猫を起こさないように
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雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集

 カラドボルグ完成。ツイートで確認すると11月26日に作成をスタートしていたので、一ヶ月とかかっていない。だいたいの目算であらかじめ一億ギルを用意していたとはいえ、もはやFF11にかつての廃人の居場所はないのだと痛感させられた次第である。

 FF11終焉の地、醴泉島にてカラドボルグの試し切りを行う。あのカタパルトピンクパイオツさえいなければ、ひんがしリージョンはもっと豊かなものになったのになあと、ある種の寂寥感に浸りながらモヤったエンピリアンウェポンをふるう。これがまー、アホみたいに強い。過去、ジョブポかせぎでリンクしないようビクビクしながら一匹ずつ釣っていたのがウソみたいで、敵の集団へつっこんでトアクリーバーを撃ちまくるだけで延々とチェーンがつながっていく。前世がナ赤、今生が青シ風で、まともな前衛を経験するのがほぼ初めてということもあり、まるで別のゲームをしているような感覚さえあった。青シだったら通常攻撃2桁、クリティカル3桁、ウェポンスキル4桁前半だったのが、それぞれ3桁、4桁、5桁になるのだから、文字通り世界が変わる体験である。

 テレホーダイ末期の古いMMORPGなので、遊び方やシステム理解へのゲーム的誘導は絶無で、そもそもインターネットにつなぐのさえ低くないハードルがあったものだから、プレイしている層は腺病質の高学歴(たぶん理系)が大半で、当時は単純なアタッカーをどこか小馬鹿にするような感じが漂っていた。赤魔道師が「いやー、器用貧乏なんでー」とか言いながら、エン系やブリンクやHP/MP交換アビなどを駆使してソロでハイ・ノートリアスモンスターを倒して「すげー」なんて羨望を集める裏で、ただ殴ってウェポンスキルを撃つだけの脳筋ジョブは半ば公然とディス(あwんwこwくw)られていたのだった。しかしながら、今回じっさいにさわってみると暗黒騎士の強さは非常にわかりやすく際立っており、プレイヤー層のリアルでの偏りが評価の偏りに影響を与えていたのではないかと感じた次第である。

 そしてツイッターもたぶん同じことで、文章の書ける頭の回転が速い人物(腺病質の高学歴で、きっと理系)が24時間ずっと現代の社会とか政治に関する高速合意形成と大衆の教化(そして忘却)を続けており、それは実のところ世界の半分にも満たず、現実ではネットに姿を現さない低学歴の文系ヤンキーがコミュ力と物理で版図を広げ続けているのを、横目の視界に半ばとらえながら、見ないふりをしている。仮に両者が現実でエンカウントしたならば、なぐられた頬を押さえた赤魔道師が「この案件に関しゅる合意わ、とっくに済んでりゅはずひゃないでひゅか~」と訴えるのにまったくとりあわず、無言の無表情で彼の顔面へ大剣を振り下ろす暗黒騎士といった構図になるであろう。

 ともあれ、カラドボルグの試し切りを通じて、本気で世界を変えたいならば、ときに暗黒騎士であることを避けずに生きねばならないなと、気を引きしめ直した次第である。