猫を起こさないように
雑文「そしてPC版へ…(DQ3R哀歌)」
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雑文「THE ODORU and DQ3 LEGEND ALREADY DIED」(近況報告2024.11.28

 プラチナトロフィーをゲット。つまるところ、私はドラクエ3が大好きなのだ。最後に入手したトロフィーがブロンズの「しんでしまうとは なさけない!」(とてもレア|14.8%のプレイヤーが獲得)だったことに、本作の問題点が集約されている気はします。

ドラクエ3リメイク、グランドラゴーンを10ターンで撃破。すべてのじゅもんととくぎを習得したレベル99のキャラに、はやぶさのけんを装備させてビーストモードを発動したあとは、ほしふるやまびこラリホーとヒュプノスハント4連撃かける3が正しい順番で出つづけることを祈るだけのゲームなので、まだまだターン数は縮められると思います。しかしながら、「10ターン以内に撃破すると、グランドラゴーンとは2度と戦えない」という謎仕様ーー(白と紫の配色で)このおバカさんたちは、最後の最後までイライラさせてくれますねーーになっていて、かつての名作の残骸をストレスフルに遊ぶ日々から強制的に解放され、原神の新エリアのマップ埋めにもどったわけです。ナタの美麗な景色を上空からボンヤリとながめるうち、新要素におもねった不本意の”ゆまとあ”で踏破したアリアハンは、本当の意味でアリアハンと呼べるのか、”ととけけ”あるいは”とととと”がドラクエ最終パーティの「格」を有するのかなど、不思議な不完全燃焼感がふつふつとわきあがってきて、「そうだ、女勇者の”ゆせそま”で最初からやりなおすしかない!」と決意してしまったのでした。

 1周目はプレステ5版だったのですが、「最高のドラクエ体験」をみずからクリエイトするため、steam版を新たにフルプライスで購入ーー36年を日割りすれば1日1円ほどの支出にすぎませんーーして、導入するmodの吟味からはじめました。フォールアウト3スカイリムを魔改造しまくって、4ケタ時間は遊んだ身からすると、ドラクエ3リメイクのmod界隈は悲しいほど盛りあがっておらず、ユーザーインターフェース改善とわずかのバランス調整だけで、ゲームを抜本的に改変するようなものは、まだひとつもありません。それもそのはず、ドラクエ3を「伝説」としてあがめているのは日本人だけで、海外のユーザーにとって本リメイクは、出来の悪い残念な和製RPGのひとつにすぎないのですから! 小鳥猊下が導入したmodを以下に列挙しておきますので、年末年始で新たにドラクエ3リメイクを始める予定のFC版ファンは、参考にしてください。

・サードパーソンビュー(バトル全体を通じて自キャラの背中を表示)
・バトルUIの改善(HPMP表示バーを画面上部で横向きに配列)
・バトル時ボイスの削除(呪文の名前をさけぶのが、聞いてて恥ずかしいので)
・光源による明暗の強化(フレームレート関連と併用すると異様に重くなるので注意)
・ルーラの仕様変更(消費MPを0から8に変更し、迷宮内で使用不可に)
・レベルアップによるHPMP回復なし(リソース管理の楽しさが復活)
・「うんのよさ」と「かしこさ」の仕様変更(レベルが上がるほど弱体化する現状の是正)
・特定装備の持つ性別制限を削除(CERO対策の裏に残された、「男性の欲情を誘う性別が強い」という昭和の倫理観を撤廃)
・ハードモードから経験値とゴールドの減少を削除(ほんと、ゲーム作りのセンスがない……)
・ダンジョンの地図を削除(まあ、すべて記憶してるので、雰囲気の問題です)
・船とラーミアの移動速度を上方修正(言うまでもないでしょう)
・エンカウント率の減少(マップを拡大しているのに、これを変更しない気のきかなさ)

 あと、ゲーム用に調整されていないオケの垂れ流しが気にくわないため、音楽関係も少しさわってますが、権利の問題がありそうなので詳述は避けます(ほぼ言ってる)。ここまでやって、ようやくオリジナルのゲーム体験の背中が少し見える感じになりました。恥ずかしながら、mod入りの2周目にして、はじめて「やくそう」を使い、上と特の存在に気づいた次第です(あらためて、調整不足による多くの仕様の無意味化を実感しました)。でもね、多少なりとも原作への愛があって、ちょっとでも気のきく作り手なら、脳天ファイラーなイージーモードーーパンドラボックス戦で殺しも殺されも逃げもできぬ「千日手」となった話を聞いて、ハラの底から爆笑しましたーーではなく、上記mod群の修正にくわえて、「とくぎ」「せいかく」「とうぞく」「まものつかい」「ふくろ」「範囲武器」を削除し、「パラメータ上限を999から255に」「ルックス(笑)をおとこ・おんなに」「アカイライがさとりのしょをドロップ」まで組みこんだ、オリジナルモードを用意するはずなんですよ。クリア後のダンジョンにしても、SFC版ではFC版経験者にサービスするため、容量不足をやりくりした「本編グラフィックの使いまわし」をしていただけなのに、容量過剰な令和のゲームでそれを嬉々として再現するのは、原作レスペクトというより作り手の怠慢でしょう(冨樫義博の荒れた筆致をマネする呪術廻戦を連想)。

 さんざん文句ばかり言ってきましたが、本リメイクに対する不満の大きな部分を占めているのは、ゲーム内の様々な数値の調整不足と、「秘伝のタレ」たるダメージ等の計算式を変更したことであり、たとえ残骸を縫いあわせたものであっても、私にとってドラクエ3は、やはりドラクエ3なのです。なつかしい地名や固有名詞、定番の音楽や効果音へ身をゆだねていると、人生でもっとも悩みや苦しみからは遠かった日曜の午後へと心がもどっていくようで、さまざまな過去の記憶がよびおこされ、安逸そのものの気分にひたれるのでした。きょうは、ダンジョンの音楽がリピートに入る直前のフレーズにあわせて、小学生の自分が「なかとってーいー、なかとってーいー」と歌っていたのを思いだしました(神戸で幼少期を過ごしたので……)。あッ、ドラクエ3リメイクへの大きな不満をひとつ言い忘れていました! カギで扉を開けるときの「キュイキュイキュイ」という甲高い効果音を削除した担当者は、万死に値します! ほんとオマエら、ドラクエのこと、なーんもわかってねえな!