猫を起こさないように
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実在の天才の周辺を実名そのままに映画化したという一点において、デビッド・フィンチャーの力技を感じさせられる。しかしながら、いかせん未だ立志伝の途上にある人物だからして、企業的なブランディングを抜いて視聴することは極めて難しい。さらに、未だ立志伝の途上にある人物だからして、今日に至るまでのエピソードが少なすぎ、前半の密度感に比して後半の失速感がハンパ無い。高い評価の理由に首肯できるのは最初の一時間だけで、単体の映画作品として考えた場合の評価は低いものにならざるを得ない。また、エンディング間際でとってつけたザッカーバーグの「いい人」方向のキャラ立てには、本人からのプロパガンダの臭みを強く感じる。ただ、これだけ薄い中身を撮影と編集の技術で二時間に膨らませた監督の手腕には、素直に敬意を表したい。