猫を起こさないように
ゼルダの伝説スカイウォードソード
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すべての事象へ主体として積極的に関わり続けることで得られる濃密なゲーム内体験。シリーズを通じて、基本的にはただひとつ用意された正解を観察と道具の組み合わせで解決していくだけなのだが、それがこんなにも楽しい。しかし同時に脳裏をよぎるのは、はたして現在、この体験をどのくらいの人々が肯定的なものとしてとらえることができるのかという疑問である。ゲーム業界では2Dから3Dへの移行で一度大きなプレイヤーのふるい落としが行われた。また、昨今の携帯ゲー流行りはゲーム性の濃淡以前に2D回帰の側面が強いと考えている。ファミコンに原体験を持ち、3D移行の淘汰も乗り越えた30がらみの男以外の誰がこのゲームを手放しで喜んでいるのだろう。前作からすでに五年が経過した。たとえば小学校高学年で前作をプレイした新規層がいたとして、携帯電話を買い与えられ、据え置きゲームを卒業していておかしくない年齢だ。世界にふたつとない至高の工芸品を前にして、私に去来する感慨はこうだ。『おれたちは滅びていくのかもしれない』