猫を起こさないように
アンチャーテッド2
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「アングラサイトのくせに、大作ゲーム好きなんですね。ハハ、コンプレックスの現れですか?」などと揶揄され、たちまちカッとなる新世紀火の玉ボーイ・怒瞋恚(イカリシンイ)a.k.a.小鳥猊下であるが、先に取り上げた某有名大作RPG(この部分はMGSに置換してもよい)を正確に批評し日米の文化論にまで展開することを目指す場合、本作をプレイすることが正に必須であるとご進言申し上げたい。某大作RPGに否定的な言及を行うとき、「一本道」という指摘がうんざりするほど頻繁だが、実のところそれ自体は何ら批判には当たらないのである。本作は一本道だがすべての道行は作り手の意志ある演出によって成され、グラフィックは美麗だがゲーム性とプレイアビリティを阻害するほど過剰ではなく、操作は平易で直感的だがプレイヤーの望むあらゆる動きをカバーする。「演出絶無の散漫な道行」「遊び手の利便を無視した美麗さ」「煩雑なのに限定的な操作」をなぜか志向してしまう本邦の大作群とは極めて対照的であり、もはや遺伝子レベルでの民族性の違いすら感じさせる壮大な隔絶である。ストーリーにしたところで、複雑な設定はテキスト式ゲームの方がよほどうまく伝えられるだろうし、内面の吐露は私小説の方がジャンルとしてむしろ適切であろうにと思う。それにしても、こういった斬新かつ贅沢な切り口を惜しげもなく無償で野良犬どもへ投げ与える俺様の気前の良さには、婦女子たちもモニターの前で陰部をまさぐりながら恍惚としているのに違いない。