猫を起こさないように
ベリード
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小生の少なくはない映画視聴歴において発見した法則に、「低予算映画はバッドエンド」が挙げられる。1つ目の仮説は、設定と脚本へ大きく依拠せざるを得ない宿命が、視聴者をあざむく方向へとそれらを複雑化させるからというもの。2つ目の仮説は、低予算しか与えられない監督が新人である可能性は高く、その若さが本邦で言うところの中二病に由来する後味の悪い幕引きを求めるからというもの。今作がいずれに該当したかはわからないが、高めに高めた息苦しさの後、多くの視聴者が求めるだろうカタルシスをあえて外した結末に、ひどく低予算映画を感じた。90分の閉塞が視聴者にもたらしている感情をなぜ利用しないんだろう。ミステリ的な脚本の収まりや現実への批判を含ませたい意図はわかる。でも、生理的解放感という単純さを嫌ったというだけの理由なら、もったいないなあ。