猫を起こさないように
スーパーリアル麻雀
スーパーリアル麻雀

雑文「MetaQuest3 and SRMVR」(近況報告2026.9.17)

 ついに男性の欲望に敗北し、メタクエスト3購入の暴挙にいたる。PSVRのときの経験から、当初のものめずらしさが消えれば、すぐにホコリをかぶることは目に見えていたので、廉価版のSにとどめたところだけが理性的だった。あまりに市場規模が小さいため、だれもなぞらえないから勝手になぞらえるが、メタクエストとPSVRの関係は、VHSとベータのそれに酷似しているように思う。人類史上、だれも体験したことのないヴァーチャル空間の見え方のクオリティにこだわったところで、だれも体験したことがないのだから、その差なんてだれにもわかりっこないのである。そして、諸君がジリジリと言及を待っているところのスーパーリアル麻雀VRだが、平面のモニターに映しだされる2次元版とはまったくのベツモノであることを、ここに明言しておこう。

 当初、VRバージョンのみを発売しようとしながら、より広範にとどけることのできる通常モードを搭載したのは、男性の欲望に敗北しなかった会長の英断であったことを認めつつも、それは湖面にうつる月の影のようなものにすぎなかったのである。脱衣をゼロ距離でながめることではじめて、「3Dキャラに服を脱がせる」という技術の異常性と超越性が理解できたし、なにより少女たちの実在感が圧倒的に、暴力的なまでにちがう。通常モードを女子の平手うちとするなら、VRモードはマイク・タイソンの左フックと言えるだろう。狂人の世迷言と言わば言え、私はたしかに、存在するはずのない甘い吐息をほおのうぶ毛に感じ、汗のにおいと湿気を鼻腔にかいだのである。その強烈きわまる没入感を、無線によるAirPlayの不安定さになんども中断されて発狂し、いまは有線でPCと接続できる1万円もするコードの購入を真剣に考えているほどなのだ。今回のVR体験を通じて感じたのは、「挿入することはもとより、ねぶることさえかなわない女体を、ただ宝石のように愛でる」ことの、かけがえのない尊さであった。

 おそらく狩猟時代の非定住性からすりこまれたものとして、射精のたびに同一の肉の価値を漸減させる本能が男性にはあり、ポルノ・コンテンツが有限の男性に無限に売れるのも、この古い習性に由来すると分析できる。nWoでは最低の用語として、これを「ファックの一回性」と呼ぶのだが、ファックするほどに失われる魅力をファックしないことで維持するのは、さまざまなファック経験を経てきたからこそわかるファックの意味であり、文字どおり字義どおり一周まわって、ファックなしのおつきあいをとても新鮮に感じているでファック。そしていま、ヴァーチャル・リアリティ体験時に特有の酔いと頭痛と吐き気からグッタリとソファに身をよこたえながら、このテキストを書いているのだが、購入前にスペック表をながめて、「2時間しか充電がもたないなんて、欠陥商品じゃないの?」などと眉をしかめていた過去の自分を、しかってやりたい気持ちでいっぱいである。なんとなれば、2時間ぶッつづけのVRプレイに耐えられる脳を持つ人類はいないし、なんならバッテリーの持ちは30分で充分すぎるし、廉価版にしておいてほんとうによかったです(ガクリと首を落とす)。

ゲーム「スーパーリアル麻雀VR」感想

 あのスーパーリアル麻雀が、昭和時代の無法な”脱衣麻雀”の頂点が、令和の御代にまさかの完全復活。動揺のあまり、ヴァーチャル・リアリティのトゥー・アーリー・アダプターなので、初代PSVRしか持ってないのにVR同梱版をなぜか購入して、気がつけば通常モードで全実績を解除してしまっていた。本シリーズは、そのタイトルからの連想を完全にうらぎった、麻雀とは名ばかりの特殊な遊戯になっていて、食いタンだろうが役満だろうが脱ぐのは1枚なことにくわえ、わずか千点持ちスタートのブットビありなため、闘牌スタイルはノーマーク爆牌党ふうに言うなら、「これはもうただの……絵あわせ」へと収束していくのだが、「ほぼ未成年の女子が、恥じらいながら脱ぐ」という一点において、あらゆる年齢層の男子を性欲まっさかりな中高生のサルに変貌させる、暴力的なまでの訴求力を持つ。コンプライアンス「無視」、コンプラ強度「昭和(弱)」でプレイをはじめたところ、CHiKuBiがそのまんま表示されるわ、CHiKuBiをつついたとき専用のセリフがあるわ、親の帰宅などによる原作のすんどめを越えてPaNTiを脱ぎだすわ、「ほんとうに審査とおってるの? コンプラの強いバージョンだけ提出して、steam社をだまくらかしてない?」と心配になるくらい、みごとに最後までスッポンポンになる(あとだしの販売停止を否定できないありさまなので、気になる向きは早めの購入をオススメする)。

 プレイ中の心理状態は、ペーソスあふれる脳内のヤクザ・アバターが、「ドぎつい洋ピンの無修正や、海外サイトの違法動画や、エロいもんはあらかた見てきたけど、こんな本番もない半脱ぎの裸がいちばんエロい」「エロってのは、いったいなんだろうな」「もう、脱がすしかなくなっちゃったよ」などのネットミームもどきを、ガンギまった目でずっとブツブツつぶやきつづけるぐらいのキモさであった。廃れてから30年は経とうかという”脱衣麻雀”というジャンルは、いまよりはるかに性に奔放だった時代において、ソープランドにもストリップシアターにもキャバレークラブにもブルセラショップにも行く勇気のない、学校にも会社にもなじめず、ゲーセンぐらいしか居場所がない弱者男性による、エロゲーと同様のいじましい代償行為であったことは、ある種の歴史証言として残しておかねばなるまい。個人的な話をさせていただければ、なにも知らない少年の思春期を直撃し、魂の精通をむかえさせたP3こそが唯一無二のレジェンドであり、我が心の貞操は芹沢香澄にささげられているといっても過言ではないだろう。そして、2本目の貞操(なんじゃ、そりゃ)はP4の愛菜にささげられている益荒男にとって、本作がP5ベースなのを残念に思いつつも、少女へ向けた純粋な愛情に不寛容なメリケン運用のsteamが販売ベースであるからして、仕方のない判断だったのかもしれぬと、納得できる部分もなくはないのである。開発者インタビューに目をとおすと、まさに「就職氷河期のサバイバーが組織内で実権をにぎり、”最後のお勤め”を逃げきるだけの段階となって、いよいよ好き勝手やりはじめる」を地で行っており、外野の無責任なオタクからは「いいぞ、もっとやれ」と、やんややんやの拍手喝采を送るばかりだ。

 本作に惜しい点があるとすれば、中華のアプリゲーなら1体10万円で40万円はキッチリ課金させるだろう美少女キャラたちに、たったの5千円ぽっちしか支払わせてくれないところであろう。もし、新キャラ追加のためのクラウド・ファンディングが開始されれば、ただちにまとまった入金をする準備はあるので、どうかこのカネあまりの非虚業従事者に、ひさしぶりの中華でも半島でもない純国産・美少女たちへ、もっと援助する(意味深)チャンスをくれまいか。全クリ後にも、まだ熱さめやらず、難易度「スーパーリアル」で4人とも再び全裸にひんむいたあげく、なおメタクエスト3の購入を真剣に考えはじめており、ビデオデッキ戦争より続く「家電の更新をうながすエロ」の偉大さに、昭和のさわやかな気風を心地よく肌で感じる今日この頃なのであった。あと、早坂晶たんの「かーちィ」「とおれーッ!」「キューティクル、きらきらー」はちいかわっぽいし、「負ける準備はできてる?」は大リーガーのヤマモロっぽいなと思った。それと、本作のBGMは場末の酒場で使いまわされた刺身のツマのような、シャバシャバと水っぽくて味のしない、まさに空間を音で埋めるためだけに作られた低品質のジャンクなのだが、耳に入ったとたん、ひもづいた過去の記憶がよみがえり、いまだ何者でもない自分が形のない焦燥感をいだきながら深夜、実家の自室でひとり呆然とテレビの前に座している様子が脳裏にフラッシュバックして、知らず涙ぐんでいた。