アンフィニッシュト・ライフ 久しぶりに映画らしい映画を見た気がする。視聴するという行為そのものが批評も批判もすべて精算して、見終わった後に何も言葉を残さない。…
JUNO 最後の十分までは完全無欠の大傑作なのではないかと、息を詰めて見た。誰か、中年作曲家との間に張りまくった伏線を回収せず全部ぶん投げて、同級生と元のさやに納まった理由を説明して下さい。感情的にと ……
4ヶ月、3週と2日 ただの会話劇のはずなのに、冒頭から異様な緊張感。そして、そのテンションは映画の終わりまで途切れることなく持続する。だが私の感想は、「社会主義国家の産婦人科って、役得だなあ」という猥 ……
ぜんぶ、フィデルのせい 政治的な風景や進歩的な家庭が、いかに子どもにとって不必要であるかが描かれて――すいません、わたくし、いま自分を偽っておりました。ニナ・ケルヴェルが最高すぎます。あの眉間の皺った ……
バケット・リスト 役者を役に配したというより、役を役者に配したという印象。この二人もそれほど遠くない未来に死ぬのだという事実が脳裏をかすめれば、心を動かされないわけがない。ズルいなあ。そして、恥ずかし ……
ダージリン急行 映像作家として見るべきなのは重々承知ながら――欠損あるいは過剰を抱えた家族を、心理学と宗教以外の方法で救済しようとすると、こういう作劇になるのかな。ザ・ロイヤル・テネンバウムズよりは、 ……
ミスト 以下、ネタバレ。この年齢になると、ノンフィクションでもないのに子どもが死ぬってだけでもうダメ。作者か設定に殺されたという以上の感想を抱けない。散見する高評価は、若年層かキング原理主義者によるも ……
ファーストフード・ネイション ドキュメンタリーだと思ってたら、まんまと騙された。パテに唾を吐く店員の描写をはじめとして、演出と脚本に由来する不快感をファーストフード店のそれに転化する作りは、到底フェア ……