猫を起こさないように
惣流・アスカ・ラングレー
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アニメ「エヴァンゲリオン放送30周年記念特別興行」感想

質問:猊下におかれましてはこちら、ご覧になりましたか?ぜひご感想を拝読したく思います。

回答:動画流出の経緯について、横目にながめてはいましたが、自分で検索してまで見る気はなかったので、存在しないはずの機会をあたえてくださったことに、まずは感謝を申し上げます。情報統制への偏執狂的なこだわりから、鎮圧へやっきになるのと、それに続く対応の大失敗までをふくめて、じつにQアンノらしい、ドタバタの狂騒曲だなと思いました。つくづくエヴァというコンテンツは、新劇が後半2作でサイファイの線路を外れて私小説へと大脱線した結果、この還暦オヤジによる執拗かつ無意識の”萌え仕草”ーーあーん、ばかばかぁ、ウッカリ弊社スタッフがgoogleドライブをハッカーどもに開陳しちゃったよう(泣)! でもでもぉ、ひらめいたぞぅ、よぉし、わざわい転じて福となぁす(嬉)! 全世界のファンに無料で動画をプレゼントしちゃうぞぉ(驚)!ーーを好ましいと感じられるかどうかに、すべての評価軸をひもづけられてしまったなと、深いため息がでます。今回の特別興行を見て、まっさきに頭に浮かんだのは、1996年発売のCDに収録されていたボイスドラマ「終局の続き」で、いまだDAICONフィルムの延長線上にある”昭和の悪ノリ”を令和の御代において目の当たりにするのは、なつかしいというより、車酔いのようなめまいをともなうタイムスリップ感でした。パロディ時空で物語の本筋がないせいか、シンエヴァよりはキャラの本質を壊さず寄りそおうとする姿勢はありましたし、「甘き死よ、来たれ」のイントロにあわせた「アイノウ……」「オマエが歌うんかい!」という、浜ちゃんを彷彿とさせるベタなツッコミには、ほとんど展開がわかっていたにもかかわらず、思わずクスッと笑ってしまいました。しかしながら、テレビ版の企画書にのみ名を残す最終話タイトル「たったひとつの冴えたやりかた」という、冷蔵庫に残された最後の大ネタをギャグ短編で消費したのは、すべての人間的な救済を拒否して「これからも戦いつづける」宣言をQアンノに強制されてしまったアスカとあいまって、エヴァンゲリオン霊感商法の新たなステージが到来することを、ひしひしと予感させられるものでした。先日、監督をたがえたネクスト・エヴァが発表されたようですが、またぞろ、なんらかの形でアスカを再登板させそうな気配がただよってきているように思います。いちばん強いのは、「もう商売のために、旧劇と新劇を無理矢理つなげるのはやめてほしいな」という気持ちで、28年と7ヶ月半前に埋葬された彼女の遺体を二度目の墓荒らしの憂き目にあわさず、ただただ偉大なツンデ霊廟(笑)としてあがめたてまつり、そっと放置しておいてくれることを、かつてのファンとして心から願うものです。