海賊王の名を騙った事件のニュースを見る。生放送だろう番組でも作品名が出ないどころか、ほのめかしやにおわせさえない不自然なほどの箝口令に、作者の狂乱と編集部の狂奔がしのばれて、なんだか楽しくなってきました。もちろん作品に罪はありませんが、幅広いファン層の一部について、大きく解像度が上がりましたねー。
本邦の長い長い下り坂と並走してきた長期連載が、そのストーリーの最終盤において、このような現実とのリンクを生んだのは、じつに示唆的かつ皮肉なことです。新たに何も手に入らない世界において、すでに持てる者の財産を仲間たちと強奪する行為に、肯定的な文脈を与えてしまっているのですから!