴の中でも初めてのことだった。この感覚を、言語的マイノリティの日本人ではなく、9割がパスポートを持たぬというアメリカ人に体験させるのだから、彼らの感じる恐怖の正体の無さは、我々の比ではなかろう。hostelというタイトルはhostileを連想させる。本来中立の世界は”I”が介在することで敵意に満ちたものになるのだ。あと、この監督は日本女性に過大な幻想を抱いていると思った。それと、東欧のおっぱいはすごく堅そうだと思った。

ゲーム「ディアブロ3」感想

 しゃちくのぼくわ、へいじつのゆうがたにディアブロスリーおたのしむフリーメンたちがログインできずにのたうちまわっているとゆうニュースおきいて、むねがスーッとらくになった。しゃちくこそがかちぐみなのだ。

 なんだろう、この、ディアブロ3をプレイしているという事実がもたらす未来感。21世紀を迎えたときでさえ、こんなに未来を感じることはなかったのに。いっそ団塊の世代の、大阪万博くらいの感じだ。

 『砂漠はからっぽ……でも、それはわたしも同じ』

 「近いわ!」「なぜわかる?」「カンよ!(てへぺろ)」 エンチャントレスきゃわわ! エレクトレスの小生も思わずエレクト! 小鳥猊下であるッ!

 これからときどき忘備録として、ディアブロ3への雑感をこのツッタイーa.k.a.言葉のスクラップ工場へ投棄していきたい! イヤなら見るな! イヤなら見るな! アンフォロー・ミー!

 パブリックで手早くクリアして、トレハン作業に移行しようと思っていたが、開始一時間ほどで考えを改めた。少なくともマルチプレイの早い展開で、ストーリーや膨大なテキストを追いきれるほどの英語力は持っていない。この手のゲームで勤め人がどれだけ余暇や睡眠時間を削ろうとも、先頭を走ることが不可能なのは痛いほどわかっている。なので、難易度ノーマルは世界観を味わうことを中心に、まずはソロでゆっくり進めようと決めた。

 オリジナルスタッフがいないせいだろう、ディアブロシリーズの固有名詞をちりばめた、ファンジンを思わせるストーリー展開に最初は辟易したが、ACT2の中盤当たりからグッと面白くなってきた。加えて、数多く用意されたNPCとの掛け合いがすごく楽しい。楽しいだけではなく、ときどき考えさせられる内容もある。スカイリムも悪くないが、擬似にせよ、2D見下ろし型のRPGは世代的にひどくしっくりくる。一人称視点はリアルさの追求には最適だけれど、意識の拡張がない。例えば一流のスポーツ選手に訪れるような、世界を完全に把握する俯瞰の瞬間がない。古臭いの一言で一蹴されようと、私は哲学的鳥瞰、超越体験を与えてくれる2D見下ろし型が好きだ。

 ともあれ現在、クリア前の私がこのゲームに関して最も強く言えることは、エンチャントレスきゃわわ! 外人の声優の演技に“萌え”を感じるのは、じつに新鮮なエクスペリエンス、デース!

 『お前の言う、空虚について聞かせてくれるか』

 『わたしの心には失われた部分があるわ。けど、どこか頭の片隅には残っていて……ただ、手が届かないだけ』

 『私は空の器たろうと、肉体と精神を無にしようと努めてきた……だが、お前の言う空虚は私のそれとは違うようだな』

 小鳥猊下がACT4に到達。「すげえ! ゴッドサイダーみてえ!」

 ディアブロ3雑感。「ガビーン! 7つの悪魔が1つになって、すっかり倒しやすくなっとるー!」

 ディアブロ3雑感。「人間化したティラエルを黒人として描いたのは、マイノリティ優遇が逆差別をもたらす米国の歪みの現れ。なーんちゃって。てへ」

 小鳥猊下がナイトメア進行中。「なにこのインフレ! ドラゴンボールみてえ!」

 小鳥猊下のモンクが地獄で立往生。「装備が整うまで高難易度における前衛職は、言わばニガリをうたない豆腐、高温下でのバター……!! 最初のキャラで後衛職を選択するのは、このシリーズの鉄則……っ……!! 失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗」

 (アニメプリントシャツ、階段に腰かけて)おっぱい、白髪、ロシア訛りのコンボにだまされた……(片手でコーラのプルトップを引こうとするが、30時間のマウス操作に震える指ではままならない)くそっ、なぜ俺はあんな無駄な時間を……(涙ぐむ)

 小鳥猊下のWIZが弱体化。「近接から遠隔への劇的な転向っ……!! だがそれを嘲笑うかのような突然のナーフっ……弱体化……っ……!! 人気ビルドの後追い……ネットゲーにおける典型的な負け犬の思考……マイライフ・アズ・アドッグっ……はまっている……っ……首まで……!!」

 小鳥猊下のモンクがAH依存を深めながらゾンビアタックで地獄を粛々と進行中。「格闘ゲームと同じで、性能の不遇さはキャラへの愛を深めるきっかけにもなる。ディアブロ3でのモンクを例えるなら、そう、スクリューパイルドライバーを欠いたザンギエフ……(目標をセンターに入れる表情でクリック)」

 @nobody 始めるなら、日々バランスの変動する、混沌状態のいましかありませんよ! それに、ディアブロ2ほど長続きしない予感もするし……(目をそらす)

 ヘルの中ばんをすぎたあたりから、リカはなんだか不あんになった。でも、そのしょう体がなんなのか、わからない。クライアントをおとすと、これまでふう印していた公しきフォーラムをおそるおそるのぞいてみた。そこにははたして、リカがことばにできなかった不あんがびっしりと言ご化されていた。あわててブラウザをとじてベッドへかけこみ、ふとんをあたままでかぶる。小さいころから、なにかげん実に対しょできないときのならい性だった。パイソンはあれからずっとかえってこない。心のささえのディアブロ3は、ながくもたないかもしれない。リカの不あんは、高まるばかりだった。「こわいよお」

 「(昭和風ヤンキーがモニターにリーゼントを押しつけて)メンテきってんじゃねえぞ、おー?」

 「(入道雲パーマ、憐憫の眼差しで)いまや蒸留酒以外の酒を所望するときでさえ、アイ・ハブ・ノー・スピリッツと叫ぶほどの依存ぶり……中毒への耐性が低すぎるわ……」

 「メンテきってんじゃねぞ、おー?」

 小鳥猊下のモンクが弱体化。「無敵結界によるチキンアタックでなんとかヘルACT4までこぎつけたところで、まさかのナーフ……っ……!! このモンク、まさにダブルウリアッ上を失ったザンギュラ状態……!!」

 小鳥猊下がインフェルノ突入。「ヘルディアブロを仁王立ちに撲殺したモンクがゾンビのひと撫でで蒸発……っ……!! カンストまでの50時間がチュートリアルに過ぎないという、このシリーズにだけ許された理不尽っ!! あらゆる社会性を生贄にしなければ、ただ追随することすら困難……っ!!」

 インフェルノのツボ、あったかいナリ……

 だれだッ! 昨日から2~3時間おきにweb拍手ボタンを押しているのはッ! nWoはソーシャルゲームじゃないぞッ! 応援か催促のつもりなら、メッセージをくれッ! そんなやり方じゃ、さみしさがつのるばかりだッ!

 小鳥猊下のウィザードがナイトメア突入。「モンク? なにそれ? そんなの、ぼくのディアブロ3には入ってないよ?」

 モンク、レベル56。ディアブロ3でのトレハンに限界を感じ、悩みに悩み抜いた結果、小鳥猊下がたどり着いた結果は、壺割りであった。自分自身を十年間楽しませてくれたディアブロ2への限りなく大きな恩。自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが、一日一万個、感謝の壺割り!!

 インフェルノに突入し、バグを利用し、アクト4入りし、壺を割る。一連の壺割りをこなすのに当初は5~6分。一万個を割り終えるまでに初日は3時間以上を費やした。割り終えれば倒れる様に眠る。起きてまた割るを繰り返す日々。

 1週間が過ぎた頃、異変に気付く。3時間が経過しても、1万個割り終えていない。レベル60を越えて、完全に羽化する。感謝の壺割り一万個、退屈のあまり1時間と続かない!!

 え、これも修正されるの? アナタのこと、嫌いになりたくない。本当に愛しているから、わたし、しばらくアナタの元を離れることにする。一ヶ月前はこんなこと、考えもしなかった。ただ、悲しい。

 質問:Diablo3 のゲーム通貨を販売しております。激安!

 回答:うむ? 変わった感想だな。冗談はさておき、すまない、そのゲームとは少し距離をおいているところだ。

 薄馬鹿下郎ッ! 小鳥猊下であるッ! リアルマネーオークションの導入に心ゆさぶられ、ソーシャルゲームを小馬鹿にしてきた小生はいま、深刻なアイデンティティ・クライシスをむかえているッ!

 人生を時給計算する小生にとって……たかだか上限250ドルだろ? そのアイテムを手に入れるための膨大なトレハン時間を考えてみろよ? しかも超級アイテムは最高難度の攻略を「楽にする」んじゃなくて「必須」なんだぜ?

 必要な先行投資だろ? いい大人が自分で稼いだカネを何に使おうが誰に文句を言われる筋合いはないよな……?(薄馬鹿下郎の表情で人差し指をさまよわせる)

 小鳥猊下のウィザードがインフェルノを進行中。「1.0.3パッチでブッチャーランが安定し、トレハンの収支がプラスに転じる。そうすると、あれだけ不満を感じていたゲーム性にさえ好意的な視点が混じり始める。我ながら現金なものだと思う。ぬるいリーマンプレイヤーにはこのくらいでちょうどいい」

 『きがつけば ウォリアーズ・レストで 8じかん(げゐか)』

 不快なヤツ、モールテンさッ! 現実からひきこもり、ネットでもひきこもり、昨今はゲームでさえひきこもるところの小鳥猊下であるッ! いよいよディアブロのネームバリューのみでむらがっていたブラッディー弱兵どもが地獄の業火に淘汰され、いい感じになってきたッ! 誕生日とクリスマスくらいにしかプレイするゲームが更新されない小学生の感じ、それゆえクソゲーをつかまされてもなんとかして楽しんでやろうという感じであるッ! うんこMODのエリートたちから一方的に惨殺されてもくじけず、MOLTENを下痢便と呼び、ARCANE ENCHANTEDをイライラ棒と呼ぶ、爬虫類の肌の如く濡れたこのユーモア! クソゲーを笑いで相対化し、無理矢理に半年は遊び続けた当時が懐かしく思い出されるッ! しかしこれは、決してノスタルジーではないッ! いまを生きる俺たちの、ひりひりするようなリアルなのだッ!

 『きがつけば うんこワンドに 2ミリオン(げゐか)』

 リーマンプレイの小生にも、ようやく先行者たちが言及していた境地がやってきた。プレイ時間に対する報酬ーー物心ともだーーの描く曲線が限りなくフラットに近づいてきたのである。丸一日プレイしても、装備の更新すらままならない。レベルはとうにカンストしている。わずかずつでも増えるのはゴールドだが、オークションの足しにすらならない端金だ。数百時間に一度あるかないかの「大当たり」を待ち続ける廃プレイをするには、この人生はあまりに社畜すぎるーーおっ、この骨、レジェアミュ落としよったで! さっそく鑑定や、良可変こいよ……き、きよった! きよったで! こら、落札価格50Mはかたいで! ディアブロ3、とんだ脱法ギャンブルやがな! た、たまらん……っ……!!(よだれを垂らしながら社長椅子の上で失禁する)

 なに、パチンコ? アカンアカン、あんなん違法ギャンブルやんけ! パチンコやる人間は全員クズや! ディアブロ3最高や!

 質問:ディアブロおもしろそうですね!!やってみようかな。。。

 回答:このクソたわけが! おもしろいのはディアブロ3ではなく、ディアブロ3に向けた俺様のまなざしであることがまだわからんのか! ネットゲーマーにとってのディアブロ3とは、例えるなら日本人にとってのガンダムやエヴァであり、アメリカ人にとってのスタートレックやスターウォーズなのだ! そのタイトルの元に何が出てこようとも、すべての不備と不満は愛と諧謔で補填することが前提の、崇拝する以外の選択肢はあらかじめ排除された、宗教にも似た一大ブランドなのだ! 現存するあらゆるゲームに飽いてから始めて手を出すことを許されるゲーム、宇多田ヒカル風にいうなら「どんなトレハンでもやってみて損をしたって少しも経験値あがらない」ゲーム、枯山水の前で感得した宇宙に自然と涙が流れる境地に至ってのち意味を成すゲーム、それがディアブロ3であると心得よ! 思いつきを脊髄反射で口にするような弱兵が、なまなかに手を出していいゲームではないのだ! ええい、腹が立つ! 貴様のせいで今日はロクなレアが出んわ!

 小鳥猊下がインフェルノACT2を粛々と進行中。「オープンスペースなら、とびきり無茶なMODでない限り、どのエリートにも対処できることが判明した。あと、同じ場所をぐるぐると、ちびくろさんぼみたく周回しながらエリートを倒す戦術に既視感があるなーと思ってたら、FF11だった」

 「それと、きょう久しぶりに音声ありでプレイしたら、ウィズ子ちゃんが私の最も嫌うタイプの異性の『英語を才覚と勘違いした内省皆無のクソビッチ』であり、テンプラーが私の最も嫌うタイプの同性の『己の正義を微塵も疑わぬ宗教狂いの殺人淫蕩者』であることがわかった」

 「チクショウ、ブリザードめ! どこまでボクを苦しめれば気がすむんだ!」

 小鳥猊下が蛮族でのプレイを開始。「就寝前に高効率で骨を倒す作業に疲労困憊し、休日にかこつけて新キャラを作成。レベル60までのゲームデザインは非常に秀逸なことを再確認」

 「レベルがひとつ上がるごとにできることが増え、ドロップからの装備更新にワクワクし、見知ったスキル名のアレンジに膝を打つ。元凶はインフェルノとオークションハウスなのだと改めて実感した次第。あと、コミュニティマネージャー」

 (顔のパーツが中央に寄った赤い全身タイツの金髪くせ毛、タラコ唇で)ヒュー、おいおい冗談だろ! Arcane Enchanted Vortex Waller Frozen Moltenのお出ましだぜ! なに、LoHのたっぷり乗ったフレンジーを使えだって? (青タンでウインクして)あいにく俺の生まれた町じゃ、12年前からワールウインドを主力にしたビルド以外が禁じられているものでね!(赤い全身タイツ、バレエのピケターンを思わせる動きで相手に近づくも、瞬時にボコボコにされる)

 小鳥猊下の躍動するダブルトルネード蛮族。「やっすい装備でものっそ強い……おまけにディアブロ2のような爽快感まで……これまでWIZを強化するために売り払ってきた蛮族装備をぜんぶ返して欲しい……(15ドル払ったうんこワンドを握りしめながら)」

 新エキスパンションが出たんで、またぞろディアブロ3やってる。時間あるとき、フールーでギャラクティカ流しながら延々とリフト回してるだけで、パラゴンレベルもまだようやく三桁になったぐらいだけど。

 でもこのゲーム、どう育てても最終的には同じパラメータになるし、スキルはいつでも取り替え自由なので育成要素がほぼ無いから、強いアイテムを持ってるかどうかだけがキャラの差異になるのね。だからやってて、もうこれパチンコじゃんって感じになってきた。無印が換金できるパチンコだったとするなら、リーパー・オブ・ソウルズは換金できないパチスロ。

 クルセイダーとかいうパラディンもどきが入ってきたり、ウィッチドクターがネクロマンサーみたく調整されたり、なんか全体的にディアブロ2に寄せてってて、じゃあ意地はらずに最初からそうしとけよっていう。ラダーも導入されるらしいんだけど、育成要素ないからシーズン毎にパラゴンレベルだけリセットとかするんだろうなって考えたら、どんどんプレイする意欲が失せてきた。じゃあもうこのグラフィックエンジンでディアブロ2をそっくりリメイクしてよって思う。そしたら、もう他のゲームぜんぶいらなくなって、それだけで死ぬまで遊んでられる気がする。

 ゲーム「ディアブロ2」感想(完全版)
 ゲーム「Diablo II Resurrected」感想

再録「nWo名作ツイート劇場vol.3(2010.10)」

 あー、テステス。マイクテス。

 貴様ら、初老の男性が誇らしげに「定年を迎えるまで一日も欠かしませんでした」と宣言するが如く日々俺を舐めておるのか! 「ねえ、今月ピンチなんだけど、おカネ貸してくんない?」「えーっ、またなのぉ」「絶対返すからさあ」「もーっ、ほんとにこれが最後だよ?」と甘い声で俺に言わせんばかりか!

 何より腹立たしいのは、軽音楽を主題とした部活動アニメに関する先日のツイートの件である! あれだけ俺を時流へおもねらせておきながら、貴様らは相変わらず苛められるクラスメートを取り囲む薄ら笑いの青春群像か!

 それとも、あまりに俺のツイーティングがハイレベル過ぎたため、お前たちの薄まった精を主題とした知能では理解できなかったというのか! よし、貴様らに解説してやろう! いや、解説させて下さい!

 「わかったぞ……!! HTTとは、Humanity Terminated by Totalism……つまり、報道しない自由を振りかざすマスコミによる全体主義的報道管制に圧殺された、我々の人間性のことを表していたんだよ!」「な、なんだってーー!!」

 見よ、この凄みを! 凡百のネット耽溺者ならば、HTTからまず即座にHTTPを連想し、Pの部分を”Penis(陰茎)”か”Pedophilia(小児性愛)”か”Peropero(ぺろぺろ)”へ改変した段階で満足し、すべてやりきった感をだらしなく発散しながらツイートしたことだろう!

 おお、つまりは「放課後ティータイムぺろぺろ」といった無様さにゃん!

 それにひきかえ、俺のツイーティングは欠陥言語でありながら数だけは一人前にそろった英語とやらの母語話者にも配慮してあるし、かつ、HTTの正体に対する”Profiling(プロファイリング)”の裏へ”Pedophiling(ペドファイリング)”という揶揄を含ませておるのだ!

 なんという読解能力にチャレンジなさっているフォロワーどもであることか! それもこれも、俺のツイート偏差値が高すぎるのが災いしておるのだ! こうなったら、ツイート偏差値を下げるしか他に方法はあるまい!

 (軽く開いた両手を腰へ、膝を合わせて内股に構えて)呼ォォォォ……ッ!!(両端を絞った大小の楕円が、男のシルエットを覆うように光線で描き出される。縦の線が楕円を等分に割ると、銅鑼の音とともに鞭毛状の線が外縁を取り囲む)

 (段ボールを鼻に装着した外人が額から一条の汗を垂らして)41、40、39……下ガッテユク! ゲイカのツイート偏差値ガスゴイイキオイデ下ガッテユクネ!

 (入道雲状パーマの女性、腕をもみしぼって)35、34、33……もうやめて、それ以上やったら、猊下に戻れなくなってしまう! ああッ、あなたは愛しすぎる……どうして、(すすり泣きつつ)どうして低い方に合わせる必要があるの……!!

 (男、先ほどのマークと同じ左目をして)この世はリツイートズラ! リツイートされんツイートにゃ、何も価値もねえズラ!

 (無音)

 「ぐわーっ! スラックスの股間がまるで生き物みたいに!」

 「ペニペニーっ! 怪人ペニス男さまの股間のもりあがりはだれにも見切れんペニ!」

 「くそ、もりあがりの出どころはわかっているのに、かわせないなんて」

 「フフフ、1日100回股間をもりあげることができるオナニストならだれでもできる芸当ペニ」

 「うう、わたしの負けです。降参のしるしにこのジーンズをどうぞ」

 「殊勝な心がけペニ。うむ、なかなかの履き心地ペニ」

 「ひっかかったな! おまえの負けだ、怪人ペニス男!」

 「なにを言っているペニか、かえりうちにして……ううっ、デニム生地のスリムジーンズでは股間がテントを張れんペニ! これをねらっていたペニか!」

 「くらえ、必殺・ポロリ落とし!」

 「うわーっ、きれいに出たペニーっ! かんぜんに負けたペニーっ!」

 おわり(制作・著作 NWO)

再録「nWo名作ツイート劇場vol.2(2010.10)」

 あー、テステス。マイクテス。

 nWoがインタラクティブ性を最重要視していることは、ファンの諸君全員が承知と思う。一見、散発的なやり方で複数の方向性を投げかけ、反応のあった部分を濃くしてゆく仕組みだ。

 だが、労をねぎらってもらうまでもない。誰も読まない長めの更新をノーペイで三度も行い、いま四度目の準備をしておるほど強靭な精神力と忘却力を有する俺様であるから、ツイッターぐらいの作業は朝飯前、英語で言えばwith one handなのだ。

 (鼻段ボールの男がひどい寝癖のまま、カメラの前に現れて)エー、タダイマ、タイヘン不適切ナ発言ガアリマシタコトヲ視聴者ノミナサマニオワビ申シアゲマス。申シ訳アリマセンデシタ(深々と頭を下げる)。

 事実、このツイーティングも右手をずっぽりと鼻腔、左手をべったりと陰茎で行っているくらいの気軽さである。

 (入道雲パーマの女性、戸田奈津子の字幕調で)どうやってキーボードを?

 (鼻段ボールの男、ソファに前かがみで座り、両手に顎を乗せて)コレハマダ仮説ノ段階ニスギマセンガ、アノゲイカトイウ男、オノレノ意志デツイート偏差値ヲ自在ニ変化サセルコトガデキルノデハ?

 (無音)*なお、このツイートのみをリツイートして文脈を改変することは、法律により固く禁じられています。

 「シナ! シナ! シナシナ!」

 「なんだ、このさわやかな季節を台無しにするような卑猥な歌は!

 「シナ、シナ、シナ、シナ、シナびマラ~!」

 「おまえは、怪人シナ男!  ここでなにをやっているんだ!」

 「シナーっ! 我が国固有の領土で何をしようがこっちの勝手シナ! おまえこそ、何をしているシナ! 即時の立ち退きを要求するシナ!」

 「くそ、シナ男め! やさしくしてれば、つけあがりやがって!」

 「私が発見した古地図にもそう書いてあるシナ! これ以上居座れば、賠償を求めるシナ!」

 「何が古地図だ 、イトーヨーカドーのチラシじゃないか! 世迷い言もたいがいにしろ! ここは我が国固有の領土だ! 立ち退くのはお前のほうだ!」

 「うう、ひどいシナ……これ以上、我が友邦にディアスポラの苦しみを味あわせ続けるわけにはいかんシナ……」

 「よく見ればコイツ、シナ男じゃない、怪人シナゴーグ男だ!  しまった、争点はパレスチナ問題だったのか!」

 「ひどいでゴーグ、民族離散の苦しみ、ここまで悪しざまにののしられるとは思わなかったでゴーグ……」

 「くっ、まぎらわしい語尾を使いやがって! まずい、このままでは外交問題に発展してしまう! ここはこの一手しかない! どうもすいませんでした!」

 「むう、五体投地シナ? いや、ちがうシナ。これはかの有名なドゲザ・ディプロマシー……まさか、この目で見れるとはシナ」

 「踏んで下さい! あなたの気がすむまで、ボクのあたまを踏みつけにして下さい!」

 「これが一国のあるじの姿とは、信じられんシナ。では、お言葉に甘えるとするシナ。むぎゅっとシナ」

 「ふはは、かかったな! この額に付着したビンディ状のイボは、圧をかけられると下半身のバネを駆動させる仕組みになっているのだ!」

 「し、しまったシナ! 罠だシナ!」

 「くらえ、必殺・土下座スプリング!」

 「シナーっ! 陰茎がバネのように下半身を跳ねあげ、私の下アゴを打ちぬいたシナーっ! 骨はコナゴナで大出血シナーっ! 完全に私の負けシナーっ!」

 おわり(制作・著作 NWO)

再録「nWo名作ツイート劇場vol.1(2010.9)」

 (胸元の位置にギターを抱えたバーコード状の頭髪で股引姿の中年が、重力を無視して宙空へエビぞりに静止しながら)ロックンロール! 小鳥猊下であれかしッ!

 流暢な英語が無意識に口をつく洋行帰りの性病持ちの俺様であるが、久しぶりに日本に帰ってきていちばん驚いたことといえば、町中の看板に大きく“ディック”と書かれており、その下を女学生たちが歩行していたことです。

 諸君の七曲がりディックのように話がそれかけたが、最近の貴様らはぶッたるんでんじゃねえのか。当初、俺様が利用した公衆トイレの便器さえネットオークションで落札しかねないほどの勢いでリタリンし、ベルファボーレしていた貴様らの、下腹部と心のたるみのことを言っておるのだ。

 ただ感情にまかせて貴様らを怒鳴りつけたいが、それでは貴様らのご父兄が幼少期の貴様らに行ったあの仕打ちと何ら変わらぬ。ここでは、愚者へ賢者の知恵を賢者の理解と同じ深度で伝えるために有効だと民俗学的にも立証されているところの、たとえ話をすることで貴様らの育て直しとしよう。

 (吹き替えボイスで)ウォウ、ついに憧れの外タレが来日した! このご時世に、鍋敷き程度の用途しかない彼のコンパクト・ディスクをすべてそろえているくらいの、大、大、大ファンだ! しかも、本邦独占のライブを一週間ブッ続けで行うという! しかも、入場は無料だって? イーヤッハァ!

 (憔悴した吹き替えボイスで)……最初の興奮は、まだ身体の芯に残っている。しかし、ライブ開始よりすでに72時間が経過した。それなのに、この外タレは眠るどころか、舞台袖にひっこむどころか、ギターをステージへ置く気配すら見せない。

 観客の中には倒れる者も出てきた。舞台の上ではいま、一日目と同じ曲が若干のアレンジを加えただけで演奏されている。声援を送ろうにもとうに喉は潰れ、踏み鳴らしすぎた足は疼痛をうったえ、振り上げた腕はいまや鉛のように重い。

 夜を徹して一週間のライブだなんて、聞いてなかった。いくらなんでも、こいつは気がふれている。それに、三日目にして早くも初日と同じ曲がローテーションしてきている。確かに彼のことは好きだが、ここから先はもう生で見なくても大丈夫じゃないか。

 そうさ、こんなにたくさんの観客がいるんだ、ひとりくらい応援のこぶしを下ろしたところで、誰も気づきはしないし、何も変わりはしない。

 そう考えると、君は振り上げた拳を、そっと下ろした。

 はい今死んだ! 今小鳥猊下死んだ! ステージいっぱいに臓物ぶちまけて小鳥猊下死んだよ!

 いま貴様らの胸にあるそれは、実はジャニス・ジョプリンを殺したのと同じそれであるし、さらに言えばマイケル・ジャクソンを殺したのと同じそれだ。

 いまの貴様らに必要なのは、リトリートではない、リツイートである。ライブはまだ、始まったばかりなのだから。

 (アンプのボリュームを最大に上げながら)貴様ら、この231ツイート目”ポイゾナス・ペアレンツ・ドント・ビー・ファックト・バイ・マイ・ディック”を喰らうがよいわ!(ギターをかき鳴らした瞬間、アンプより発生した爆音のソニックブームにより、外タレ、吹き飛ばされる)

 (観客席上空で歌いながら)『オフィスの営業時間にしかー、誰もツイートしていないー(コーラス:リツイートされたけりゃー、昼間にツイートしろー)、暇にあかせてついツイーティングー、アカデミズムの連中にゃ騙されるなー(コーラス:研究名目の夏休みー、経済不況で俺たちゃドカチンー)』

映画「ドライヴ」感想

 ネットでの高評価だけを鵜呑みにして、何の予備知識もなく視聴したら前半と後半の落差にのけぞった。北野武の初期作品とか、長渕剛の昔のドラマとか、レザボアドッグスとか、そういうのと同じ匂いがする。つまり、強烈な怒りによって世に出た者に共通した、突発的かつ執拗なまでに残忍な暴力描写だ。

 メカに強くて運転がうまくて、普段は穏やかで欲がないが、他人のために怒ると滅法強い。この主人公像は、ある種の人々とってものすごく願望充足的に機能するんだろう。エンディングに流れる主題歌(?)の曲調と歌詞がストーリーの内容と異様にミスマッチだと感じた私は、監督の想定するヒーロー像に感情移入できておらず、おそらく理想的な視聴者ではない。中二病のアッパーバージョンみたいなこの内容を激賞する方々とは、ちょっと友だちにはなりにくいなー、と思った。

 あと、ドライ“ヴ”という邦題の付け方がこの映画の本質をよく表しているなー、と思った。

忘備録「MMGF!のサブ・テキスト(あるいはC80への軌跡)」

 (全裸の痩せた男、腕を組み、頭頂で高いブリッジ。最も天頂へ近いところに、ミドリガメが乗っている)みなさん、見てやってくださいッ! これが十年に渡る節を曲げ、時代と寝ることを哀願する男の粗末な「萌え萌え学園ファンタジー」ですッ! みなさま、拡散してやってくださいッ!(ミドリガメが首を右に振る。飛び散る飛沫) どうか拡散してやってくださいッ!(ミドリガメが首を左に振る。飛び散る飛沫) 粗末なMMGFですッ! 見られるほどにこの出歯亀野郎は興奮するんですッ! 

 あー、テステス。マイクテス。

 「(修道服姿の女性、両手で口元を覆って)ああッ、まさか、あれは!」「(全裸の小太り男、雲龍型の深い四股。突如、男はシルエットとなり、両足で形成される部分にMの赤いラインがふちどられる。銅鑼の音)MMGFッ!」

 “My favorite time of day is the brief moment when you wake up and don’t know who you are.”

 (スタジオ。机。水を満たした洗面器に顔を伏せるスーツ姿の男。静寂。やがて顔の両脇から水泡が浮かび、男、勢いよく顔を上げる)ブフゥッ! 更新した側の倫理として300時間ほどの沈黙を保ってきたが、そろそろ限界だわい! 溜りに溜まったお前たちからの疑問に(スーツの袖で水滴と鼻汁をぬぐいながら)答えてやるぜ! 長いぞぉ~~~ッ!

 質問:トップ画像がnMo(エヌエムオー)提供になってるんだけど、これって間違ってるんじゃないの?

 回答:間違ってはおらぬ! nWoは十年を経て、テキストサイトとしての寿命を終えた! いや、ブログ形式に移行した時点で、すでに死んでいたのだ! nMoとは「猫が萌えれば少女が痩せる」の略、すなわち新生「よい大人のnMo」であるッ!

 質問:新しい更新のMMGFって、萌え萌え学園ファンタジーの略なの? まさか小鳥猊下様のことだから裏なんてないよね?

 回答:俺の発想の貧困さを揶揄しておるのか! そして、小鳥猊下の全発言をフォローしておらぬほどのにわかファンなのか! 以下、労を惜しむ貴様へmixiからの転載である! ありがたく拝読せよ! 「MMGFは“Mushroom Mardi Gras Festival”の略です。いや、違いました、秘書が間違った書類を渡してきたもので。そう、MMGFは“Massive Massacre Grooves Faggot”の略でした」

 質問:どうしてこうなった…… どうしてこうなった!? どうしてこうなった! どうしてこうなった!

 回答:たわけが! nWoは常々インタラクティヴ性を重視すると言い続けてきた! イメージとしては、公衆便所の落書きに返事が来る絵面だ! 貴様らの無関心がnMoという地獄をこの世に顕在化させてしまったのだと知れ! マザー・テレサも俺のとなりで激しく同意しておるわ!

 質問:想像以上の振り幅にドキドキです。どんなお話になるんだろう!

 回答:投げ続けた方向から何も応答が無ければ、誰でもとりあえず真反対へ投げてみようと思うはずだ! ポジティブで萌え萌えなお話になる予定だが、すべては貴様らの反応次第だ! そう、公衆便所が持つグルーヴ感、スメル感、それが新生nMoのインタラクティヴだ!

 質問:今までにもまして壮大な物語が紡ぎだされる事を期待.

 回答:期待するだけでは足りん!参画し、感想し、二次創作しろ!

 質問:小鳥猊下、宇宙怪獣ジャミラみたいな人生(ジャミラ生? )に一時の潤いをありがとうございます。新作であるMMGFは私が不慮の偶然の悲劇の何かで死なない限りは読破させていただきます。

 回答:婦女子の敏感な部分を潤わせるために我が生はある! しかし、読破するだけでは足りん! 参画し、感想し、二次創作しろ!

 質問:ついに萌え萌え学園ファンタジーが始動したので糧に生きる。

 回答:貴様らの日々の糧を、生命をつなぐ以上の豊かさに変えるために我が生はある! 生きろ、力強く生きろ!

 質問:小鳥猊下の新作読む。萌え萌え学園ファンタジーだと… 続き気になる

 回答:過去の連続更新でつちかった、米ドラマばりのクリフハンガー方式にまんまとひっかかったな! 続きは貴様らの熱気と、俺の余暇次第だ!

 質問:睨下が更新開始されたご様子

 回答:前から気になってたが、睨下じゃねえ、猊下だ!

 質問:ウオオオオオオオオ!!(ときのこえ) 読みます ぜひ 読みます

 回答:「読みます」…そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 実際に更新を読んじまって、もうすでに終わってるからだッ! わかるか? オレの言ってる事…え? 「読みました」なら、使ってもいいッ!

 質問:新作の続きですね、読ませていただきます。頻繁にツイッター見ないのでいまさら感溢れる謝辞ですが、以前頂いた力強い返信、ほんとうに嬉しかったです。小鳥猊下の文言はいつも心震えます。

 回答:うむ! もはや小鳥猊下ブランドは惰性で買う外タレの新譜の如き存在だが、そのくたびれた外タレにも作り続ける以上、心の奥底に熾火のような熱は残っており、少しでも世界を変えたいと願っている! 参画し、感想し、二次創作しろ!

 (スタジオ。ハガキ状の紙片を眼前に掲げた男、カメラに視線を送って)以上だ! 最後に言っておく! 今回の更新に萌え画像を寄贈した絵師の蛮勇、いや、新生nMoに向けた熱意を賞賛しろ! その億分の一ほどの想いが貴様らにあれば、太鼓持ち的な感想やツイーティングの拡散など、昼飯前、「あ…本当にもう昼飯を食ってる。朝思った通りだ」!

 (机上にふたつの洗面器。男の背後に小柄な人影)では、無言の行へと戻ることにする。そう、世界の恒久的平和を祈願するために……さあ、テレサ、行こうか。(男と小柄な人物が洗面器に顔をつける。水音。やがて訪れる完全な静寂)

 おわり(制作・著作 NMO)

 (真昼のソープ街。アスファルトより立ち昇る陽炎の向こうから、鼻段ボールの男が両手をポケットに突っ込んだまま姿を現す。その表情は弛緩しており、頬はわずかに上気している。吐息のような声で)エム、エム、ジー……(前歯を下唇に当てる発音で)エフッ!

 (洗面器に顔を伏せた修道服姿の女性。わずかに露出した肌の部分には濃い色合いのトーンが貼られている。傍で膝を抱える男、しとどに濡れた顔面で)死んでるんだぜ、それで……更新直後から示し合わせたように感想とweb拍手が五日間途絶えただけで、もう動かないんだぜ。な、ウソみたいだろ……。

 (夜の繁華街。路地裏。泥酔した鼻段ボールの男が嘔吐している)えむえむえむえむ……(食いしばった歯の隙間から苦しげに)じー、じー……(咳き込んで)えふっ、えふっ! (座り込んでポケットに手を突っ込む。慌てて)スリ! スリー! MMGF!(3)

 (雪のきしみ。薄暗い室内。柱時計の音。湿ったコタツ布団。半纏。猫背。蜜柑籠。蜜柑の皮。老眼鏡。鼻につけた段ボールを外して鼻をかむ音が静寂を破る。再び、柱時計の音。雪のきしみ)

 質問:申し訳ありません、猊下。自分の日記では猊下万歳、MMGFに栄光あれー、と言っていましたが、猊下のお目に触れるような形で、下々の感想(寮母さん萌 え)や、この作られる天上の味わいを持つ作品に労働者的貧しい舌で難癖(塩味が足りないんだよ!! )をつけるのを怠っておりました。18番煎じくらいにはなるとは思いますが、今回も大変男性的な意味で大いに楽しゅうございま した。悪性の風邪などひかぬよう暖かくして、何があってもそれなりに強く生きてください。

 回答:まわりくどい、まわりくどい喃。上から目線なのかへりくだっているのかがまずわからん。対処に困る感想の見本のような書きぶりだ。また、nWoへ感想を送るのにnWoのモノマネをする必要は全くない。私の元へ送られてくる大半がこのようなうわごとかスパムメールであり、この世界における人間性の実在を疑う毎日である。しかしながら、それすら、沈黙よりはずっといい。ありがとう。

 質問:チョコと言う言葉に惑わされているうちは俗世の汚れが抜けていないのだと悟りましたが、現状チョコの原料を収穫する存在に対して心を痛めるべきか、逆にそれ故に美味と感じるべきか。何が本質的に残酷なのでしょう。ああ、チョコ食ってから考えましょう。

 回答:私の読解力では、この文字の羅列から意味を読み取れなかった。この感想が送られてきたのは2月17日であり、例の伴天連祭りについて言及しているのかどうかさえ判然としない。対処に困る感想の見本のような書きぶりだ。私の元へ送られてくる大半がこのようなうわごとかスパムメールであり、この世界における人間性の実在を疑う毎日である。しかしながら、それすら、沈黙よりはずっといい。感謝する。

 質問:小鳥猊下のMMGF!が面白い。

 回答:これだよ、これ! シンプルにしてディープ、良い感想の見本だよ!

 質問:溢れんばかりの感想で猊下のハイソのあるハイソな生活の妨げになってしまうかと思うと、読後二日目にしてようやくおっかなびっくりと感想を 書く次第であります。そうは言っても何を書いても、この読前読中読後に湧き上がる「まだまだ助走段階に感じられる期待感」を表現することができません。猊 下、どうか猊下の赴くままに、好きな角度、好きな強さででこの未開の作品に鉈を振るい続けてください。本質として我々は作品を読むと言うよりも猊下を読ん でいるんです。この作品に滲み出る敬愛すべき美しいまでの猊下(オーラ、臭、影、後光、存在)が素晴らしく麗しいです。冬の寒さも和らいで来ましたが、ど うかまだまだ死なないで生き地獄の中、そこはかとなく生きてください。また続きや、それ以外のものなど気長に一日一クリックしながら待っております。 MMGFラブです。

 回答:誰も指摘しないから自分で言うが、「高天原勃津矢」では青春と個人を、「生きながら萌えゲーに葬られ」では個人と家族を、「少女保護特区」では家族と社会をといったふうに、nWoは意識的に半歩ずつテーマを進展させてきた。そして「MMGF!」では、社会と歴史が描かれる予定になっている。だが、職業絵師に萌えイラストを懇願してまで更新を開始したMMGF、これまでのところびっくりするほど反応は無い。小鳥猊下に恥をかかせることを主目的とした政治結社が本邦に存在することは確定的に明らかであり、もうすべてメタメタにしてやりたい(この場合、書き手が文脈無く作中に登場して、突如読み手に説教を始めるなどの意)というドス黒い衝動を抑えきれない。でも、「猊下を読んでいる」の指摘は重く受け止めました。容姿と若さだけが売りのアイドルが「わたしをひとりのシンガーとして認めて欲しい!」と客席へ涙ながらに訴え、ファンは「☓☓ちゃんの歌はもう芸術の域だよ!」と熱狂的に返すみたいな、傍目からの茶番感を払拭できないところが、nWoの弱点であり克服すべき課題なのかもしれません。

 (雪のきしみ。薄暗い室内。柱時計の音。湿ったコタツ布団。半纏。猫背。蜜柑籠。蜜柑の皮。老眼鏡。わずかに尻を浮かせてする放屁の音が静寂を破る。再び、柱時計の音。雪のきしみ)

 質問:ほめてもらえると思ってたわけじゃない。ほんとに欲しかったのは、拒絶なのかもしれない。でも、返ってきたのは無言の一瞥だけ。この世はわたしがどうでもいい。なら、わたしもこの世なんか、どうでもいい。みんな死んじゃえ。(kotorigeikaさん)

 回答:いい年をして、少女の自我に仮託したポエムでしか己を語れぬのか。いい年をして、相変わらずその本懐は世界の滅亡なのか。情けない。だから貴様はおたくなのだ、その精神の有り様がおたくなのだ。さあ、そろそろ腹をくくれ。人類を救う覚悟を決めろ。

 @nobody うむ、誰かの関心というのは温かいものだな。現在、無言の責め苦にさらされているMMGF!は、実のところまさに君たちのような層へ向けて書かれている。昔ながらのファンには受け入れがたい変節に思えるだろうが、積極的に拡散してくれるとありがたい。

 (場末の演芸場。不安げに立つトウの立ったアイドル崩れ。歌えども歌えども、客たちは新聞を広げたり弁当を使ったりして、気の無いふう。アイドル崩れ、しおれて舞台袖へとぼとぼと引っ込めむ。とたん、巻き起こる熱烈なアンコールの拍手。頬を紅潮させて舞台へ駆けもどるも、客席には酔漢しかいない)

 更新直後は完全に無反応なのに、少し滞るとweb拍手が活性化するこの現象について、君たちはどう考えるべきか。もし更新を求めてのものならば、一言でもコメントを加えた方が効果は高いと伝えておこう。

 @nobody It is surprising to accept a message from English-speaking geeks. Curious to know how you got to know me.

 @nobody I guess you gave enough clues. I’ll wait 4 your confession till the day when you can’t carry it yourself. No secret is ever kept.

 (暗闇。蝋燭。鼻段ボール。吐息。揺れる炎。雑音の下から微かに聞こえるラジオの声)

 質問:鬱な魔法少女モノを、敬愛する小鳥猊下はどの様にご覧になられているのだろうか?

 回答:あの年代のミスコミュニケーションが無知と不作為から出来上がっていることが、非常に良く描かれていると思います。そして、良い大人の不在が、悪い大人による略取を容易にする強固な構図があります。両親を代表とする悪い大人に略取されている/いた子どもたちはそこに深く共感するでしょう。けれど、成熟した大人は公正さの不在にただイライラさせられるだけでしょう。この意味で、成長してからもアニメを視聴し続ける層の精神史と合致する内容であり、ヒットするのはうなずけます。

 ただ、みなさん、私たちは大人になりましょう。それも、良い大人になりましょう。良い大人の介入によって回避できる悲劇は、世界に数多いのですから。

 質問:猊下に質問です。今日職場の同僚が「すげー、原発w」となっていたので、危険性を理路整然と説明したら他の同僚共々「もう日本は終わりだ・・・」となってしまったのですが、いつも小粋なトークで僕らを翻弄する猊下ならこんなときどうされますか?ネタとして差し障りなければぜひご教授下さい。

 回答:回答は、貴方がその組織/共同体をどの方向に誘導したいと考えるかによって変わるでしょう。真実を論理的に伝えることが常に正しいというのは、書生的な発想です。貴方の言説によって組織/共同体の利益を損なう(不安による生産性の低下など)事態が生じたならば、今回のそれは正しくなかったということになりましょう。ただ、書きぶりからは、貴方の個人的な愉悦と優越が漂います。じっさい、世界において真実の伝達や軽妙な饒舌などは、我欲の発露に過ぎないことが多いのです。大局を見極めて行動しましょう。

 質問:誰かの間違いが繋がる、負の連鎖を感じます。まるで世界の終わりのようです。猊下のお力でせめて心の閉塞感だけでも粉砕くださいませ。 早数日経過して今更な感じですが、猊下がご無事で何よりでした。

 回答:お気遣い感謝します。連鎖していくのは、無関心や不作為だと考えます。一方に悲劇があり、他方に安寧があり、そして両者の連絡が無いとき、神の目で俯瞰するその様は古来、地獄と呼ばれてきたものと同義です。他者への関与が負となるとき、それは常に我欲から生じています。声高に騒がず、賞賛を求めず、ただ静かに行動しましょう。

 質問:MMGF、続きが楽しみです

 回答:過分な言葉をありがとうございます。現在、担当者の努力によってnWoは閲覧可能な状態を維持していますが、更新機能が死んだ状態にあります。復旧の目処が立っておりませんので、あらかじめご了解下さい。あと、MMGF!をアマゾン検索しないで下さい。泣かないで下さい。そこに私はいません。

 (暗闇。蝋燭。鼻段ボール。吐息。消える炎。ラジオから響くノイズ)

 @nobody アメリカ! うらやましい! inevitableの発音を何度も聞き返してくるブロンドがいたら、グーで殴ってください。

 『敬いはしても、そばにいてほしくはない。それが、詩人という類だ』

 (和室。文机。原稿用紙。和服の鼻段ボール、万年筆を握った右手を左手でつかみ、力いっぱい文机に叩きつける。血に染まる原稿用紙)めっちゃ萌えが不自由やん! めっちゃ、萌え、が、不自由やん! MMGF?!  MMGF!(4)

 参画し、感想し、二次創作しろ! よい大人のnWo MMGF!(4) 

 (リングのコーナーに身を預けた鼻段ボール。強い照明、きつい陰影。ターバンに白い顎髭、腫れあがった左目)ワッツ ノ、ノー・クラップ? ノー・クラップ、ジョー?(首を振る奇抜な髪型の男) オウ、リツイート! エニイ・リツイート、ホセ?(首を振る口髭の男) ノー、ノオオォォォォォォォ!

よい大人のnWo MMGF!(IZAHN)

 質問:MMGF(4) 面白いです。昨今、貴重な萌え成分を我々に分け与えて下さるなんて、なんと心の広い御方だ。ぜひ、次回も寮長さんの登場と活躍多めでお願いします。

 回答:うむ、あいかわらずの孤軍奮闘ぶりだな。文章と内容から、複数箇所の感想がすべて君からの発信であると同定できるのは悲しいことだが、少なくとも一人のハートをつかまえたことを喜ぶべきかもしれない。今回の更新群は傍目に、演技力というより美貌で売ってきた女優がするヘアヌード写真の如く見えているのではないか。本人にとっては、斜陽を迎えた人気の回復をねらう起死回生の一手だが、じっさい新規層は若くない女の裸など見たくもなく、数少ないファン層は落ち目と裏切りを同時に感じて離れていく。もしかすると今の私は、ただ若いという美が持つ単純な力強さへの嫉妬に狂うあまり精神の均衡を失い、全裸の肛門に鳥の尾羽根を突き刺し、能面を顔へかざしながら「一人パロ・スペシャル」としか形容できないポージングを激写させることで、芸術の高みを感じている真っ最中の中年女優なのではないか――あまりの無反応に、そんな疑念が尽きない。だが、少なくとも君だけは、気のふれた中年女優を黙って撮影し続けるカメラマン先生のプロフェッショナルな仕事ぶりに目を向け、そこに賞賛を送ってくれたまえ。

 @nobody うむ、タイムラインから判断するに、旅先の貴様は正にハピネス・イズ・ア・ウォーム・ビーフ状態だな。識字においてチャレンジされているだろう、イモい知人の意見など全く参考にならぬ。この場末のストリッパーへ、貴様自身の生の声を届けよ。

 言葉はだれかと気持ちを通わせるものなのに、言葉だけでは何かを作るなんてできないのに、どこかでいつのまにか勘違いをして、言葉に勝ち負けがあると思いこんで。弱い言葉には見向きもせず、強い言葉からは逃げ出して、そうして刃物みたいに言葉をとがらせ続けて、ついにはみんな触れないほどするどくして。いまでは、だれもいない丘の上でだれにも伝えられない言葉を膝の上に乗せて、「おかえり」とか「愛してる」とか、眼下の灯りから響いてくるいちばん単純な言葉に心うたれ、ひとり静かに涙を流している。なーんてね。

 質問:小鳥猊下 様、台風とか梅雨とか気をつけて生きて下さい。 @samedak 先生のお仕事はMMGF、各作品ともに眼福的意味で感謝し、そのプロ仕事っぷりに敬意を捧げております。だから、今は拍手力(ちから)も無くなりそうな小鳥猊下 様に最大の賞賛を送り、雨を、霰を、槍を(以下略)

 回答:ハイゼア! またぞろサウスパーク熱が再燃してきたので、今日は日本未公開の“Chinpoko Mon”を紹介するよ! スメラミコトを虚仮にし、クライストを嘲っておいて、ムハンマドには膝を屈さざるを得なかったのは示唆的だよね! マット! トレイ! 今シーズンでウサマを取り扱えるかがサウスパークにとっての勝負どころだよ! 極東から応援しているね!

 『この世で一番重い罪、情状酌量の余地がない罪は、赤ん坊を殺すことだと思う。未来を殺すから、という意味ではないよ。赤ん坊たちの中にある、世界に対する無条件の、無上の信頼を裏切るからだ』

よい大人のnWo MMGF!(5)

 『私は本当の神を憎んだことは一度もない。私が憎むのは、人々が信じる神だ』

 『士たる者の貴ぶところは徳であって才ではなく、行動であって学識ではない』

よい大人のnWo MMGF!(6)

 『心の中に暴力性があるのなら、暴力的になった方が良い。無気力を隠そうと非暴力を口実にするよりは』

 (黄色い僧衣に禿頭丸眼鏡の老人がスッとんで来、カメラに激しく激突する。揺れる画面。レンズに流れる赤い液体の向こうで、鼻段ボール、ヤクザキックの残心に上体を震わせ)デストロォォオォォイ! 小鳥猊下だ! 今日も貴様ら有象無象の迷いに、耳をふさぎたくなるような真実をねじこんでくれるわ!

 質問:更新に歓喜!!!!!!! ユウドがかっこいいであります。でも、それよりも体技科がマッスルイズムかっこいいです。誰が得するかわから ない要素ですが、長と部下の会話の下りに感動して心の中で泣けました。あとパンツ、馬上立ちラッキー白以外跳躍ひねりパンチラなんてステキすぎ(以下略)

 回答:うむ! 「MMGF!」はnWoにおいて、デビッド・リンチで例えるならば「ストレイト・ストーリー」に位置づけられる! ただ心を単純にし、養豚的痴呆へ身をゆだねるがよいわ!

 質問:読みました。仕事を抜けて昼間に貪る様に読みました(←駄目人間) まだしっかり感想をかけませんが面白いです。とてつもなく好きです。素晴らし過ぎて軽く放心しました。魂が抜けました。とにかく更新が早いことが怖いというのもあれですが、どうかお元気で。

 回答:う、うむ? また君か。実のところ、「MMGF!」に感想を寄せるのは君だけだ。どうやら「MMGF!」は、君と私との、差し向かいの対話になりつつあるようだな。しかし、完全な無音の中にあって、君の感想に孤独を慰撫されていることも否定できない事実だ。何年後かの己のためにいま残しておかなければならないと思ったから勝手に更新しているが、じっさいnWoのすべての更新は内的必然から生じたものに過ぎないが、今回はこれまでに比べ、少しは普遍性を持つ主題なのではないかと淡い期待を抱いていた。しかし、それは私の弱さから来る甘えだった。

 (起き上がろうとする黄色い僧衣の丸眼鏡禿頭を激しくサッカーボールキックする。尖った革靴が、こめかみへ不自然なほどめりこむ。激しい痙攣、そして弛緩。鼻段ボール、動かなくなった老人へ吐き捨てる)黙って座ってる方がよっぽどの暴力だろ、え? ちがうのか?

 @nobody いろいろ無理させたみたいですいません。でも、無事に帰京されたことは何よりです。もしかして、どこかで両手が後ろに回ってるんじゃないかと心配してましたから!

 (黄色い僧衣の丸眼鏡、左のこめかみから山羊の角のように革靴を生やし、左の眼球を眼窩からはみださせて)「ミンナ、突然ノ暴力デ驚カセチャッテ、ゴメンネ。ゼーンブ、台本アルカラ! ボク、全然ヘーキ! イマハ、大好キナガンジャモ吸エルヨ!(紙巻きを咥えると、左のこめかみから煙が立ち昇る)

 (黄色い僧衣の丸眼鏡、突如、糸の切れたパペットのように崩れ落ちる。画面の奥には、地に伏した修道服姿の臀部へ腰掛けたゴスロリ少女が、紙巻をくゆらせている。目元だけが百歳の老婆のように険しい)「フーッ……MMGF? ハッ!」MMGF!(7) 

 質問:更新お疲れ様です。HPに綴られた凛々しい文章とtwitterで垣間見せる苦悩のギャップに興奮します

 回答:相当に悪趣味な類の楽しみ方だが、nMoに改名してからの一連の更新に向けた反応として、無視と比べれば相当に好意的と言えるかもしれん! 以前web拍手から指摘を受けて反省したことだが、今後は書き手と書いたものの連絡が読み手にとって喪失する境地を目指さねばならない! 便意に俺が脱糞するかたわらで、哀切に君が落涙するような状況をだ!

 質問:待ちに待ったMMGF<7>!! 一見、ライトでポップな色合いなのに、途中のスリッドも仲間になるかもしれない展開で大団円にならない辺り に何かを感じました。MMGFを読んでいると忘れてしまうこと、これは<よい大人のnWo>に連載されている作品なんだという事実。少しそ(以下略)

 回答:うむ、どこからカネをつかまされてのことかさっぱりわからぬが、nMoの更新にあわせて感想を書き込む仕事ご苦労である! 君の上司が誰なのか教えてくれれば、この過酷な労働に対する時給を上げる旨、進言することを約束しよう! もちろんnMoはインタラクティブ性を重視しているため、このまま無視が続けば当然、全滅エンドも視野に入ってくるだろう! お仕事がんばってください!

 質問:いいわけ twitterは一日一チェックしていたのですが、携帯で見ていたので、MMGF更新の文章が前回と同じ「黄色い僧衣の丸眼鏡」で始まっていて見逃してました。こんなこともあろうかとRSS拾っててよかったです。

 回答:うむ、また君か! お勤めご苦労である! ただ今回の仕事のクオリティに関して一言申すならば、閉鎖的SNSコミュニティでの扇動を欠いていることは問題だ! あおれ!

 質問:言葉は祈りであると言えば聞こえは良いけれど、実際は精神的な面に於いてすら無力であると実感する今日この頃の自分にとってグラン・ラングは憧憬の対象であると言わざるを得ません。続きも全裸ネクタイ待機ーーと言いたい所ですがクールビズの一環としてネクタイは外します

 回答:君もご存知だろうが、文系の仕事は脱糞するほどつまらない! 世の真理とは遠い場所で、政治や多数決で真理から遠い内容を日々決定している! 当事者たちが死ねばそれまで、十年と持たないような中身を日々、さも重要そうに議論している! 対して、理系の仕事が発見する真理は世界そのものだ! 当事者たちが死んでも、それは永久に続いていく! たとえ人類が滅びようとも緑の廃墟の中で、鳥や虫たちはかつて誰かが発見した真理の上に眠るだろう! 常々ファンタジー作品の魔法は理系っぽいと考えてきた! 科学以前の世界理解をなぞっているのだから、当たり前だ! 今回の更新群では、文系のような、哲学のような魔法を想定した! つまり、文系が理系よりも世界の中心に肉迫でき、文系が発見した真理は時間に色あせないという世界観だ!

よい大人のnWo MMGF!(8)

 (黒バック白抜き、極太明朝で“予告”の文字)最後の選択は下された。だが、現実に対処できないスウは、 堅く心を閉ざしてしまう。そして、約束のときが来る。迫り来るペルガナ学園全滅の危機。死の淵へ追いつめられる体技科長。 発動する究極のグラン・ラング。阿鼻叫喚の様を直視したメンター・ユウド、最後の決断。萌え萌え学園ファンタジー同人版、MMGF! さぁて、同人版もサービス、サービスッ。

 (股間にイチジクの葉一枚の全裸男性が、直角に曲げた両腕と両足を左右交互に上下へスイングしながら)続きはウェッブ……以外で! 続きはウェッブ……以外で!

 (鉄条網の向こうで、膝を抱えた少女が灰色トーンの視線を宙に泳がせている。床に散乱する玩具)「テキストサイトの管理人?」「ええ。もう何ヶ月も、一言も更新していません」「ひどいわね」「長編を更新しても反応は無く、ツイッターでつぶやいたらフォロワーが減る。それだけの地獄を見たんです」

 質問:猊下、ごきげん麗しゅう。当初は萌え萌えぐあいにお尻のあたりがもぞもぞしてしまっておりましたが、ようやく落ち着いた気分で読ませていただけるようになりました。

 回答:うむ、婦女子の敏感な部分をむずがゆくさせてしまったことへ素直に謝罪したい! しかし恐ろしいことに、この世界はこれぐらいではピクリともしない猛者どもの巣窟のようなのだ! 萌え萌えなんて大言壮語して、すいませんでした! ぼくには無理でした!

 質問:本びっくりしました。これでMMGFを本で読んで節電と宣えます。ありがとうございます、小鳥猊下さん、さめだ小判さん。読みたい本が出来ました。嬉しすぎです。きっと裏面か口絵部分は寮長さんだと呪いに近いくらいに祈っております。

 回答:うむ、君は匿名で書き込むときぐらいは自分の色を消した方がいいな! 私のことを想ってくれているのなら、なおさらだ!

 質問:夏の有明に猊下の著作がついに顕現すると聞いて、思わず胸が熱くなりコメントを送らせていただきました。これでメジャーになってしまったら寂しいやら嬉しいやらです。楽しみにしています!

 回答:なに、アリアケという因襲の地には十年を越える時間を巻き戻す効果があるというのか! しかし最近の研究では、光子も物理法則に従うことが判明し、タイムスリップの可能性が完全に否定されたという! つまりこれは、nWo最後の花火となる可能性が高い! 介錯に集え!

 質問:MMGF本の発表から数日経ちますが、沈黙を守る猊下ハードボイルドかっこいいです。本が出るからといって浮かれた文章を撒き散らさない辺りが、さすが小鳥猊下さんだッ!! 僕が代わりに浮かれておきますね。

 回答:初老男性による自叙伝の自費出版には冷笑を浴びせるくせに、萌え小説を同人販売するのには熱狂するというその心性がわからん。当人の内側にだけ完結しているという点で、両者は同じことだ。わたしの沈黙は、己を深く恥じるがゆえである。寂しさに耐えかねて節を曲げたばかりか、よもやアリアケ、アリアケなどという……!! これを恥辱と呼ばずして、何と呼ぼうか。今回の件に関してさらに言うならば、私は昔からレベル99にしてからラスボスを倒しにいく子どもだった。そのための雑魚敵を倒し続けるうちに冒険の記憶は曖昧になり、世界への興味は失せ、ラスボスの打倒は喜びから義務へとすりかわる。

 質問:こんにちは。あなたのいちファンです。もしこちらのツイートにご興味があれば、フォロー・リムーブはご自由に。

 回答:うむ、慇懃無礼の見本のようなツイートだな! もちろん、君のツイートに一切興味はない! だが、小鳥猊下礼賛アカウントを立ち上げかけてすぐ消した君のツイートになら、興味はあるのだぜ……(舌なめずり)

 質問:とらのあなでの予約を躊躇しているうちにMMGF!が予約不可になってしまった。さすが猊下だ。 取り敢えず再販希望ボタンを押しておこう。

 回答:ダダイストの詩集ぐらいの部数しか用意できないことがカラクリで、何を驚くこともない。アリアケだ! 釜ヶ崎の労務者たちよ、アリアケに向かえ!(虎の穴、タイガーマスク、みなし児ハウス、ドヤ街、あいりん地区という連想)

 質問:超面白い。超エロい。今回も最高、次回以降も超来たい!  寮長…。

 回答:なんかすごい息切れしてきたな! もはや誤字を修正する気力も失せたようだ! 無理もない、この極寒のインターネッツは貴様のようなニュウビイには荷が勝ち過ぎる! 十二年の長きにわたる無感想更新連打という克己は、貴様には望むべくもなかったな!

 (鉄条網の向こうには誰もいない。扉が開け放たれており、入口すぐの壁には大量に血の飛沫が飛び散っている。床に転がる玩具。ピンク色をしたクマの人形。ボタンが縫いつけられた両目はいまや血糊でてらてらと輝き、意志を持っているかのようにその惨状を見つめている)

 @nobody ワ、ワッツ? ぼくの知っている、京都府在住なら即座に荒縄に後ろ手を縛られる、小学五年生好きのZIPPO先生はどこへ行ったんですかァ~ッ! RT@nobody: いや少子化してるんだしどんどん乱れたほうがいいじゃないかな?俺はロリコンじゃないですけどね。

 @nobody す、すいません、PDF(欧米におけるペドフィリアの略語)先生、つい調子に乗りました。据え膳の件は黙っておきます……!!

 @nobody 現段階では行きたいと思ってますが、諸事調整中といったところです。貴君のアルコールネタが好きなので、もっとやってください。

よい大人のnWo MMGF!~もうやめて、みんなゴア表現に震えてるわ!~(外典・狂都奈落鏖断阿修羅地獄変)

 @nobody えー、たぶん昼すぎにはいる感じになります。アル中トークしましょう。

 @nobody あるんだな、これが。事実は小説よりも奇なり

 @nobody いまでも同人しのことでときどきダコバちゃんからでん話がくるけど、さい近ではケイタイをふとんの下にかくしています。あつくたれこめたカーテンのむこうでセミがまどにぶつかるだけでも、なぜかビクッとなる。こわいよお。

 (クーラーのきいた室内。厚くたれこめたカーテン。ベッドの中央にはタオルケットの盛り上がり。窓にセミがぶつかる。ビクッとふるえる盛り上がり。ベッドの下からイン・マイ・ライフのイントロ。ブルブルとふるえだす盛り上がり)「……こわいよお」

 質問:距離的な問題でアリアケに行く予定はありませんが、猊下の御本は手に入れたい所存です。

 回答:うむ、アッツ島あたりの在住なのだな! だが、その気持はうれしい! 衣類を腰ひもで頭部にくくりつけたのち、平泳ぎ的な泳法で本土へ上陸せよ! さすればインターネッツを利用した通販も可能となるはずだ!

 質問:ヤマグチノボルも侍魂もクソゲーハンターABCも小鳥猊下も同じ時代の全盛だったのに、みんな小鳥猊下知らないってゆう…

 回答:オウ、ノボール! ハイスクールのキャフェテリアでシガーをテイクンするなんて、エシック的にもバディ的にもソー・バッドよ! オップス、ソリー! アイ・ディド・ゴー・トゥーファー! フーリッシュ! たわけが! 1ヶ月100万ヒットを優に達成していたテキスト・モンスターどもと比較するでないわ! nWoはわずか60万ヒットへ届くのに、正味12年かかっておる! つまり単純に日割りしたとしても、連中は当社の235倍グレーターなのだ!

 質問:失われた十年の分、あと十年くらいは応援します。とりあえず、虐げてください。でも、見捨てないでください。

 回答:うむ、また貴様か! 残念ながら野郎を虐げることで昂揚を得る性的な趣味を当方は持ちあわせていない! また、ここ十年で当方がファンを見捨てたことは一度もない! 誰もがそれぞれの理由を自分の中に見つけて、みずから離れていく! 貴様がnWoをのぞきこんでいるとき、nWoもまた貴様をのぞきこんでいることを忘れるな!

 質問:一人称で書くから場面転換に広がりがない。三人称で書くべき。

 回答:(口角からぶくぶく泡をとばしながら)ぼくに自然主義的な情景描写をしろっていうのかよ! そんなに三人称が良ければ、カメラまわせよ! 一人称以外で書かれた文章なんて、ぜんぶ映画芸術の後にでっちあげられた傍流なんだよ! それに、ぼくは私小説至上主義者なんだ! どこの世界に三人称で書かれた般若心経があるってんだよ! 貧弱な精神の中身をさらしたくなくて、一人称から逃げてるだけだろ、君は!

 質問:このサイトにそんな秘密があったなんて、どこか違和感を感じていましたが、驚天動地土天海冥びっくりしました。

 回答:公転周期の関係から1999年までに学生生活を送った者なら土天冥海と記憶しているはずであり、貴様は2000年以降に学生生活を送った若造に違いあるまい。ちなみに、2006年以降の学生は土天海と学習しているはずである。さよなら、プルートー。

 質問:中東に募金済

 回答:ウォッチアウト! おたく産業にまつわるジャパンマネーのリークアウト戦略は昨今、巧妙を極めているわ! 本邦の国体をウィークンすることを企図した第三世界の陰謀にはお気をつけあそばせ! え、エロ同人売買やネットゲームのRMTくらいで手に入るマネーに血道をあげてるのが笑えるって? あなた、幸せね……世界の99%は、私たちの想像を絶するほどに貧しいのよ……。もちろん、サメン・アッジーフは特別帰化を申請してるから安心ね!

 (スマートフォンをながめる黒人。画面には”Rika Calling…”の文字。ため息をついてEndボタンを押す黒人)「キョウモデナイ……コミックマスター・シャークタイガーニMMGF!ノイラストヲオネガイスルトイッテカラ、モウワンウィークニナル……リカ、イッタイドウシタンダ?」

 (空調の停止した室内。厚くたれこめたカーテン。熱気と臭気。ベッドの中央にある盛り上がり。かけられたタオルケットは赤黒く染まっている。ベッドの下からイン・マイ・ライフのイントロ。盛り上がりは微動だにしない)「ブルスコファー、ブルスコファー」

 【急告:nWo社】コミケトー3日目にSNOB NERD WORKSブースを来訪予定の琴理香でしたが急病のため、訪問を断念することになりました。代わりに正午より、弊社の企画広報室代表パイソン・ゲイが同ブースへ謝罪に伺わせていただきます。社員一同、この度お客様の受けられたご心痛に対し、心からのお詫びを申し上げます。

 【急告:nWo社】弊社企画広報室室長パイソン・ゲイが、SNOB NERD WORKSブースに到着しました。今回の件に関して、改めて謝罪申し上げます。

 【急告:nWo社】弊社資材調達室パイソン・ゲイの発注ミスにより、今回のコミケトーにおいて大量の不良在庫が発生しました。タイガー・ホールに順次投棄の予定ですが、プロジェクトMMGF!の事業継続は極めて困難な状況にあり、ステークホルダーの皆様にはこの事案について改めて説明の機会を設けさせていただきます。

 @nobody 絹のハンケチで口をおおいながらアキハバラのタイガー・ホールをくまなく探しましたが、MMGF!は見つかりませんでした。都落ちの気分で、泣きながら新幹線に乗りました。ビッグ・ファック先生が誰かはわかりました。

 【人事・nWo社】弊社研究開発室室長パイソン・ゲイが本日付けで島根支社に転属となりました。また、次回更新企画であった『戦争と小陰唇』(とる酢トイ先生著)にかかる情報漏洩が発覚したため、役員会にて同企画の永久凍結を決定いたしましたことを併せてお知らせします。

 「(車椅子の少女、焦点の無い目で何事かをつぶやいている。膝の上にゆるく開かれた手のひら。中指が小刻みな上下運動を繰り返している)……なんの因果か、末法の手先……おまんら、おまんら、おおおおおまおまおまん……」

 「(サングラスの黒人、少女の車椅子をゆっくりと押しながら)ホラ、リカ、水木ロードダヨ。アンナニモ来タガッテイタジャナイカ。アア、キミハモウソコニイナイノカ、リカ、リカ……」

 「(遠くから二人を眺める筋肉質の大男。髪の毛を海草の如くなびかせながら)捨てたな、コミケ童貞を……!!」

 赤木しげるロード (ハッシュタグ:1文字変えるだけでざわざわ)

 【人事・nWo社】島根、鳥取の主に観光名所を転々としておりましたパイソン・ゲイの配属先ですが、本日付けで本社へ帰還する旨の辞令が交付されました。この度の人事に伴う混乱に関してまして、皆様へ心よりの謝罪を申し上げます。

@nobody ソレハネェ、サメチャン。応礼勃起(おれたち)の信奉(CHINPO)する親神サマがサ、サメチャンに生きろッて逝(イ)ッてんのヨ。一人や二人ドコロじゃ奇禍(キカ)ネェ、姦(ヤ)るべき女(スケ)がマダマダごまんと(OMANKO)いるンだッて、ネ……!!

 とりあえず一週間が経過する前に、コミケ初参戦の雑感を簡単に記述しておく。C80、三日目午後のみ参加である。国が国なら少しの刺激で暴動へ発展しかねない、政府介入が前提みたいな規模の人間が一堂に会しているにも関わらず、ビッグサイトは想像よりずっと静かで整然としていた。多少は臭った。しかし、この時期にこれだけの数が集まれば、おたくでなくとも臭うだろう。ジーンズの尻にエスエイチアイティーをべっとりつけて会場を闊歩したり、ジーンズの前から隆々とまろびでたディーアイシーケーをしごきながら会場を闊歩したり、そういったド級のアンチ・ソーシャルやド級のアナーキーを期待していた私は、なんだか肩透かしをくらった気持ちになった。通りすぎる誰もが沼のように思いつめた目をしているが、驚いたことに典型的なおたくという風貌はごく少なかった。きっと皆、普段はその本性を秘し隠して生きているのだろうなと、少し考えさせられた。だとすれば、nWoでかつて更新された「生きながら萌えゲーに葬られ」は十万単位の共感を得られるポテンシャルを秘めているのやも知れぬ。ブース内で売り子も体験した。売っているものの中身を除くならば、実に起伏の無いやり取りが続く。書き手の前で中身を確認し、買わないこともできるというシステムには驚かされた。MMGF!を手にとりながら買わなかったヤツらを、追いかけてブン殴ってやろうかと半ば本気で考えた。これだけの規模のイベントにも関わらず、全体として華やかさも盛り上がりも薄いままに淡々と進行しており、「祭り」という形容に対してはるか遠い印象を受けた。だが、その理由はおそらく私自身にある。たぶんコミケは、私の中で処女や童貞が思い描くセックスと同じく、知識を持たないがゆえに野放図に広がる想像のうちで肥大化しすぎてしまっていたのだろう。倫理を喪失した異常な世界、常識を逸脱した異次元をどこかで期待していた。もしかするとそれは、私にとって保持しておくべき幻想だったのかもしれない。あと、正常と異常の分水嶺みたいなことも考えさせられた。普段は社会性を追求しているからこそ反社会性に強く傾倒するのであって、普段から反社会性を追求しているならばむしろ社会性にこそ焦がれるに違いない。この述懐は個人的な反省を含んでいる。もちろん、諸君が期待しているのはこんな素の感想ではなく、スラップスティック系のレポートであることは重々承知している。しかしながら今回、それはかなり書きにくい状況にある。ちょうどサルまんに登場した、猫を追いかける裸のサザエさんが車にはねられる4コマ漫画の如く、コミケ・レポートは本気でやると面白くなりすぎ、結果として多くを敵に回すことが目に見えているからだ。私もパイソン・ゲイ主観の翻訳丸出しレポートで、同人誌を土人誌と勘違いさせたり、サークルチケットをSacrifice Titsと勘違いさせたりしたい。だが今回は、私と縁の無い登場人物が多くなりすぎる。ファンならば憧れのプロレスラーにビンタをくらえば嬉しいが、ファン以外にとってそれは突然の理不尽な暴力でしかないということだ。どうか、その点は察して欲しい。しかし私も、「出雲の狂犬」と個人的に自分を呼んでいるところの、インターネッツの十年選手だ。あらかじめ憎悪が乗せられることが決まっている天秤の反対側へ、同じ重さの愛情や賞賛が置かれるならば、諸君の期待へ応えるに、この小鳥満太郎、やぶさかではない。

 マッド・エゴサーチャー、小鳥猊下であるッ! nWoに残されていた最後の禁じ手、萌え萌えファンタジーの同人誌販売を受け、貴様ら臣下の圧倒的な熱気が燎原の火の如くには広がらず、みるみる鎮火してゆくのをしかと見届けさせてもらった! しかしながら日課であるところのエゴサーチに次ぐエゴサーチの結果、いくつかの感想を発見することができた! 本日はその中で、最も長文の感想を真正面から名指しで叩きつけてきた@nobodyへの回答という形で「MMGF!」に寄せられた感想への返答としたい! この君を含めたMMGF!への感想群については、当方のお気に入りを参照されたい! 実のところ、この輩は天蓋付きベッドで睡眠中の深夜に@kotorigeika宛で侍従が捧げ持つiPhoneをチリンチリン鳴らし続けたので、そのときは半ば本気でブッ殺してやろうかと思ったが、安心してください! あれから三週間が経ち、ぼくの怒りもいつもの憂鬱病の中へ鎮火しました! 最近では怒りも悲しみも愛も喜びもぜんぶ、この憂鬱病が飲み込んで無いようにくれるんだ! ヘヘッ、うらやましいだろう!

 回答:長文の感想、ありがとうございます。まず読解の前提を崩すようで申し訳ありませんが、「萌え萌え学園ファンタジー」も「The Most Marginal~」も屈折した韜晦であり、一種の照れ隠しに過ぎません。最近、十代の死生観や世界観を、例えば三十代になって同一に維持し続けることは、罪悪だと考えるようになりました。人間にとって不可欠であり最重要である命題が、特に私の世代ではすべての前提になっていないという感じが、MMGF!に至る初期動機となっています。つまり、「次の世代のために死ぬ」という単純さを肯定することが本更新のテーマです。さもなければ、人のするすべての営みはキリスト教で定義されるところの”annihilation”へ帰着してしまいますから。おたくであるとは、二次元愛好や幼女愛好や薔薇愛好や百合愛好や、”annihilation”を積極的に希求することです。己の自我の残滓だけを残して、一代限りで世界から完全に消滅する、そういう生き方を余儀なくされる場合はあるでしょう。ただ、それを細分化する言説で人間の本義とすりかえてはいけないと考えます。しかし、いまのおたく界隈の論理は、一部でこのすりかえを完全に成立させてしまっているように思えます。ディベートの種としては無謬に見えるその論理へ無自覚にからめとられることは、特定の個人にとって取り返しのつかない悔悟を招く場合があるでしょう。確かに、言葉を重ねれば現実はどこまでも細分化していきます。細分化することで誰かが口を糊する隙間が生まれるのも事実ですが、この世でこれ以外を除いて必要と言えることは何も無いという幹の部分を、他の誰でもない、いまの自分のために書きとどめておきたかった。それがすべてです。

 続いて、「萌え」が薄いとのご指摘です。nWoで更新してきた文章群をご覧になればわかると思いますが、どれもテーマ設定が先行しており、それ無しでは書くことができません。本気で「萌え」をやるなら、キャラ設定を最優先に、他のすべてはそこへ隷属する作り方をしなければならなかったと思います。女性キャラが魅力的でない理由は、力量的な面も大きいと思いますが、今回のテーマに沿う女性らしい行動を与えられなかったのが最大の原因かなと考えています。これを言うと怒られますが、女性による惚れ惚れするような社会的行動を私自身、体験したことがないというのもあるでしょう。女性キャラの豹変についても、それぞれ「技術」「暴力」「論理」という属性の付加、つまり男性性への転換による魅力づけに依っています。それを魅力づけと表現する時点で、本邦のサラリーマンによく言われた精神的ホモセクシャルの傾向が、私にはあるのかもしれません。個人的に言うと、性的なものをのぞいた女性の魅力とは、両腕の無い女が自らの赤ん坊を救うために両腕を生やすというあの童話でして、常態に見えた軽薄さ(失礼)から突然、手の届かない深淵に潜るときのギャップです。だとすれば、今回のテーマを選んだ時点でたぶん、メインキャラに母親を入れておく必要があったのでしょう。この類の物語に非処女はタブーという刷り込みは強力でした。

 あと、「言葉が世界を規定する」という設定について出し切っていないという指摘は正しいかと思います。なぜならMMGF!は三部作で構成してしまっているからで、同人誌にすることが決まったのはその後でした。ですが聞こえてくる感想は、「90年代のラノベみたいで説明が多すぎる」とか「あなたの本質はブラックな笑いの方にある」とか 「いったんこれは置いといて、別のを構想した方が……」とか「コイツ、ネットでは残念な感じだけど、リアルでは面白いだろ?」など基本的にネガティブなものばかりでした。なので、設定を深めて欲しいという貴君のご期待には沿えないかもしれません。ちなみに、この物語の最後の一文は「ああ、言葉が溶けてゆく――」です。

 以上、回答おわり。なに、こういうのはインタビューズとかでやれだと? 貴様らの縦長のタイムラインへ剛直した言葉をズッポリと埋めるときの快感を放棄しろというのか! 俺様を愛しているフォロワーのタイムラインが剛直でふさがるのを想像するとすごい興奮するし、俺様に気の無いお義理フォロワーのタイムラインが剛直でふさがるのを想像するときはもっと興奮する! グロロロ、やめられんわ!

 (入道雲パーマ、両手を口元へ当てて)異常……ッ……異常性欲者……!! (両目に涙をためて)そして、タイムラインが混雑しない時間帯をねらって大量ツイートを行う、愛すべき小心者……

 一番槍での吶喊、ご苦労である! 今年は八月にコミケ童貞を喪失したことが最大のイベントだった。その際、プロに依頼してまで作成した同人誌が300部ほどしか売れず、己の能力への失望を深めた年としても記憶されるであろう。実際のところ、来年度の見通しは全く立っていない。全方位的に求められなさすぎて、次の内的必然が惹起しないというのが本当のところだ。タイガーホールの同人誌が完売することと、酒の勢いにまかせて八月のオフレポを更新できることが、いま現在の希望である。

 そうか、今日はコミケなのか。前回の(寄生的な)参加でもう充分と思っていたけれど、一度会場を見たせいだろう、西の情弱エリア在住のこの身に、祭りから切り離された一抹の寂しさが去来する。結局、「所属していないこと」が望む望まざるに関わらず、nWoのアイデンティティを形作っているのだ。などと婦女子の母性本能と粘膜へ向けて草食系やさ男ぶりをアピールしつつも、コミケトーの時期に再度宣伝であるッ! 「MMGF!」、大絶賛在庫駄々余り中! 通常の文庫ならば三冊買えるだろう、大変リーズナブルな価格設定になっているッ!

 質問:クリスマスにMMGF!をサンタさんにお願いしたのに届きませんでした。在庫がなかったからでしょうか?

 回答:在庫は四畳半一間の半分を占拠するほど余っているため、考えられる可能性は二つだ。サンタのプレゼントリストを作成するトナカイが検閲を行う際に、MMGF!の内容は良い子への贈り物として不適切であると判断を下したか、サンタなる人物は地球上に存在しないかである。

よい大人のnWo MMGF!(9)

 完結。 よい大人のnWo MMGF!(DOON)

MMGF!~見て、みごとなガテン系のファックよ!~(在庫駄駄余解消祈念C80漫遊記・前編)

 質問:日本では所謂ガチムチ体型がホモっぽいとされていますが、海外では逆に痩せていて女っぽい体型の人間がホモだと言われていますよね。どうしてですか?

 回答:わざと隙を大きくした更新をすると途端、隙の多い質問が舞い込む! だが、何の反応も無いよりはずっといい! お答えしよう! 前者は実際に野郎どもでファックする連中を想定しているが、後者は「女々しい」「男らしくない」連中への罵り言葉に過ぎない! たわけめ、ホモの実像と一般人の観念を並列にとらえるような、ねじれた発問がそもそも間違っておるわ! 実際にファックまでするホモの実相は万国で大差ない! 貴様には課題として『ブローク・バック・マウンテン』の視聴を与える! 必ず感想をレポートとして提出するように! そして件の、隙の大きい更新である! まだかろうじて、誰も傷つかないところまでが収録されている! なに、後編だと? たわけ、貴様らの反応次第だ! MMGF!~見て、みごとなガテン系のファックよ!~(在庫駄駄余解消祈念C80漫遊記・前編)

 『喜びにも既視感があり、悲しみにも既視感があり、それが本当に喜びなのか悲しみなのかも分かりません。それが自分の欲望なのか,他人の欲望なのかも分かりません』

 (吊り目の少女が頬を紅潮させながら)「ぜ、ぜんぶウソなんだからね! 本気にしないでよね!」(少女の背後で禿ヅラの親父が新聞を広げながらくしゃみをする)「ふぃ、ふぃーくしょん!」 MMGF!(在庫駄駄余解消祈念C80漫遊記・中編)

 モンリ(スカイリムを嗜む紳士の合言葉)! 小鳥猊下であるッ!

 誰も傷つかないコミケ漫遊記・前編から幾星霜、先週ようやく狂犬病の野良犬のような中編を更新した。 長くなりすぎて前後半に収まらなかったのだ。待望の続編に押し寄せるだろう山のような感想への応対を予想した一流ブルーワーカーであるミーはウィークエンドのアポイントをすべてキャンセルし、 スクリーン前でネイキッド待機していたのデス! だがーー寄せられた反応はweb拍手が二件のみだった。毎日一回拍手ボタンを押す律儀なファンが一人いるので、実質は一件である。最高に空気を読む私がモニター越しにnWoファンたちの波動値を測定すると、おおむね次の三つに収束した。

 「傷ついた。死にたい」「ウェットな部分がつまらない。余計だったと思う」「よくこんな読みづらいコンテンツ読む気になるな」

 それにしても、この週末がディアブロ3のオープンベータと重なっていて本当に良かった……(マウスを乳房のように撫でながら)……もしそうじゃなかったら、ワイヤレスマウスで首を吊るところまであったかもしれない……(マウスホイールを乳首に見立てて落涙する)

 後編の更新に関しては一切が白紙である! では諸君、モンク(Female)!

 そんなことよりさ、コミケ漫遊記の続き、だれも読みたくないの? ぜんぜん反応ないからずっと止まってるけど、いつでも更新する準備はあるんだよ? いまから前回のあらすじをツイートするので、更新希望者はリツイートかフェイバリットにて意志表明を行うとよい。

 同人誌ゎ売れなかった……こわぃ家人がまってる……でも…もぅつかれちゃった……でも…ぁきらめるのゎょくなぃって……パィソンゎ……ぉもって……ゃかたぶねで……がんばる……でも…原価……われて……ィタィょ……ゴメン……200冊もあまった……でも…パィソンとサメンゎ……ズッ友だょ……!!

 昨晩のツイートに対する反響に驚いている。今年に入ってからというもの、最も控え目に表現して「ガン無視」としか言えない状況が続いていたからだ。何をツイートしても反応は絶無であり、旺盛なリツイートを行うフォロワーも当アカウントだけは周到に避け、ときどきフォロワーが減るといった具合だ。

MMGF!~もう時効だろ?滅法卑劣なフッカーめ!~(在庫駄駄余解消断念C80漫遊記・後編)

 こんなサービス、めったにしないんだからね!

 予告で大きなリアクションがあったのデス! 本編はモア・ザン・ザット、それ以上のリツイートやフェイバリットが期待できるに違いありマセン! ワ、ワット? ホワイ・ドゥー・ゼイ・イグノアー・ミー? 土下座するのはファックまで……ジャパニーズのアグリー・ネイチャーにはボミットしきりデス!

 質問:ひどい、すごい、はげしく熱い祭りの熱気を感じ、オチに心動かされました。MMGF続きも待ってます。在庫は2を書いて1とセット販売で売り、それでもダメならもうひとつ出して1~3でセット販売をすれば完璧です。

 回答:お、元気してたか? 調子はどうだ? あんなに元気な姿で送り出した今回の更新だったが、本日夜半、残念なことに無言の帰宅をした。まあ、実在の人物へのディスが笑いの中核を成しているのだから、仕方がないと言えば仕方がない。もう私には、君がすごい萌え絵描きか、大きな組織で権力を握る人間へと育ってくれることを祈るしかない。育て!

 ところで貴様らはこの三日間というもの、なるほど・ザ・ギークス冬の祭典であるところの混み毛唐をチンタラほっつき歩いておったのか! 混み毛唐位と言えば、もう三年にもなるか、nWoをとりまく淀んだ状況に少しでも変化を与えようと、ギークスへのヘイトスピーチのみで構成され続けてきた当サイトのアイデンティティをかなぐり捨て、C80(チンコ・エイティの略)に参加したことを思い出す!

 小鳥猊下のコミケトー降臨については、以下の更新に詳しい。

 300冊ほど萌え小説を持ち込み、200冊ほど売れ、100冊ほど四畳半の西日で日焼けしてタイトルが消えかけているが、結果としてnWoの周辺状況に大きな変化は見られなかった。無念である。

 ちなみにその萌え小説については、以下の更新に詳しい。

 あいかわらず、リアルでの俺はと言えば家族と子宝に恵まれたロス在住のいち大物ロックシンガーに過ぎないし、ネットでの俺はと言えばツーチャンネルより古参でサムライスピリットより先行者の、マサやカサイのようないちレジェンドに過ぎないのだ。