猫を起こさないように
テロリスト
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ゲーム「ファイナルファンタジー7リメイク」感想

 もともと手をつける予定はなかったのを、なんというか社会情勢に促される形で、気まぐれにダウンロード購入した。ご存じのようにファイナルファンタジー・シリーズにはいくつかの派閥があり、「6までしか認めない派(9と11も許容する分派あり)」「7以降しか認めない派」「10が最高傑作である派」の3種類へ、「エフエフ派」「ファイファン派」の2種類を絡めると、大きく6つに分けられる。私はと言えば、「6までしか認めないエフエフ派」に属しているので、リアルタイムでプレイした7には苦々しい思い出しかない。だが、頻繁に助詞を省略する独特の台詞回しにイラッとさせられながらも、10時間ほどプレイしてEARISUと邂逅を果たした現在の感想は、自分でも驚くほど好意的である。13ばりの一本道RPGにも関わらず、プレイフィールはアンチャーテッド・シリーズを彷彿とさせるシネマティック・プレイアブル・ムービーなのである。しかしながら、かつては中二病的フレイバーに過ぎなかった反乱分子設定が、PS4の高精細グラフィックで都市生活を描きこんだ結果、主人公なのに社会を擾乱させる極悪非道のテロリストとしか思えなくなっているのは、本作における最大の皮肉であろう。けれど、いま十代である誰かにとっては、かつてイスラム国の若い兵士へと向けられたハリウッド風味のプロモーション映像のように、その感性に「刺さる」中身なのかもしれないと想像するのだ。そして二十年前、400万人のKURAUDOの一人だった身としては、己の来し方を振り返ると同時に、子や孫の代にまた新たなKURAUDOを生むのかと想像して、ゾッとする気分にもさせられるのである。ともあれ、PS4の高精細グラフィックでTIFUAの衣装を描きこんだ結果、幼馴染なのに青少年の勃起と中高年の半勃ちを誘発させる淫乱無比の痴女としか思えなくなっているのは、本作における最大の魅力であろう。

 FF7R、ウォール・マーケットに到着してから、ずっと笑ってる。夜の街とその住人たちが本当に生き生きと描かれていて、現場に顔を見せないことで有名な某ディレクターが、出社せずにどこで時間を過ごしていたかが余すところなく理解できた。DQ9発売時に、ホーリー遊児のキャバクラ通いをネタにしたパロディを書いたことがあったけど、それを完全に地で行く仕上がりなのだ。かつてはKURAUDOさんとの距離がゼロだったのが、年齢と社会経験(夜の)を重ねたせいだろう、少し離れた立ち位置から元祖・中二病とも言える彼のキャラクターを意図的に茶化しにかかっていて、3000ギルの手揉みとか真顔でマテリアをもてあそぶシーンとか、本当に腹筋がつるほど笑った。室外機が日本メーカー製じゃないのという指摘とか、リアリティの作り方が完全に現代の都市生活に依拠していて、ミッドガル脱出以降を描く続編はエヴァQみたいになっちゃうんじゃないかと心配するぐらいだ。けれど、どんなに鼻もちならない人間でも、時の流れの中で成長ーーとは言わないまでも必ず変化していくことに、笑いながら涙を流している次第である。

 いまハニー・ビーのステージで踊ってるけど、あたおか極まっており、酩酊と爆笑にコントロール不能で、ぴえんぱおん。最後、ポリティカル・コレクトネスをクリアしてるっぽい雰囲気すら漂っており、もうこれはKURAUDOの女装しか勝たん。

 FF7R、ウォール・マーケット以降、尻下がりに悪くなっていくなー。このディレクターには持ち味を生かして、夜の繁華街を舞台にしたホストかヤクザが主人公の作品を手がけーーってそれ、「龍が如く」やないかーい!

 FF7Rクリア。いろいろ文句も言ったけど、もう一度オリジナルをプレイしたくなってDL購入するほどには、よくできていました。でも、旧作の経験者からすれば、作品テーマについては、わざわざ続きを作って語るのがヤボなほど畳んじゃったし、最後のミッドガル外でのライティング(lighting、念為)に一抹の不安を感じたので、たとえリメイク2が制作されなくても、特に文句はないかなあ。でも、ラストバトル周辺ではウォール・マーケットと同じくらい、ずっと笑ってました。なんて言うんでしょう、作り手側の力こぶが見えるとでも表現しましょうか。マトリックス3で言うならスミスとのバトル、スターウォーズ3で言うならムスタファーでのバトル、北斗の拳で言うなら第3の羅将ハンとのバトル、とにかく「見る人にすごいと思ってもらう戦いにしなくちゃいけない」という気負いが満々で、一周回って笑えてしまうのです。あと、最後にネタバレしとくけど、もし次回作が制作されると仮定して、KURAUDOは最初からKURASU・FAASUTOのSORUJYAAだったし、SEFIROSUは仲間に加わるし、EARISUは死なないでしょう。それと、ゴールド・ソーサーはラスベガスへの取材旅行を元にしてーー軽く十億は溶かすと思うーー、ウォール・マーケットばりに魅力的な夜の街として描写されることを、インターネットに二十年生息するフィーラー(笑)が予言しておきましょう。

 FF7R、クリア後にAP稼ぎで16章を周回してるんだけど、バレットの「搾取の象徴でぬくぬくと生活している奴らに、真の恐怖を味あわせてやりてえ」って台詞、ヤバすぎるな……もしかして、中東地域にファンと販路を確保するための戦略なの? こんなん、ガチのテロリストやん。