ミッション・インポッシブル4
あれから一年、本邦にとって記念すべき今日、塩漬けの核弾頭よりも稼働中の原子炉がずっと危険であることがわかり、核技術の流出よりも原発へのテロがはるかに現実味を持つようになってしまった世界で、このフィクションは私たちにとってむしろ逆説的な批評性を帯びて迫って――こねえよ! この毛唐ども、みじんも俺たちのことなんて考えてねえ! エヴァ風に言うなら「私たちはいらないのよ! イーサンだけがいればいいのよ!」であり、島本和彦風に言うなら「なぜ地上130階にサーバールームを作るのかって? ハハハ、その方が盛り上がるじゃないか!」であり、某スイマー風に言うなら「ちくしょー、なんも考えられねー!」であり、小林秀雄風に言うなら「トム・クルーズのバカは疾走する。観客は追いつけない」である! イケメンのバカ、うなるほどの富と名声を持ったハイパーバカによる、「とりあえず味は考えずに具材を全部入れてみたアクション闇鍋」がこの映画なのだ! この時代にクレムリンを爆破してみようなんてプロットを思いついて、じっさい爆破してみるなんてもう頭が悪すぎる(褒めてます)! どうでもいいけど、ゴーストプロトコルって何だろうね! 見終わったいま、そんな瑣末なこと本当にどうでもいいんだけどね!