アリータ
CGと世界観の表現はA級、シナリオと構成はB級。描きたい場面優先でつないでるもんだから、登場人物の行動原理がグチャグチャで、原作を読んでいないといったいだれがどういうキャラクターなのかさっぱりわからない。おまけに続編ありきのブツ切りエンディングで、一本の映画としての満足度も高くない。銃夢って、B級SFっぽい始まりから、少年漫画の王道を経て、「臓器のみならず脳さえ置換可能なら、意識と魂はどこに宿るのか?」という深い哲学へと至る、たった9巻に凝縮されたその「駆け上り感」が本質だと考えているので、個人的に本作はいいところなしであった。あとネットの顔文字が表すように、東洋は顔の上半分、西洋は顔の下半分が表情を読み解く上での主要素である。目を誇張したCGは東洋へ寄せていると言えるが、原作ファンとしてはアンジェリーナ・ジョリーばりのタラコ唇をCGにて移植して欲しかったところである。