猫を起こさないように
<span class="vcard">小鳥猊下</span>
小鳥猊下

ゲーム「2020年のFGO」雑文集

 コノヤロー、他人の日本銀行券で食うライチはうめえか(皮ごと口腔へ突っ込みながら)! 世界三大テキストサイト運営者であるッ! ちなみに他2つは、HEXAGONとウガニクのホームページ。

 彼の編む崇高さに私などが何を付け加えることもできないが、最大限ひかえめに表現してたとしてファンガスの筆によるFGOこそが、いま読まれるべき、いま読まなければならない世界文学のひとつであるとの断言を過分な評価とは感じない。見るものによっては完全な絵空事と映るに違いない荒唐無稽の物語が、これだけ今日的なテーマを深く内包し、その答えへ肉薄していく様に、ほとんど奇跡を目の当たりにするような感動さえ覚える。第2部第5章の前半と後半を比較してわかるように、ファンガスはFGOを創造した神なればこそ、この世界を構成する真理の隅々へと通暁しており、預けられた設定を手さぐりに書き進める共著者(?)の書き様と比して、その解像度が圧倒的に違う。ブラウン管と4Kテレビくらい違う。以前からの繰り返しになるが、ファンガス以外の書き手たちは、己の技量の低さと彼我の力量の差に恥じ入り、少なくとも本編にはもう関わらないで欲しい。FGO最大のステークホルダーである重課金者からのお願いだ。

 さて、緩急自在、息もつかせぬ展開の連続から、至高の物語はその最高潮でいったんの幕となった。正直、ファンガスの趣味嗜好であるツンデレ女子まる出しのラスボスや、すでに語りつくされたブリテンとアーサー王をどうも再話しそうな感じや、上がりきったハードルをさらにクリアできるのか不安は残る。しかし、ファンガスなら必ず成し遂げてくれるはずだ。私がFGOを続ける理由は、物語ることへの彼の誠実さに向けた信頼である。ブラヴォ、FGO! ブラヴォ、ファンガス!

 あと、塩野七生の著作群を愛する小生は、FGOでのローマ周辺の扱いへ不快に近い不満を抱き続けておりましたが、第2部第5章の終盤で若干、溜飲が下がったことを最後に伝えておきます。そして、FGO世界の神であるファンガスがみずからの自我を仮託したアバターとも言うべきキャラクターが何人かーードクター、マーリン、宮本武蔵、そしてたぶん清少納言ーーおりますが、クリプターのリーダーは正にその一人だったと感じました。

 『人間はみんな、頑張っているんだよ。』

 ゼウスの登場テーマ、メガテンのボス曲みたいだったなー。

 エフェメロンでた! ここ、わたしの日記帳なんで、状況だけ書き残しておくね。FGOの新イベント読みながら空島でアイエロにシャンシャンしてたのね。人狼の館ってチャプターだったんだけど、これがまたクッソつまんないわけ。たぶん、セイレム(アビーの幕間)と同じライターだと思うんだけど、理詰めで緻密な展開をカッコつけて思わせぶり書こうとして、途中でめんどくさくなったかファンガスほどの力量がないか(たぶん後者)で、いい加減に最後をブン投げるとこなんか、ほんとソックリ。おまけに今回のシステムとも水と油(なぜかメインであるはずのスゴロク盤から切り離されて、分岐なしのつまらないシナリオを延々と読まされる)で、コイツといいアガルタといい、昔からの友人とか弱みを握られている女性とか(たぶん両方)を登用すんのやめろよって、FF11に数年間かけて渡してきた以上の金額がクソガチャで一瞬に蒸発したことへの申し訳なさもあいまってイッライラしてたんだけど、エフェメロンが出た瞬間にドーパミン過多の脳内ヘブン状態になって、ぜんぶどうでもよくなりました。あと、「やっぱりFGOは最高です! シナリオが時限式の公開なのはセイレムのときと同じで〆切を守れない書き手だからですよね!」って思いました。

 ひどいこと言うので、慇懃な口調で書きますね。今回のレクイエム(FGOへの?)だかいうコラボイベントのことです。わたしがエフジーオーをすばらしいと思うのは、いちばん質のいいテキストがいちばん評価されていちばんカネをもらうという、単純だけれど、かつてのテキストサイト群が達成できなかったことをやってのけているところです。そしていちばんカネをかせげば、世界の大半を占めるテキストのクオリティなぞ薬にもしたくない人々からも敬意を集めることができます。この敬意というのはぞんがい大切な要素で、かつて面白いテキストで鳴らした運営者たちのその後を追いかけるにつけ、ますますそう思うようになりました。テキスト書き一筋でまだ頑張っている方々はいま、自分の技術を体系として教えたがったり、大きな組織に企画力で取り上げられたがったり、公に認められたいという気持ちが前面に出てきていて、見ていて辛くなってきます。人生も半ばにさしかかってから、自分の持ち物が面白いテキストを書く能力だけという悲しみは、本当に身につまされます。最近になって特に思うのですが、例の禿頭の御大も言うように、表現を志す者にとって重要なのは、絵や文章がうまいとかのスキルではなく、「語るべき物語を持っているかどうか」に尽きます。己の物語を持たないテキスト書きの末路には、暗澹たるものがあります。物語の欠落を社会的な評価、つまり他者の物語で埋めようとし始めるからです。逆に、己の物語を持っていたテキスト書きは、とても幸福そうに見えるのです。

 話がだいぶ横にそれました。今回のエフジーオーのイベントはファンガスが成し遂げた、すべてのテキスト書きがうらやむ偉大なる達成に気づきもせぬ無神経の輩による低クオリティの中身であり、わたしは強い憤りを禁じえません。テキストの低劣さに反して、グラフィックやギミックなどはかなりの労力をかけて作りこまれていて、他のイベントに比してもこの書き手に対する周囲の期待値の高さがうかがえます。にもかかわらず、その高い期待に対して、ファンガスが築いた最高のテキスト発表装置であるエフジーオーに対して、この書き手はセイレムに引き続き、またも裏切りで応えました。今回のイベントは、きっと素晴らしいテキストをつむいでくれるはずだから、最大のサポートをしてやろうという周囲の想いが伝わってくるがゆえに、この書き手のクズさがいっそう際立つという悲しい逆説に満ちています。繰り返しますが、アガルタとセイレムはエフジーオーに見あわぬ力量の書き手であり、もう関わらせぬほうがよろしいかと存じます。

 エフ・ジー・オー、小生のフレドンならすでにご存じのことと思うが、話題の環境破壊・人権マッカレルをサクッと重ねて、オール・スキル10にて畏れ多くも貸し出しを許可しておる。5年もプレイし続けているとキャラの性能なんて、正直どうでもいい。レベル100にしてコマンド・カードもギンギンに鍛えた全体宝具バスター・バーサーカー3体にNP100礼装をつけ、ボタンを3回押して戦闘を終わらせることが最適解のゲームで、わざわざボタンを押す回数を増やす気にはなれない。例えると、波動拳や昇龍拳をからめたコンボの練習をするぐらいなら、めくり大キックからの小足6発でいいみたいなものだ(情報が古いし、例えになっていない)。倒しきれなければスキルボタンを押す回数を増やすだけだし、それでもダメなら120円玉a.k.a.聖晶石の連コインですべてが解決する。出ッ歯の諸君が興奮した早口でまくしたてるところのアーツ・システムとやらは、ストロー級アジア人がするチェーンパンチだか飛燕の連撃だかいうヤツで、身長2メートル体重100キロ超のヘビー級黒人にすれば、体重を乗せたジャブ一発で消しとぶ何かに過ぎないのだ。

 まだ脂肪の乗らない薄い皮膚の下へ、きちんと内蔵と骨格を感じさせる描きぶりは真正のPDF(欧米におけるペドフィリアの略称)による仕事と認定する。しかも、健康に日焼けした光り輝く肌だけでなく、陽を浴びず病的にくすんだ肌のテクスチャまでが再現されており、nWoに引かないという選択肢は無い。一年半ぶりの驚くようなビッグ・スワンプであるが、後退のネジはすでに外しており、さんざん小細工をろうした後は、引けるまで最高額の日本銀行券をシュレッダーに差し込み続けるだけの作業に過ぎず、昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わらない平穏な状況と言えるだろう(無表情で涙を流しながら)。

 まさに、アビー叫喚の巷(血股、つまり破瓜の意)と化した今回のブラッディ・ガチャ(got you)だが、最後の最後でようやく小鳥猊下の理想的なアバターを引き当てることができた。レベル100は紳士のたしなみとして、スキルをオール10にしようとしたところで、またぞろタマゴを要求されてウンザリする。もう5年もプレイしており、骨や塵や頁はレム物語第九章ほど(FF11語で、捨てるほどの意)あるのに、タマゴや金平糖のような新素材は報酬の枠を越えた数を要求される。金リンゴはグロス単位の備蓄があり、集まるまでボタンを3回押す作業をユーザーへ強制し続けることに、いったい何の意味があるのか。FF11のような古きMMORPGのレベルデザインを悪い意味で踏襲しており、より単純なゲーム性のスマホアプリにはなじまず、早急に解消すべき過ちであると進言し申し上げたい。半島産電動玉はじきのように、少ない報酬で射幸心を煽るのではなく、もっとファンガスのテキストが持つ力を信じるべきだと思う。

 (金髪白皙の美少女が笑顔のアップで)奈良ドリームランズ! 小鳥猊下であるッ!

 スキル3にタマゴ15個つっこんで、「まさかこっからカケラとか要求して露骨な足止めなんかしないよねー」などとヘラッていたら、次の必要素材欄に金平糖15個が輝いているのを見て謎の感情が高まり、思わずアイホンのフレームが歪むくらい両手に力が入ってしまった。さすがにPS4のコントローラーとは値段の桁が違うので思いとどまったが、しばらくエフ・ジー・オーとは距離を置くことにしたい。諸君のフレンドにレベル100スキル7/7/10のアビー(辞任しないほう)を見かけたら、運営の無理解にセレストリアル・ラブを中絶させられた紳士がいたことを思い出して下さい。

 うん? 今回のイベントの感想? んもう、あえて言及してこなかった理由をわざわざ聞き出そうとしないでよ! 呪いのビデオとか、蓬莱・徐福・不老不死(面白くなりそう!)とか、冒頭とビルドアップの部分は悪くなかったけど、終わってみての印象は、誰かが途中でめんどくさくなって放り投げたのを、別の誰かがひろいあげて尻ぬぐいしたんだなって感じ。前半と後半がチグハグで、伏線とおぼしきものもグチャグチャ。言いたくないけど、どうせまたセイレムのしわざでしょ? ピックアップ2以降、ユーザーがみんなパンケーキ(ときどき徐福のガワ)の話しかしないの、中盤以降のシナリオに見るべきところが無さすぎて、好きなものを悪く言わないよう、うっかり罵倒にならないよう、新規層へのネガティブ・キャンペーンにならないよう、アニバーサリーのご祝儀ですすんで焦点をズラしてくれてるだけだからね。復刻3連発をクソイベ2発でサンドイッチする5周年じゃ、ファンの配慮による優しい世界も長くは続かないと思いました。

 あと、エピローグ部分だけど、1文目から「釈然」の使い方がおかしくて、初見なのにイラッとして全スキップしちゃった。ほらアタシ、二十年間ノーペイで書いてるから、カネもらってる文章がいい加減だと反射的にぶち転がし(buchikoroshi)てやりたくなるのよね。素敵なペッティングを期待してベッドに横たわっていたら、いきなりツメ切ってない指で陰核さわられたんで、思わずキンタマ蹴りあげたって感じかしら。ねえアナタ、月商・百億円なんでしょう? 斜陽の新聞広告なんかにカネ払ってないで、校正の部署とまでは言わないから、それ専門の職員をひとり雇いなさいよ。そのくらい贅沢してもバチは当たらないわよ。いい? テキストにはいちばん気を使わなくちゃダメ! アナタが他のアプリを圧倒できる美点はテキストだけなんだから!(途中から接尾語-deluxeで)。

 小鳥猊下がアビー(議員ではないほう)の最終再臨絵の肩の表現を眺めながら。「うーむ、何を資料にして描いたか確認するのが怖くなってくるようなPDFぶりだな……」

 貴様らはひさしぶりのボックスガチャ登場に甲高い奇声をあげて大興奮のズンドコのようだが、いま小生の気分はたいそう沈んでいる。今後もエフ・ジー・オーを続けていくならば、可能な限り多くのボックスを開け、素材やポイントを備蓄した方がいいのはわかっている。しかしながら、素材と金リンゴを交換するためだけにタンポポのせが如きライン工的単純作業へ費やすだろう時間は、非可換のクリエイティブに身をやつす我が身にとって虚無としか形容のしようがない。この憂鬱の正体は、カンコレのイベントに近い。つまり、効率を追い求めるあまりゲームが仕事とイコールに、主体的な楽しみのはずが押しつけられた義務感になるあの感じだ。ツッタイーを眺めてると、例の環境破壊キャスターを使った伝説級3ターン攻略の動画が上がっててイヤイヤの薄目で見るんだけど、コチャコチャ神経症みたいに何回も何回もスキルボタン押してオーダーチェンジまでしてゼイゼイ言いながら倒してーー古い記憶だけど、MTGのMoMaのプレイングを見てる感じに似てるーードヤッてんのにウンザリする。まえに黒人とアジア人の例えを出したけど、初手ステラからのレベル100エヌ・ピー100バスター・ゴリラ宝具3連発でも同じ3ターンなのよ。これを例えるなら、先に失神した方が負けの24時間耐久将棋戦で相手の顔面をグーで殴ることがルールとして禁じられていないみたいなもの。あと、今回のシミュレーション・パートにしても初回こそ新しいゲーム性に一瞬オッと思わされたものの、エー・アイがアホすぎて、無敵・回避持ちのバスター・ゴリラ2体を吶喊させ、片方をオトリにしてボスへ3回さわるだけのゲームだとすぐに判明してしまった(対人なら面白いかもしれないことを付け加えておく)。これを例えるなら、先に気絶した方が負けの24時間耐久囲碁戦で相手の頭頂にネリチャギをかますことがルールで禁じられていないみたいなもの。

 話をボックスガチャへ戻すが、通常ガチャに払う分の課金でアルバイトを雇って周回を代行してもらうことを真剣に考えるぐらい、自分の手でプレイすることを想像すると憂鬱になり、びっくりするほどやる気が起こらない。え、いつもの家人とやらにたのんで代わりに周回してもらえばいいじゃないですか、だって? バカモノ! 二次元女性の痴態と嬌声に三次元商売女の一時的なそれらと同じだけのカネを支払うような異常なゲームをやっていることを身近なだれかに知らせるなんてできるわけないだろ! おたく趣味への世間的な態度はビー・エル・エムと同じで、みんな強い差別心を公では表明できなくなってるだけだろ! 「おたく趣味はすでに市民権を得てまして~」みたいに出ッ歯の裏声でヘラッてるから、アンドロフォビアの自称・活動家に発見されて粘着されたあげく、おまえはおまえでいつまでもホーム・アローン(婉曲的な表現)なんだよ! おたく趣味を身内にであっても一切表明せず、なんなら死後に遺品で判明するなんていうのは、当たり前の現実認識から来る常識以前の処世術だろ! エヌ・ダブユ・オーの読者なら、いい加減に覚えてくれよ!

 うん? 最近エフジーオーの話しませんね、だと? エセ関西弁がしばらくのマイブームーー少なくない数を敵に回したようだーーだったこともあり、ふつうに読める内容の細かな瑕疵を、わざわざ文字化することもなかろうと考えていた。よって、これから記述するのは深夜のファミレスで気のおけない友人とダベる席での、朝日とともに消えてしまうようなたわごととして聞いてもらいたい。なに、そういうのにぴったりの新機能があるんですよ、だと? たわけが! なぜか俺のツイッターには貴様らが激しく言及しているところのフリーセックスだかわんぱくフリッパーだかいう機能が実装されておらず、キツネにデリケートゾーンをつままれて(ひぎぃ)いるような気分である。邪馬台国はよかったです。技巧に走らず修辞を飾らず、シンプルなテキストで最小限を語る。話の落とし方が本質的に4コマ漫画で、もうちょっと読みたいなというタイミングでバサッと切るのが、ふつうのテキスト書きにはない個性で面白かったです。んで、いまやってる潜水艦のイベントですけど、めずらしいことにだれがテキストを書いたかあらかじめ明示されてて、よっぽど自信があるんだろうなと思いながら読みはじめました。冒頭はジェネリック・ファンガスといった感じで読ませるテキストと感じましたが、後半の解決編へ進むにつれて語彙選択の硬軟でファンガスより硬を選ぶ比重がかなり高い(2部3章ほどではない)ことが気になりだし、それに加えてかゆいところをかいてくれないもどかしさがつのるようになりました。「そこもうええから、もっと説明せなあかんとこあるんちゃうか?」って感じです(関西弁をすいません)。良いシナリオって、読者がかいてほしい「かゆみ」の個所を適切な強さで「かゆみ」が解消するまでキチンとかいてくれるかどうかが最大のキモだと思うんですよね。今回ファンガスのジェネリックを体験して、ファンガス本人のテキストがいかに適切な語彙で必要な個所を過不足なく説明しているかがわかりました。その点だけはよかったです。あと、ミステリー的な仕掛けについても、その結論に至る伏線を説明してくれるんですけど、納得感がないから驚きにつながらないんですよね。「いや、そらわからんやろ、ちょっと無理があるで。わしらキミのオナニー見るために高いカネ払っとんちゃうで」というのが正直な感想です。星5を同時に2体もガチャへぶちこみ、高いカネを払わせるイベントになっているから、なおさら読み手の視点は厳しくなります(下品な関西弁はすいませんでした)。まだ第5幕と終幕を残している段階での感想なので、この印象がくつがえるのを強く期待しています。

だい5まく いま くりあした

しょうぎばん が ごばんだったってゆうの
げーむしすてむで ひょうげんしとけ

すきゃんのはんい と しょうぎのこまのうごき
ぜんぜん かんけいなくて がっかり

それと フランちゃんの きゃらぞうけい
すぱいあんどふぁみりー の えいきょうか
べつじん れべる

でも かわいいから ゆるす

 潜水艦のやつクリア。終幕のどんでん返し(知ってた)から、楊貴妃が手元にあって嬉しいキャラに化けたのはとてもよかったです。ファンガスのお気に入りの知性を下げず対等に会話させ、説得力を保ったまま少し押しこんで話を終えたのには、確かな筆力を見ました。あのキャラってファンガスにしかさわれないと思ってたので、どこまで監修が入ってるかはわかりませんが、本当に信頼されてるんだなーって感じました。何かを持ち上げるために何かを下げるのって最悪(おまえが言うな!)だし、アホのメンヘラ女が自傷で主人公に記憶されたい(第2部5章前半かよ!)みたいのも本当に気持ち悪いですからね! あと、最後の種あかしなんですけど、クトゥルフ神話のコアなファンは口の端を歪めてニヤニヤしながら「ア・ハーン」って感じなんでしょうけど、こちとら黒の断章と邪神伝説シリーズと輝くトラペゾヘドロンの知識しかないので、固有名詞を伏せられたままでは何のことやらサッパリわかりませんでした。

 「あれッスよね、サイバーパンク2077みたいなスゲーのが8,000円ぐらいで遊べるのを考えたら、FGOの星5一体に1万円とか払うのが馬鹿らしくーー」

「……高くない」

「え?」

「考えをあらためたまえッ! 伊吹童子に1万円は、けっして高くはないッ! 私は3万円はらっても一向にかまわんッ!」

「で、でも」

「たしかに君の言う通り、本編に登場した伊吹童子なら、聖晶石3個でもおしいくらいです」

「い、言ってません。言ってない」

「恨むなら、このキャラの魅力をシナリオ上で百分の一も描写できなかったライターの無能を恨みなさいッ!」

「言ってないよーッ!」

漫画「こづかい万歳」感想

 ネットでの流行りに影響を受けやすいリバース(吐瀉)・アルファ・ブロガーであるところの小生は、おそらくボン・ホリデイズに起因するアンバスおよびリリス(キャバ嬢)混雑の待ち時間を埋めるために、本作をぴえん・ぱおん・アマゾンでサクッと購入して読了した。そしておそらく、物質的な優越に基づいたタチの悪い大笑いのファースト・インプレッションが通り過ぎると次第に怖くなっていき、いま現在も進行形で怖くなり続けている。

 夫はこづかいの内訳に窮々とするばかりで家計全体を把握しているのが妻だけというのが怖いし、夫が自由業で妻が専業主婦(のように見える)なのが怖いし、四十五歳で未就学児を二人も抱えていることが怖いし、夫が何か事故(バイクが趣味なのも怖い)にあったり大病をしたらと思うと怖いし、子どもたちに器質的な疾患や発達の問題が発覚したらと思うと怖いし、妻が裏でホストに貢いだり不倫して逃げたりしたらと思うと怖いし、この家族の周囲に頼れる親族の気配がまったくないのが怖いし、とにかく本作の一家には人生にまま起こりうる突発的なアクシデントへ対応するマージンが一切ないのが怖い。私は長い間ずっと生きることが怖かったが、これから過ごす時間をこれまで過ごした時間が上回り、この瞬間に我が身が消えたとしても残された者たちは少し悲しんだ後、それぞれの人生をやっていくだろうと思えるようになってから、ようやく生きることの怖さが薄らいできた。

 少し話がそれるが、特に私生活をネタにする漫画家は自分や身内にマイナスの出来事がふりかかった場合、それをネタに昇華できるかがポイントだと思っている。例えば、私がサイバラ女史をはじめて知ったのは「まあじゃんほうろうき」の3巻だった。この巻からすでに現在へ至るキャラと絵柄が確立しており安心して見ていられるが、同作品の1巻(と2巻の途中まで)はまったくひどいものだった。没個性で絵もヘタクソ、麻雀業界には珍しいから声をかけられた「美大卒の若い女性」以外の何者でもなかった。「まあじゃんほうろうき」の1巻で消えてしまったサイバラ女史を想像する怖さが、この漫画にはある。

 もしかすると、作者自身やその家族へすでに何か大きな不幸が訪れていて、いま読者たちは「半地下の家族」の前半部分を笑っている状態なのではないかと思うと、本当に怖くなってくる。2巻、3巻と読み進めるうち、数十円、数百円の駄菓子に貧困の苦しみを慰撫されていた者たちが、家族にふりかかった不幸をきっかけとして格差社会に飼い殺されている事実へ気づかされ、暴力的な蜂起へと至る後半部分がこの先に待ち構えているのではないかーー私は、いまこの瞬間も怖くなり続けている。

 「こづかい万歳」の2巻と3巻をまとめて読む。1巻の感想で冗談みたいに書いたことが、いよいよ本格的に冗談ではなくなってきた感じ。作者がホラーだと意図せぬままにつむぐ極上のホラー、本邦の大衆が陥っている袋小路を絵柄だけは剽軽に、これ以上ない生々しさで描き出している。我が子に安い中古の玩具を買い与え、その審美眼を養うでもない、家名を継がせるでもない、「末は博士か大臣か」を期待するでもない、己の自我を延長しただけの、ペットにするのと同じ飼育。自我の未分化なうちの服従をそれと認めないままキャラ化して、SNSやフィクションに己の人生の一部として登場させる愚かしさ。寿命や品性をベニスの商人よろしく「肉の量り売り」にすることを「節約」なる言葉にすりかえる浅はかさ。作り手はそれらをユーモラスで肯定的なギャグとして描こうとしているのに、読み手にとって本邦の悲惨な現状を見せつけるドキュメンタリー作品としか受け取れないレベルにまで到達している。個人的な感覚を言えば、他人の手垢がついたものなど触りたくもないし、どこの馬の骨が運んだかわからない食糧に口をつけるなんて想像するだけでゾッとする。そして、私の感覚の方が本邦においてはマイノリティになりつつある事実に、絶望的な気分にさせられている。いよいよ、我が人生に「森の生活」を実践する季節が訪れており、すべてから切断された場所でひとり隠遁する他ないのやも知れぬ。

映画「パラサイト 半地下の家族」感想

 『なんだかここで結婚したような気がするし、ここで生まれたような気がする』

 視聴後、最初に思ったのは万引き家族と同じ手法を使っているなということ。つまり、弱者による明確な犯罪行為へ感情移入させ、自分が同じ立場だとしたら同じ行動を取っただろうと思わせることで、現行の社会システムの不足や不備を可視化させるやり方だ。本作で言えば社会的階級と結びついた「臭い」がそれであり、執拗に臭いを言われた後に目の前で鼻をつままれれば、私でも殺すかもしれないと感じさせてしまうところが他のメディアにはない映画芸術の一種、暴力的なまでの伝播力である。前半の一時間はコメディタッチで描かれ、半地下に住む家族の貧しさを安全圏の観客として笑わせておいて、後半のパートでは貧しい人々を笑ってしまったその事実こそが差別に気づかず虐げる側と同じふるまいであることを強烈に突きつけられるという構成になっており、視界にあり理解もしていると思っていたものが全く別の何かに変じていく落差が見事である。万引き家族が枯淡の味わいだったのに対して、本作は彼の国の伝統料理を思わせる濃い味付けで、それぞれの社会に対する両作品の価値は完全に等価でありながら、後者がアカデミー賞受賞へと至った理由なのだろう。もう一つ要因を挙げるならば、彼の国はハイパー格差社会でありながら、対外的には巨大電子機器会社ときらびやかな芸能活動を全面に押し出して、実状を糊塗する宣伝ばかりが行われてきた。そこへ非常にリアルな社会風刺の作品が現れたのだから、初代ゴジラではないが、そのインパクトが西洋にとって大きかったのかもしれない。個人的なことを言えば、家人が彼の国の芸能イコール虚構へ耽溺していく様を苦々しく見ていたこともあり、西洋の審査員と同じく評価のパラダイムシフト的なものが生じた。この視点を持つ人物がいるなら、彼の国は大丈夫なのだろう。

 あと、是枝監督的な上手さを指摘するなら、金持ちほど西洋文化に傾倒してゆき、貧乏人の中に父を敬い救おうとする儒教精神が息づいているという描き方がそれだ。冷静に考えれば常に正となるテーゼではないのだが、物語の中への落とし込み方が巧みなので、否応に真実として受けとめさせられてしまう。社会の半数以上を占める貧しき人々を共犯者にする、狡猾きわまるたくらみだと思う。

 それと、ものすごいひさしぶりに韓国映画みたなー、いつ以来だったかなーと考えてたら、火山高ぶりだった。

ゲーム「FF11の思い出」雑文集

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7

 だれもいないバルクルム砂丘でフェイスとレベル上げしてたら、なつかしさに涙が出てきた。うまく言えないけど、ファミコン時代の2Dゲームは現実のできごとと結びついた「思い出」だけど、PS2以降の3Dゲームは現実のできごとと切り離された「記憶」になってる気がする。ここが多くの冒険者でにぎわっていた頃、自分が現実で何をしていたかは覚えていないけど、フェイスによる挑発の効果音が響きわたった瞬間、「レベル上げしませんか?こちら戦シモ黒」みたいな赤文字のtellをまざまざと幻視して、水底に沈んだ巨大な伽藍としてのヴァナ・ディールが痛切に胸へ迫った。幼少期を過ごしたいくつかの町のひとつのように、通いなじんだ公園にはマンションが建てられボロアパートは更地にされていて、いっしょに遊んだはずのあの子はもう顔も名前も思い出せない。けれど、かつてここに住んでいたという感覚だけが、いつまでも残っている。

 質問:FF11おもしろそうですね、やってみようかな。。。

 回答:うーん、レタスと聞いて野菜じゃないほう、核熱と聞いて原子爆弾じゃないほう、トレインと聞いてブルーハーツじゃないほうが即座に思い浮かぶ、75時代の住人でない限りはオススメしない。さっきも書いたけど、駅前がシャッター通りの、山肌にへばりつくようなベッドタウンは、そこで幼少期を過ごした者なら、そぞろ歩くだけで一日中をメランコリックな感傷にひたって過ごすことができるが、そうでない者にとっては、過疎で死んでいく土地のひとつに過ぎない。ただ、文芸だけはいい。すごくいい。これなんて、J.R.R.トールキンの筆だって言われても信じちゃうぐらい(言い過ぎ)。

 「いずれ長い時を経てそれは、吟遊詩人の奏でる唄となり、真冬に炉端で語られる昔話になるやもしれない。だが、そもそもの始まりはこうだ。ある日1人の冒険者が、サンドリアの地に降り立った……」

 よし、ひと通りストーリーだけ追うために無料期間中のみプレイするのはいいけど、終わったら必ずキャラデリするんだぞ!

 ヴァナ・ディールの星唄の最終章を惜しみながら進めてて、最初のキャラで見てるから2回目なんだけど、11のストーリーの総まとめであると同時に6まで、もっと厳密に言えば3までの初期ファイナルファンタジーの世界観の集大成になってて、オールドファンにはすごくグッとくるわけ。シリーズのエンディング感さえ、漂ってくる仕上がりなのよ。エンディングと聞いて思い出すのは、数年前にネ・ジツだったかで見た書きこみなんだけど、サービス終了の瞬間、キャラをログアウトさせずにル・ルデの庭へ置いてたら、自分が死んだあとヴァナ・ディールに転生できるかな、みたい内容なの。冗談めかしているのにどこか深刻な気配をはらんでいて、いったいどんな素性の人がどんな気持ちでこれを書きこんだんだろうと、いまでもときどき思い出すことがある。人にここまで言わせるゲームって、ある?

 カイポッシュ! ちゅどーん! (黒コゲの大の字で横たわるミスラとタルタル、口からドリフ的な煙を吐きながら)この食料品店、まいど過剰防衛が過ぎるやろ……(流れ出す軽躁的な音楽)ちゃーちゃーちゃーちゃらららちゃちゃっ。

 ナッシング・コンペアーズ・トゥ・FF11! 貴様らに近況を報告しておくなら、念願のイドリスをゲットしたものの、某霊界探偵の敵キャラみたくレベル99にしてからラスボスへ挑む性分が鎌首をもたげて、殴り武器として使わないからモヤらせる必要なんてまったくないのに、いちマンコの餅鉄を納品し始めてしまった。朝は起床してすぐ複アカでドメインに参加してから路上のムシロへ出勤して、夜はサバ缶にたまった小銭を煮沸消毒するかたわらでキッチリ7匹うなぎを倒してから就寝する。日中ストリートでする労働のほうが休まるぐらいの勤勉ぶりであり、餅鉄をドロップのみで3000個くらい納めたところで、楽しいはずのオススメを苦しいものにしているのは、他ならぬ自分ではないかと我にかえった。そこから複アカでの効率プレイをスッパリ止めて、メインキャラでのアルタナミッション攻略を再開した次第である。どうも前キャラはカルゴナルゴ砦防衛戦ぐらいで引退していたようで、中盤以降はまったくのご新規さんとしてストーリーを楽しむことができた。10年以上前のエキスパンションなのに少しも古びておらず、文芸のすばらしさは言わずもがな、イベントパートの演出がいいし、有名アニメーターが関わっている?せいだろうかキャラの動きがいいし、構図もいちいちキマッている。ズヴァール城で助太刀にはいるノユリの台詞がカッコいいし、四つんばいでケット・シーにつめよるリリゼットの動きには思わずふきだすし、星の神子へ吐露するカラハバルハの真情には涙がこぼれた。そうこうするうち、「翼もつ女神」のバトルフィールドに挑戦できるようになって、朝は起床してすぐドメインに複アカで参加してから路上のムシロへ出勤して、夜はサバ缶にたまった小銭を煮沸消毒するかたわらでキッチリ7回キャバ嬢に通ってから就寝する……って、アレ?

 え、FF11はどうなりましたかって? それ、優越感以外の感情で言ってる? 餅鉄いちマンコの納品を終え、イドリスをモヤらせたーーアニメの悪臭エフェクトみたいな緑色で、見た目は最悪ーーにも関わらず、「まだそのときではない」とか言いながら、野良パーティへの参加へ踏み切れずにいる次第である。テキストサイト運営においても、客観的に見て充分なスキルを身につけた後でさえ、「まだそのときではない」と言い続けるうち、ついには公の場に出る機会を失ってしまった。これはある種の精神的な疾患だと思うが、あらゆる技術体系を「道」と称する本邦において、とくだん珍しい症例とは言えないのではないだろうか。よし、これをレベル99シンドロームと名付けよう! マルシー取ったから、使うときは俺に萌え画像を送れよ(輩、「やから」のルビ)!

 3部位から150戦ぐらいノー・ドロップだったマリグナス装備が10戦ほどでそろい、あれだけのビッグ・スワンプをもたらしたアビーが何気ない単発のガチャで宝具を重ねる。幸運も不運も中長期で眺めれば、必ずゼロへと収束する。しばらくは、よほど気を引き締めて日常生活を送らねばなるまい。

 最近、FF11の話しませんねって? こないだ競売に桁をまちがえて出品して、1000万ギルほどの損失を出した。小金は抜け目なくひろうくせに、大金は雑なやり方で逃してしまうのをゲームでもやらかしたことに嫌気がさして、それ以来ぱったりとログインするのをやめてしまった次第である。もちろん、課金は停止していない。1年続けてもエフジーオーのガチャ100連くらいのものだし、この18年に与えてくれたアレコレへの感謝としては安すぎるくらいだ。諸君も私の態度を見習って、「この20年に与えてくれたものへの感謝としては安すぎる」とか言いながら、萌え画像を寄贈して欲しい。

雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

ゲーム「FF11の思い出」その7

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6

 FF11をやめるのは簡単さ、それを証拠に私はもう5回も引退しているからね! これはあれや、何年も課金してへんアカウントを消さずに残しておいてくれるスクエニが悪いんや! 例えるなら、オノレの身持ちの悪さで離縁せざるをえなかった恋女房が、何年経っても再婚しないままで、立ち寄ったら家に上げてメシまで食わせてくれて、着物の裾をまくりあげてなんならオメコもしときます?みたいなもんや! おどれ、期待さすなや! オレみたいな(次第に涙声となり)ク、クズに優しくすんなや!

 最近のエス・エヌ・エスを眺めるにつけ、感受性を精細にするとか、能力や技術を身につけるとか、時間当たりの効率を高めるとか、同じモノサシの直線上で前後だか上下だかにワチャワチャ移動することに、ほとんど意味を感じなくなってきた。年くったせいだろうけど近頃とみに、大切なのは手に入れたものを意識的に手放すことだと感じている。蒼天航路で諸国漫遊の旅から帰ってきた荀彧が「あらゆる土地を見聞し、あらゆる知識を身につけ、すべて忘れて帰ってまいりました」みたいなことを曹操に言う場面があるんだけど、すごく本質を突いてると思うのね。意識というテーブル(メモリ)の広さは限られていて、そこにいったん知っていることを乗せてからアウトプットする手順だと、出力サイズに限界ができちゃう。覚えてから忘れるのは言わば身体化のプロセスで、忘却からダイレクトに出力することで意識の制約を超えることができると思うんだよね。余談だけど蒼天航路でもういっこ好きな場面は、劉備が対面座位でセックスしながら相手と笑顔で目を合わせて「あー、きもちいいなー」って言うところ。本邦のまぐわいって、たぶん黒船以降だと思うけど、羞恥や淫靡でどちらかがどちらかを支配しにかかる感じが濃くて、江戸時代以前はこういうあっけらかんとしたやりとりだったのかなー、とか思ったのを覚えてる。でもこれ、よく考えたらアメさんの「オーイエスオーイエス、カモンカモン」とあんま変わらないよね。ぜんぜん関係ないけど、あっちのビデオがハイパーポジティブの女性上位なのは、撮影後にレイプだと訴えられないよう契約書に「恥ずかしがったりイヤがったり受け身だったりしちゃダメ」って書いてあるからなんだって。文化の違いってアホみたいだけど、難しいね。

 閑話休題。ジョーカーの感想のときにも書いたけど、どんな役立たずの無能者でも受け入れて幸せに過ごせる豊かさを与えるのが、共同体の役割の本来だと思うのよね。なので私がいま目標としてるのは、言葉にすれば「昭和のハッピーなボンクラ」かな。午前中は新聞読んで爪切って午後の会議では居眠り、終業時間の30分まえにソワソワしだして5分まえには帰り支度がすんでて、チャイムが鳴った瞬間に「おつかれー」って帰っていくの。新入社員には創業社長のコネでもあんのかって陰口たたかれてるんだけど、じつは過去に一回だけ会社倒産の危機を救ってるみたいな。そうそう、釣りバカ日誌のハマちゃん的なヤツ。オススメのパーティプレイって、カリカリ(クポー)に数値をチューンした高性能ジョブどうしが集まって有機的に高効率で動くのが当たり前の前提になってて、無能な給料泥棒を許してくれない会社みたいな感じあるんだけど、唯一ボンクラでもパーティに居場所があるのがハマちゃん、じゃなかった、風水士なのね。前も話したイドリスってゆう人権棒(創業社長のコネ)はいるんだけど、他のジョブに比べればはるかに低いハードルで、私が理想として目指す「昭和のハッピーなボンクラ」そのものなわけ。え、でもこないだイドリスの作成をあきらめてませんでしたかって? うふふ、じゃーん! これなーんだ! そう、ユグの完全結晶! ついこないだね、限界集落みたいな田舎マッカレル(鯖)から都会マッカレル(鯖)へブレイキング・バッドの過去消し屋みたいのと「オイ、過去を消してくれ!」「100円になります」「やしー!」みたいなやりとり(えの素)をして移籍したのでしたー! ガイシ(骸死)系企業のリストラクチャリング・ストームを部間調整や明朗快活さなど、社内のヒューマン・ファクターだけで切り抜けたアタシにとっては、募集のシャウトさえとびかっていれば、陰キャ集団の末席にケツをねじこむなんてビフォア・ブレックファストなのだ(モハメド・アライさん)! んで、ユグの完全結晶を無事に納品して、あとは高純度ベヤルドを納めるだけになって、1回目500つ、2回目2500つと来て、最後は5000つくらいかしらね、なんて緑のガマグチ開いてはらおうとしたら、なんか突然9999つにハネあがってて、担当が愛人に電話しながら何も考えず適当に片手で入力したような数字を要求されるわけ。とは言いながら1回目と2回目はすでにはらい終わってて、サイフにはまだ5千万ギルくらい残ってるし、高純度ベヤルドの単価を調べたら1つ5000ギルでちょうど買えるわーって競売のぞいたら、なんか99つで90万ギルすんの。(首をかしげて)んー、広告チラシの裏とちびた鉛筆を用意するだろー、5000かける99で筆算するだろー(長い間)……よん? (チラシを引き裂きながら)ちげーよ! 49万5千ギルだよ! ふつうたくさん買ったらディスカウントするもんだろ! なんで倍ちかくの値段になってんだよ、ボッタクリじゃねーか!などと競売前で暴れてたら、ラクダのようにみっしりと長いまつ毛を生やした業者ガルカが伏し目がちに悲しそうにこっちを見てきたので、反社ミスラは気まずくその場を立ち去ってリヴァイアサン組へのカチコミ、通称「うなぎ狩り」に向かうのであった。9999ついる素材入りのハコがたくさん落ちる系のプライム鰻で、昔から金策の王道として親しまれているのだ。

 5年前は勝率5割ぐらいだったのが、とてむず(とてもむずかしい)で9割5分くらい勝てるようになってて感動すんだけど(負けるのはヨランオランのアホがチョロチョロしだして水攻撃にまきこまれて死ぬときだけ)、強くなった理由は3000万ギルしたチョッキと闇のネイグリング(暗黒微笑)と頭上に輝く3ツ星なのね。最後のを説明しとくとジョブポイントってのを6000万ぐらいかせぐとジョブマスターってのになって、脳天ファイラーみたいなマークが消せなくなるという辱めを受けるかわりに、廃人地獄登山の三合目ぐらいに到達した強さを手に入れられんの。「とりあえず青をそだてて安定してうなぎ狩りできるようになってから好きなジョブをプレイするといいですよ」なんていうハイエルフどもの狂った甘言にだまされて青魔道士を選んでからずっとソロひとすじ、マスターへ到達したのは休止も含めて苦節8年目のことであった。自分を育ててくれた青魔法への恩返しとして思いついたのは、一日7匹のうなぎに向けた感謝のシャンデュシニュだった。そしてある日、異変に気づく。うなぎをたおしても、まだマイティガードが切れていない! あのね、ふつうにプレイしてたら気がつけばマスターになってますよ、みたいにイモータルどもは言うけど、ぜったいに信じたらアカンからね。きゃつらのふつうって「365日休まずログインして、毎日最低3時間はプレイして、そのうち半分は金策、半分は戦闘に1秒の無駄もなく費やすこと。できればこれらを複アカで行うことが望ましい」だからね。アタシなんかログインしたりしなかったり、ログインしても10分でログアウトしたりで、今回の復帰でマスターになるまでに、足かけ3年ぐらいかかってるからね。生涯年収4億円以上の老人がバリバリの生存者バイアスで「人生は照る日曇る日あるけど、あっという間だよ。いまは苦しいのを楽しみなさい。それをなつかしく思う日がきっと来る」みたくウエメセで生涯年収1億円以下の若者に言うときの感覚と同じだから、純朴な新人のキミはぜったいに「そっかー、暗黒すきだけど、青からそだてるかー」なんて思っちゃダメ! アタシはそれで3年を棒にふったの! 心にしたがいなさい! 暗黒騎士をそだてなさい(「お父さんを喜ばせなさい!!!!!!」の作画で)!

 ここ数日はログインして、暗い森に複アカ立たせて範囲狩りして、ポイントがカンストしたらうなぎ狩りに行って、何匹かうなぎ倒したらまた暗い森に帰って……を繰り返してて、間違いなくカネは増えるし、ジリジリとだけど確実に複アカも強くなっていくの。でもこれ、本当に何の工夫もクリエイティブもいらない、感情にさざなみのひとつも立たない、まごうことなき作業なのよ。いまさらカネをかせいでイドリスを手に入れたところで、スタートから2時間経過してから先頭集団に追いつこうと走り始めるマラソンみたいなもので、母親から地上最強の生物が満足するように戦えとかムチャぶりされた13歳の格闘少年みたいな気分になってくる。5年前にアルマス作ったときも、鬱の身には心を消せる逃げ場だったろうけど、こうやってファンタジー世界がリアルの仕事と同じになってやめたのかもしれないな。ハハハ、まさにファイナル・ファンタジーというわけさ……ドヤッ!

ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

映画「ジョジョ・ラビット」感想

 ナチスとヒトラーをあつかった先行作品はすでに山ほど存在しており、それぞれがデリケートな題材に対して何か特別な視点や切り口を与えようと苦慮していた。ひるがえって本作はと言えば新しいアイデアは皆無であり、この題材に改めて挑戦した意義を感じることはできなかった。昔からの監督のファンだったりとか、スター・ウォーズ周辺の噂が気になる向きでなければ、ナチス政権下の市井を知るためにわざわざこの作品を選ぶ必要はないだろう。スーパーマリオのような天地人の横から構図、オブリビオンのごときバストアップを交互に切り返す会話、そして鮮やかな(ときにドぎつい)色づかい、この3つがかろうじて監督の持ち味と呼べるもので、脚本にいたっては映画業界を目指す少し意識の高い学生が書きそうな中身で小賢しさにあふれており、同テーマの作品群に比べてもひどく薄味である。オープニングがビートルズ・ナンバーで、私などのオールド・ファンはゲット・バックとか同バンドの楽曲を展開にからめるのではないかと一瞬だけ期待させられたが、ヒトラーへの熱狂をビートルズへのそれと重ねあわせて、サラリと大衆批判を行うための小道具に終わっていた。これは一例に過ぎず、指摘しだすとキリがないが、全編にわたって底の浅い意図によるしゃらくさい演出に満ちあふれているのである。監督自身が演じているイマジナリー・フレンドのアドルフもあとからとってつけた感が強くストーリーから浮いていて、狂言回しにすらなっていない。あと、アベンジャーズ女優から脱却したいスカーレット・ヨハンソンの、演技派をねらったわざとらしい演技もひどく鼻につく。暖炉の炭を顔に塗って出征中の父親のふりをする場面なんて、痛々しくて画面を正視できなかったほどだ。ただ、ふだんまったく映画を見ないようなライト層や、アメリとか好きな頭の弱い女子がベタ褒めしそうな雰囲気だけは漂っていると思いました(もちろん、アメリは傑作ですよ)。しかしながら、この作品に本当に必要だったのはそんなファッション感ではなく、ファッショ感だったのではないでしょうか……ドヤッ!

 え、タイカ・ワイティティ、スター・ウォーズ新シリーズの監督に決まったの? すいません、ライアン・ジョンソンのときと同じく、私にはもうすでに惨劇の未来しか見えません。そして、デ銭の好む監督像も明らかになってきたように思います。絵作りは個性的だけど作家性は薄く、いくらでも後から味付けを変更させてくれる人物です。脚本にクチバシをつっこんでも絵作りに触らなければ文句いわなそうな本作の監督がまさにそれ。どんなにヘタクソでもイビツでも、他者によるわずかの改変をも絶対的に拒絶するのが作家性で、ハゲの御大とかカントク(Cunt-Q)とか、目の前で自分の作品を「正しく」修正なんかされようものなら、即座に全力で殺しにいくという確信があります。ジョージ・ルーカスもまさにそれ。

ゲーム「FF11の思い出」その6

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5

 みんなイヤがってるみたいだから、FF11の話、手短にするね。復帰から一ヶ月半が過ぎて、ログインしてドメイン行ったら即ログアウトみたいな、プレイオンラインの表示時間のほうがむしろ長いような日々になってて、これ5年前と同じで、いよいよ引退へのカウントダウンが始まってんの。んで、もう心残りの無いようにしようって、やったことのないバストゥーク出身のガルカでたぶん最後の、「最初から」プレイを始めたのね。バストゥークのストーリーって他の二国と違って、「産業革命後における労働者階級の形成および被差別部落の誕生」みたいなファンタジーとはほど遠い内容で、特にガルカでプレイしてると鬱々としてくんの。そういえば直近のアップデートで、業者対策のためにエミネンスとかのポイント交換へ週あたりの上限が設けられたのね。どんな騒ぎになってるか興味半分でネ・ジツをのぞいたら、複アカの業者がエスカ・ジ・タからいなくなった話してて、「あいつら、本当にガルカ好きだよな(笑)」とかいつもみたくウエメセ(上から目線の略称)でバカにしてんのよ。わたしそれ見て、すっごく悲しくなったわけ。じっさい、ギル販売業者と思われるキャラのガルカ率はとてもとても高い(FF11語)んだけど、なぜかっていうとゲーム内のガルカはヴァナ・ディールにおける被差別民だからなの。いまRMT(リアル・マネー・トレードの略称)のサイトを検索してみたら、1億ギルが8〜9千円ぐらいで販売されてんだけど、複アカを駆使して最大限効率を高めたところで、本邦に住んでるだれかにとってはコンビニバイト以下にしかならなくて、時給で考えてもとうてい割にあう金額になってないわけ。つまりこれが意味するのは、ギル販売は円でもドルでもない通貨の国の住人が、先進国のバックドアからカネをかすめとるためにやってるんだろうなってことなの。貧しい彼らにとってガルカは虐げられる側の象徴で、RMTという行為自体に先進諸国に対する一種の反逆や、義賊的行為としてのメッセージが込められているように思えるのね。そうやって18年が経過して、ガルカという存在はいまやゲーム内の設定を越えて、現実世界の南北問題(経済の搾取構造)とさえリンクしていると考えると、バランスの悪い体躯に短すぎる爬虫類の尻尾とか、歩幅が大きいからタルタルとくらべるとスローモーションにしか見えない移動の様子とか、かつては欠点にしか思えなかったものが、とてもとても味わい深く感じられてきて、自分のキャラの広い背中を眺めているだけで、なんだか涙が出てきちゃった。流行り言葉にのっかれば、ガルカ・ライブズ・マターって感じ? 涙が出たといえば、最近のFF11のオトモはベター・コール・ソウル(ブレイキング・バッドのスピンオフ作品)なんだけど、弁護士で白人の主人公が自分の味方だと思っていた実の兄から「サモア大みたいな三流私立のオンライン教育で取った弁護士資格なんか認められると思うのか。おまえは俺と対等じゃない」みたいな罵りーーしかも兄はその思いをずっと弟に隠してて、問いつめたら感情とともに思わず、といった感じで吐き出された本心なのーーを受ける場面があって、「ヒュムなのに、同じヒュムどうしなのに!」って、ヴァナ・ディールと感情が混線して、号泣しちゃった。天は人の上に人を作らないけど、人が人の下に人を作ろうとする。

 『(ガルカ詩人の歌声で)たかいたかいヤシのき、おおきなおおきなヤシのみ、サモアのしま、たのしいしまよ』

ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

ゲーム「FF11の思い出」その5

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4

 よーうの、とぅばーさをー、きぃさくたぁーめぇーにー、ぎーんの、つうーぎをー、ふううのだー(シャンデュシニュのエフェクト)。あーさにー、なーれーばー、きえーうわーたーしー。ラ、ラ、ラ・テーヌ、ラ・テーヌのほしー。

 この18年で1万人くらいのプレイヤーが思いついて口にしなかっただろうネタを、令和の御代に臆面もなくエス・エヌ・エスへ投下するこの蛮勇! てか、オメーの滑舌、チャチャルンみてーだな(どき)! かつて廃人にあこがれた、いちプレイヤーであるッ!

 FF11って、いまだに一ヶ月に一回バージョンアップがあんの。でもメジャーな更新はもうしないよって2016年に宣言されててサイゼリヤの間違い探しぐらいしか変わらないんだけど、一ヶ月ですっかり底をついたアンバスのポインヨ報酬品が補充されるのよ。過激化したデモ隊の襲撃ですべての棚がカラになった食料品店に、食材を満載したトラックが横付けしてくるイメージで、暴徒たちはまだ店内に残ってエモノをベロでなめまわしてんの。元から悪いミスラと善から悪に染まったタルタル(出典:Wizardry)でかかれーっつって、トラックの運転席から降りかかってる首無し騎士と四足獣にモヤモヤした鉄パイプと貧相な棒でなぐりかかんだけど、なんか機関銃みたいな明らかに過剰防衛の反撃で6000くらいダメージくらってミンチにされて、デーン・デ・デーンとか死の音楽が流れんの。ダメージを受けると立ち上がっちまうんだナア、いつだってスタンド・アンド・ファイトとか言いながら、ちぎれかけた長いベロで何度も何度もデュラハン(ジャック兄さん)とウマ(渋川先生)にいどみかかんだけど、いっこ勝てないわけ。んで、先月までのオーク(末堂)は賭場の胴元が上客をコロす前にわざと大勝させて逃げられなくするためのワナだってわかったの。かーっ、すっかりだまされたわー、今月2キャラとも課金しちまったわー、アンバスでポインヨかせげないならもうやることぜんぜんねーわー、カネはもったいないけどいよいよ引退かー?なんて花の慶次の主馬様みたいなアザ(ウマに蹴られたので)をつけたミスラとタルタルのふたりで四畳半にねそべって親指で互いの鼻の穴おっぴろげてたら、ネ・ジツ方面の湿ったゲジゲジどもが、マリグナス装備は最強に強まっていてソロでも取れるしディ・モールト・ベネ(JOJO語)とかささやきあっているのが耳に入っちゃうわけ。しょーがねーなー、べつにあんたに言われたからじゃないんだからねっ!とかツンデレごっこしながら、北サンドリアにヘブン状態のビジュアルでワープして、当該のバトルフィールドに入るためのファントムクォーツを交換しようとしたら、どうしてかリストにないわけ。おっかしーなー、初期不良のオススメつかまされたかー?とか言いながらポプテピピックみたいに四角社を心の中で爆破していたら、なんかアルタナミッションをクリアしていないことに気づくわけ。なのにストーリーはなんとなく覚えてて、なんでかなー、ゲーム動画見る趣味はねーしなーっつって四畳半をぐるぐる半時計回りにまわって過去へと遡行してたら、それが75時代のヒゲナイトの記憶だって気づいたの。かーっ、転生前のヒュムの記憶を思い出したミスラってかー、ぼく地球(ぼくたま)みたいでオレかっけーなーとか言いながら2周目無双(主にレベルが理由)のアルタナミッションが始まるんだけど、過去の地形をデザイン(現存在)したヤツは最大限ひかえめに言ってもブッ殺してやりたいDEATH(英語)。現代の地形を熟知していればいるほど迷うようになっていて、まるで北斗神拳継承者は北斗七星の動きをなぞるのではないかってゆう、まったく根拠の感じられない仮説に基づいて石柱を立てたらめっちゃぶつかってくれてラッキーみたいな感じ(この例え何度目だ)で、あちこちおつかいしなけりゃならないもんだから、もう終始イッライラさせられんの。マウントありでもこのムカつきなんだから敵にからまれまくりながら徒歩で移動するしかなかった75時代に、ただプレイヤーの足止めだけに特化したこの仕様にゴーを出すジャッジ感覚はキチガイじみてて逆にすげーわ。これがアドゥリンまで行くと、ケイザックなんか風来のシレンを3Dにしたみたいで冒険感もクソもなくなって、怒りもわかない乾いた笑いしか出なくなってくるんだけど。でもハーフエルフーーおっと御時世的に政治的に正しく言いなおすでござるーーダブルエルフ(ノット・ピース)設定のリリゼットが表情から仕草から言動からめちゃくちゃかわいくて、いつのまにか我々の旅は推しウーマンーーおっと政治的に正しく言いなおすのでござった御時世的にーー推し月経のある人間ことリリゼットたんの追っかけとなって過去ヴァナを巡るストーカー・チック(症状)な全国ツアーと化したのであった。三国クエストとミッションと地形(地形)が複雑にからみあって(特に地形)て、ぜんッぜんストーリーは進まないんだけどネ☆(ウインクしながらピースサインを目の横に当てるポーズ)。

 話かわるけど、いまのオススメってニ・チャンそっくりになってて、二十年近くいすわってる牢名主みたいのがゴロゴロしてて、既得権益のカタマリみたいになってんの。半年ロムってろならぬ半年ソロってろが当たり前の世界で、ふつうゲームなんて1、2週間ほど遊んだり遊ばなかったりでクリアできるようなもんだけど、18年物のオススメはその発酵ぶりから質量が莫大になってて、アオりではなく言葉通り半年毎日ログインして遊ばないとわかってこないことも多いわけ。オススメって究極のところ装備集めゲーなんだけど、牢名主どもは自分の装備を賛美する新規は欲しいけど、自分を脅かす強さは手に入れさせたくないのね。きゃつらはまずアビセアのレベルキャップ解放でなんかピンクの寝巻きみたいのに過去装備群を半壊させられ、次にアドゥリンのアイ・エル装備で過去装備群を全壊させられてんの。そのファースト・インパクト(大質量隕石による恐竜の絶滅)とセカンド・インパクト(大質量隕石をよそおった使徒による人類の半壊)を生き残ったきゃつらは深海魚のような猜疑心のカタマリで、いつだってまた膨大な時間の投入によって築き上げた己の地位が失われないかビクビクしてんのよ。だから無償で新人を助けることをひどく嫌っているわけ。きゃつらの名言のひとつに「せっかく新人を助けても、半年もたたずにいなくなる」ってのがあんだけど、不死の者と定命の者がすれちがう感じがすごくよくあらわれてるファンタジックで味わい深い言葉よね。エルフにとっての100年は人間のスケールで言えば半年にも満たない時間である、みたいな。ゲームには定年による引退はないから、たぶんサ終(サービス終了の略称)まで既得権益に我利我利でしがみつき続ける感じで、それが新規参入を嫌う典型的な先細りの業界と同じ構造になってんのよ。業界の衰退が権益の消滅とイコールだとわかってても、近視眼的な月経の無い人間(男女とも)にはその気づきを行動に移すことは難しいのね。最近いちばんショックだったのはイーストちゃんがおれもあと30年ぐらいで死ぬから世界を変えることは正直どうでもよくなってきたみたいな発言をしてたことなんだけど、その感じはどれだけ否定したところで自分にも出てきてて、オススメをプレイしていてときどきたまらなくイヤになるのは、そういった寿命に由来する逃げきりの諦念みたいなのをかいま見る瞬間なのね。でもまだアカウントを停止せずにいるのは、そしてだれが読むでもないテキストをこうやって書き残しているのは、今回ここを離れたら次にヴァナ・ディールへ気持ちが向いたとき、もう戻る場所はないんだろうなっていう確信めいた予感があるからなの。翌年にはダムの底へ沈むことが決まっている村の盛夏を、最後にそぞろ歩く年老いた住人のうちのひとりが、たぶんわたしなんだと思う。

ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

ゲーム「FF11の思い出」その4

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3

 複・アカ(垢)作って、廃人スワンプ(沼)につま先だけちょいとつけた話の続きするね! ファースト・ジョブのレベル99まではキラキラした目で世界中を巡りながら、ヴァナ・ディールの星唄と複数のミッションを並行して進めてストーリーや世界観もタンノウして、すごい楽しかったのね。結局、旧エリアだけでカンストまで上げきった形なんだけど、いまのオススメってそっから先は武器・防具に設定されたレベルの平均がキャラの強さになる仕組みなのね。経験値カンストしてからたまってたポインヨでエミネンス装備とかゆうのを交換したら、ステータス全般がガガッと底上げされてとつぜん2倍ほど強くなんの、死にかけた戦闘民族がマメ食ったみたいに。んで、モーグリみたいにくるくるまわりながら、あざとかわつよい装備をうっとりとながめてたら、メインキャラのミスラが悪い顔して背後に立ってて、おまえもそろそろ経験しとかなアカン、なあに、枕に顔うずめてたらすぐに終わるさかいになっつって、アンバスとかゆうイケナイ遊びに誘ってくるわけ。そんでミスラが長いベロ出しながらオークどもをなます切りしてるかたわらで枕に顔をうめてブルブルふるえてたら、何もしてないのに半日ほどでネバネバしたポインヨがタップリとたまってんの。言われるままに交換した景品を薄暗い窓口に持ってったら、いつのまにか準最終装備がひとそろいカバンに入ってて、何の脈絡もなくまた2倍ほど強くなんの。いっこめのアカウントはエミネンス装備からアホみたいに時間かけてジリジリと装備を更新してくんだけど、にこめのアカウントではその膨大な労力をあっちゅーまにショートカットできるってわけ。もちろんマグロみたいに寝ころがってるだけなので、戦闘や魔法や床上手のスキルはいっさい身についてないから、低偏差値のガッコウから推薦でワセダ入ったセイガクみたいな状態なんだけど、事情を知らない周囲からは違いなんかわかんないわけ。2キャラいれば単純に報酬とかポインヨを1回につき倍もらえるし、世に複・アカ業者のタネはつきまじって気持ちにさせられたわ。んで、そのアンバス三店方式(ポイント入手、チケット取得、アイテム交換)でゲットした準最終装備をさらに更新していこうとすると、72時間キングベヒんもスにはりつくより毎日すこしだけーーすこしだけど必ず毎日ーーログインするのが最適解になんの。リアルの時間と社会性を生贄に捧げれば捧げるほど強くなれたあの頃の、侮蔑と嫉妬と尊敬の入り混じった廃人たちへの玄妙きわまる感情はもう遠い過去の話になってて、いまはあんな破天荒のキチガイどもじゃなくて、真面目なサラリーマン・タイプの冒険者たちが淡々と先頭集団を走ってんの。ゲームなのにエクセルとかでいろいろキチンと管理して、リアルでも間違いなく仕事できるのが伝わってくる連中なわけよ。パーティでの動きが悪くても昔みたいに名指しで面罵されたあげくネットにさらされることもなくなって、たがいに裏テルぐらいはしてるかもしれないけど、ただ次からはブラックリストで回覧されて参加を断られるようになるだけ。ほんと、現実のサラリーマン社会とソックリで胸くそ悪くなってきたんで話もどすけど、ログインしてポインヨもらって庭いじりして、ゴブ箱は45日しばり(業者のせい)で開けられず、メインキャラの引率でドメインいってアンバスいってオーメンいけない……みたいにルーチンで順にこなしてくと30分~1時間ぐらいでヒマになんのよね。なんじゃこりゃー、複アカにしてもやることぜんぜん変わっとらんやないかーい、いよいよもう引退なのかー?なんて西日さす四畳半でタルタルとふたり寝そべりながらオッ立てた中指で鼻ほじってたら、窓(windows)から薄暗いエスカ・ジ・タの空がのぞいているのが目に入ったわけ。説明しとくと、最終ミッションで導入されたエリアで、ぶっちゃけここだけでレベル99まで上げられちゃうお手軽でチョベリグ(超・ベリー・グッドの略称)なスポットなの。もうやることねーし、世界観をゆったり楽しむより効率最優先のセカセカしたゲジゲジどものジメジメのすみかで、タルタルのデコスケ野郎の別ジョブ上げて、ケアルタンクなデジョン肉奴隷にでも調教すっか!よーし、お父さん一度も恩恵を受けたことのない(ぼっちなので)パワーレベリングしちゃうぞー!なーんてはりきりながら、二人は一路クフィム島へと向かったのだった。目からハイライトの消えたタルタルのセクハラ野郎が顔面をケツにつっこむ勢いで密着尾行(/follow)してくる中で、時空のワレメちゃんにグリグリ太いのをねじこんだら、そこがもうエスカ・ジ・タなわけ。陰気な音楽の流れ続ける灰色の世界なんだけど、あらゆるレベル帯の敵がせまいエリアに三密(身密、口密、意密)状態になっててリポップもはやくて、レベル上げには最適なのね。5年ほど前、見ようみまねでサブダックションの範囲狩りにトライして、ドラゴンは倒せたけどヘンな鳥みたいのが倒せなくて床ペロ(死を卑小化するファミコン世代の妄語)して以来の来訪で、1,800日前の反省をふまえてあらかじめやり方を調べたら、なにサブダックションなんか使ってんだよ、テネブラルクラッシュ一択だろうがよ、このミスラのソロリティ野郎とかぬかすので、あまりワタクシを怒らせないほうがよろしいですわよって巻き毛ですごんだら黙った。んで、(たしかこうだったな……)とか転生前の勇者時代の最強ワザの出し方をさぐるみたいに手順をふんでくわけ。ぜんぶ黒目になった低レベルのチビスケを離れた場所に立たせて、魔法攻撃用の装備にクネクネ・チカチカ着替えて、金剛身とオカルテーションかけて、軽くジョグしながら敵にからまれて大リンクつくって、あるていど集まったら夢想花で眠らせて、最後にテネブラルクラッシュ……(だったか?)。そしたら、レトロなエヘクトとともに数十匹の敵へ10,000を優に超えるダメージがそれぞれ通って、瞬時にビャーッとログが流れてレベルアップのファンファーレが多重に聞こえるぐらいタルタルのパラサイト野郎のレベルが一気に上がったの。窓(windows)の外から両手を前に交差するミスラの詠唱フォロースルーをながめながらアタマに浮かんだのは「あれ、またオレなんかやっちゃいました?」ではなく、グラップラー刃牙でジャックハンマーのドーピングを手伝った博士が見開きでアタマを拳銃でうちぬいて自殺する場面の「ジャック……君は強くなりすぎた」ってセリフ。でもなんで死んだのか感情の動きがよくわかんないよね、あれ。んで、ミスラがもの憂げにタバコ吸いながら「比丘たちよ、意思が業である、と私は説く」とか言ってログアウトしていって、残されたタルタルが敵にからまれてプリケツさらす(死を戯画化する漫画的ビジュアルを強調した表現)の。そしたらレベルダウンの文字が画面に表示されて、アイスボーンの約束の地のレベルダウンに感じた既視感の正体はこれだったのかー、などと思わぬ疑問が氷解したのが全国の女子高生のみなさんに送る今週のビックリ・ドッキリ・クライマックス。

ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

ゲーム「FF11の思い出」その3

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2

/shout トレインー! 逃げてー!
(真昼の陽光に白く輝く砂丘の向こうから、砂埃をあげながら怒涛の勢いで長文が迫ってくる)

 またFF11の話するね! ツッタイーじゃ反応ぜんぜんないけど、ノトーだとけっこう見られてるみたいなのでその下書きと思って、この世の95%はまともなのに残りの5%にあえてフォーカスする貴様らへ向けてわたしの熱いほとばしりを垂れ流すね! 最近のFF11はスマホゲーみたくログインボーナスを導入してて、毎日もらえるポインヨとかをためていくとソロでも最終に近い武器とか防具をもらえたりすんの。まあ、それでも下手すると半年単位のログインを求められんだけど、75時代の一日30時間HNM(ハイレベル・ノートリアスモンスターの略称)ポップ待ちという矛盾ッ!よりずいぶんマシな仕組みになったと言えるよね。だから、ログインしてポインヨもらって庭いじりして、ゴブ箱ポインヨであけてSPキーであけて、ドメインいってアンバスいってオデシーいかない……みたいにルーチンで順にこなしてくと30分~1時間ぐらいでヒマになんのよね、ホラ、ぼっちだから、おれ。FF11熱は高まってんのにあんまやることねーなー、とか言いながら小指で鼻ほじってたら、四畳半のすみでホコリかぶってるパソコンが目に入ったのね。そういやウインドーズ(Windose)?セブンが使えなくなるっつって、去年テン入りを買わされてパソコン一台あまってたんだったわ、よっしゃ、新キャラ作って10年ぐらいやろうと思ってた複アカ(垢)・プレイすっか、わーい、これでおれも所持アカウントのプレイ日数を足すと新生児が小学生になるぐらいの時間が経過していた廃人どもの仲間入りだーっつって、意気揚々とセブン入りのパソコンにオススメをインストールすんだけど、いざログインする段になったら、口のはしからヨダレたらしてペットボトルに排尿するような未来を幻視してすっかりブルッちまって、とりあえずフリートライアルでカンベンしてやっか!あとから有料アカウントへの切り替えもできるんですねすごい、それほどでもないっつってキャラメイク始めるわけよ。そしたらさ、まず名前がぜんぜん通らない。説明しとくと、オススメはキャラ名がそのままキャラIDになってて、同じサーバー内には同じ名前が存在できない仕組みになってんの。18年物の臭いたつオススメは休眠キャラも含めて有名どころ(KURAUDOなんて絶対にとれない。たぶん同名のアカウントは高額で闇取引されてる)はほとんど使われていて、名前を考えて順に通らないか試していくだけで半日ぐらいかかって、さすがオススメ思わぬところで貴重な時間を盗んでいくわーなんてボヤきながら、なんとかホビット族をキャラ登録までこぎつけるわけよ。視点が低いから酔うっていう理由でタルタル使ったことなかったから薄目のロンパリでおそるおそる歩き出すんだけど、この18年(こわ)のあいだに数々の3DゲームとPSVRによってわたしの三半規管はギンギンにきたえられてたことがわかるわけ。わーい、どれだけ地面スレスレをカメラがなめてもシラフのままだーっつって、そのままはだかで野外へとびだしてって同じサイズのウサギに胴まわしげりくらって床ペロ(死をエンタメ化するスラング)するわけよ。やっぱはだかはユニフォームじゃないかーっつって、ケツをプリプリしながらタルタルのあざとかわいい装備を身につけて、レベル上げしながら本国ミッションを進めてくの。新しい土地へエリチェンするたびに拡張版?のミッションが次々と始まってたいそう混乱させられるんだけど、さすがに本筋のストーリーはすごい面白いわけ。あと固有名詞がばつ牛ン(タイプミス、抜群の意)にすばらしくって、特にシャクラミとかフェ・インとか初期のネーミングはトールキン・レベルの世界構築だなって思うわけよ。余談だけど後期になるほどくすんできて、ケイザックとかモリマーとかぜんぜんあかんやん、どうしたんってなる。ちなみに直前までの文章を強制的に名詞化する「〜ってなる」「〜ってなった」語法が死ぬほど嫌いで、いま人生ではじめて使ってみてサブイボが止まらなくなり、こんなぞんざいな日本語を使うと思われたら私の名誉に関わるので、あくまでネタでやってることを文脈無視して注記せねばってなった。おまえにこのくらいのワクワク名詞ぢからがあれば十年前の同人誌ももっと売れたのにのう、なんてコ・ノムさんばりにボヤきながら、三日ほどの気楽なソロプレイだけでレベル40くらい(昔はギスギス・パーティプレイだけで三ヶ月以上かかった)になって、ラスボスのジュノ大公(バレ)に魔晶石を奪ってこいっつわれて獣人の本拠地をみっつ順にまわるんだけど、そのうちのひとつベドーに向かうことにしたのね。カメ人間のたくさんいるとこで、地上が段差で上下に分かれてて地下もあって、おまけに呪いの石まであちこちに置いてあんの。下調べの段階で、けっこうややこしいなー、すごい迷いそうだなー、腐ってもオススメだからなー、やっぱ5時間くらいみといたほうがいいのかなー、家人も実家に帰しとくかー?なんてビビッてたら、いざ現地に到着するとなんか景色を覚えてる。記憶のまま地図も見ずに歩いてったら、目的地の大伽藍の手前まですんなりたどりついちゃったの。おっかしーなー、なんでかなーって考えてたら、近くのカメの名前見たとたん、まるで現実みたいにパーッと記憶がよみがえってきてビックリした。このエメラルド・クダフってのをたおすと、再ポップのときに抽選でノートリアスモンスターが出ることがあんの。たしか、ガブー・アンバンキッシュトみたいな名前だったかな。もう15年以上(こわ)前だと思うけど、そのときはネコの青魔じゃなくてヒゲのナイトだったんだけど、ぐうぜん通りかかってそいつをソロで倒したら、バルキリーマスクってのを落としたわけ。オークションハウスで売ったら40万ギルぐらいになって、これがおれの金策だっつって数週間?数ヶ月?ぐらいベドーにこもってた時期があったことを思い出したんだわ。あの頃はみんなギッスギスしてて、まさに生き馬の目を抜くヴァナ・ディールって感じで、だれも金策の手段を他人に教えたりなんかしないの。有名どころのノートリアスモンスターにはアイドルの出待ちよろしく、つねに何人かが24時間体制で張りついているのに、このガブーのところには奇跡的に誰もいなかったの。それからベドーに通うようになって、それこそ現地ログアウト現地ログインする勢いでさ、バルキリーマスクのドロップ率は正直よくなかったけど、自分しか知らない金策ができたのがうれしかったのね。ところがある日、シナ(China)だか北米だかのプレイヤーがこつぜんと現れて、ガブーんとこに張りつくようになったのよ。たぶん、競売の履歴から名前で検索して、場所を割り出したんじゃないかと思う。そっからはポップの瞬間、どっちが早くタッチして赤ネームにできるかという熾烈な奪いあいがはじまるわけ。いまはぜんぶ南半球の発展途上国の、英語も日本語もわからない複アカの業者ばっかで風情もなにもないけど、あの頃は一人ひとりちゃんと中の人がいたのよね。とってもとられてもカタコトの英語でののしりあってさ、ファックオフ・サノバビッチ、ピスオフ・ユー・マザーファッカーみたいに。そのくせ戦闘が終わったら「出たか」「いや、出ない」「そうか、次のが持ってるな」みたいなやりとりして。そいつのキャラ名も忘れてて、いま生きてんのかもわからないけど、良きライバルっつーか、敵の将軍こそが味方の文官よりもこの前線でいちばん自分の考えていることを理解している、みたいな奇妙な連帯感があったなー。いないとホッとすると同時に心配したり、いるとムカつくと同時に安心したりさ。

 うへ、なつかしさと喪失感に涙がこぼれそうになってきたのであわてて話かえるけど、今回の再プレイでよかったのは、限界突破クエストがすごい面白いのがわかったことかな。新キャラはレベル50以降、5刻みでクエスト受けてキャップを外さないとレベルが上がらなくなる仕組みなのね。いったんキャップ外すとジョブ変えても適用されて、レベル99になれば旧エリアはどこ歩いても格下の敵ばっかになって、ワープ開通による移動の大幅緩和(昔は1時間半かけて歩いていったあの狩場にも5秒で到着、イメージはスター・トレックの転送。飛空挺の待ち時間で釣りしたりとかはもうだれもしてない)もあいまって、気分はパックツアーで行く海外の有名観光地巡りなわけ。でも、限界突破クエストには当時のバランスが残ってて、自分よりもかなり格上のモンスターばかりいる獣人本拠地に潜入させられたりするわけ。姿や足音を消す魔法を使ってヒリヒリしながら獣人たちの横をすり抜けていくんだけど、ときどき魔法を見破るヤツもいて、いったん見つかると周囲の獣人がいっせいに襲いかかってきて、あっというまに殺されちゃう。この緊張感を例えるなら、夜のヨハネスブルクで一杯ひっかけてこいと命じられた日本人バックパッカー(大学生)って感じ。そういう状況もあいまって、当時は奥修道とか大伽藍とか祭壇の間とかに行くのは本当に怖かったし、ある種の神秘性さえ湛えた場所になっていたように思う。アイテムレベル119の装備で全身を固めて、敵集団の大リンクのド真ん中に無傷でボッ立ちしたまま、「お前アルマスでボコるわ・・」とか言いながらカメの王を一瞬でカカッとなで切りにするオレツエエ・プレイでは体験できないものへひさしぶりに触れることができて、うれしかったなー。天外2のこと何度も引き合いに出すけど、ゲームという作りごとに実在感をまとわせるのは、グラフィックの精細さがどうこうじゃなくて、数値をいかにデザインするかに尽きると痛感させられたね。

 え、フリートライアルはレベル50までで限界突破クエストはありませんよ、だって? ハハハ、そこに気づいてしまったか。じつはフリートライアルでレベル50まで上げて、エフジーオーのテキストにはアホみたいに課金してるくせに、ザルカバードとかオンゾゾのネーミングというハイ・クリエイティブに一銭も入れてないのぜったいおかしーわってなって、結局2コめのダウンロード版を買ったのね。オススメをプレイするには、プレイオンラインIDとプレイオンラインパスワードとスクエア・エニックスIDとスクエア・エニックスパスワードとワンタイムパスワードとプロダクトキーの6つを遺漏なく準備した上で、それぞれ16桁くらいあんだけどOと0の違いなどをしっかり判別しながら1コも間違えず入力する必要があるのね、だいたい100文字ぐらい。なに言ってんのかわかんないと思うけど。んで、フリートライアルのプレイオンラインIDとプロダクトキーをひもづけようとすんだけど、うまくいかないの。1時間くらいいろいろ試すんだけど、ぜんぜんダメ。使ってるIDが違うのか、組み合わせが違うのか、そもそも入力ミスなのか、原因も特定できないわけ。そしたら入力ウィンドウの欄外にちっさい字でなんかユーではじまるIDがあれば入れろとか書いてある。これかーっつって、メールで送られてきたユーからはじまる文字列入れたら、フリートライアルと関係ないまっさらのプレイオンラインIDとプロダクトキーがひもづいちゃったわけ。気づいたときには時すでに時間切れ、いかりや長介あたまがパー状態で、また7千円払うか30時間ぐらい捨ててイチからやり直すかの二択を迫られることになってるわけ。時給計算したらもう一回7千円払うのがはるかにいいに決まってんだけど、アラブの石油王もスーパーの買い物で生野菜の10円差に悩むみたいな状態になって、四畳半を何周もぐるぐる回ってから、イチからやりなおすことに決めたわけ。んで、気を取りなおしてキャラメイク始めたら、フリートライアルで半日かけて決めた名前が他ならぬ自分に押さえられてて通らないっていう。いやー、このオススメ、もうほんとうにだれにもオススメできないわ。

ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」