マリアンヌ
めずらしく、原題よりも邦題がしっくりくる映画。メロドラマチックな内容を、邦題の方がより的確に言い当てている。家族と国家を天秤に、どちらをより重いとするかで、まったく別の物語になる。オーウェル・ファンのわたしは後者が好みだが、まあ、そこはそれ。女スパイが最後の最後で書く情動失禁的な手紙が、映画全体の99%をつらぬいている緊張を極甘のウェットに塗りかえてしまったことは、とても残念に感じた。あと、あらゆる状況であまりに泣かなすぎる赤ん坊を不自然だなあ、と思った。インファントに鉄の演技指導はできないものなあ、ゼメキスもおじいちゃんになったからかなあ、と思った。