猫を起こさないように
渚にて(1)
渚にて(1)

渚にて(1)

 このいやはての集いの場所に
  われら ともどもに手さぐりつ
  言葉もなくて
 この潮満つる渚につどう……
  かくて世の終わり来たりぬ
   かくて世の終わり来たりぬ
   かくて世の終わり来たりぬ
  地軸くずれるとどろきもなく ただひそやかに  (T・S・エリオット)
 新潟県珍垢寺――
 ある程度の規模を有する水族館にしか無いだろう、マナティかゾウアザラシを収めて輸送するようなサイズの巨大棺桶と、葬儀屋はさぞや写真加工に苦労しただろう、精一杯の望遠になお入りきらぬ巨顔の遺影を前に、私はまだ信じられぬ思いだった。白黒の垂れ幕や数々の花輪、線香にけぶる部屋の大気――周囲を埋める葬式にありがちの様々の表装は、人の死の厳粛さを虚構として演出する役割をこそ果たせど、その死の持つ意味を説明するものでは、全くなかった。私は棺桶にすえつけらえた梯子を登ると、たっぷり5メートルほどもその上を膝行して、うがたれた窓より中をのぞき込んだ。
 ――ああ。
 思わず漏れる嘆息。あれから2年が経つが、その顔はもう見間違えようがなかった。それはまさしく、上田保椿の――
 CHINPOの暑苦しい巨顔だった。
 私は釈然としない、どこか落ち着かない気持ちで何本目かの煙草を苛立たしくもみ消した。この部屋に通されてから、もう4時間にはなるだろうか。私は真新しい畳の上へ横になると天井を見上げながら、自分がなぜこんなところで待たされるはめになったのかを、ぼんやりと思い返した。
 焼香に棺桶をよじ登ろうとした親族の何人かが足をすべらせ真っ逆様に墜落し、重軽傷を負ったことをのぞけば、全く他のどれともかわりばえのしない、そしてその退屈な劇的で無さが残されたものにとっての救いでもある葬式が終わり、私は無言でその場を離れた。私のような半端な元おたくが挨拶に現れたとて、親族は困惑するだけだろう。長いおたく人生で得た様々の経験則から、私はそれを痛いほど知っていた。
 長い苔むした石段を下り、呼んでおいたタクシーの扉に手をかけたとき、私は突然背後から呼び止められた。明らかに常人とは異なったあのオーラを持ったケミカルウォッシュのジーンズと黄ばんだTシャツの男が、こちらを直視しているようでいながら、そのくせ微妙に視線をずらしたまま、素養の無いものならヒアリングの不可能なほどの喉の奥にこもった早口で、私に告げた。――これより故人上田保椿を忍んでの通夜式を執り行う手筈となっております、お忙しい中ではございましょうが、故人の遺志を尊重して、あなた様にはどうぞお残り願いたく存じます――。私はやはり、昔の戻ってきたような感覚に後ろ髪引かれるところがあったのだろう、男の申し出になんとなくうなづいてしまっていた。
 私は体を起こして頭を振ると、テーブルの上の灰皿を引き寄せた。しかし、通夜とは普通葬式の前にするものなのではないのだろうか。CHINPOの死に顔を見たときからぬぐえないかすかな違和感。人の死などというものは残された者たちにとってそういうものなのかもしれないが、この葬儀のすべてがどこか茶番めいていて、それでいながらその理由をはっきりと言葉にすることはできなくて、その状況がますます私を苛立たせた。
 私がちょうど十五本目の煙草に火をつけようとしたところ、快い擦過音とともに背後の障子が引き開けられ、私を石段で呼び止めた男が糸の数本切れたパペットのような動きで入って来、喪主が通夜の会場へ案内致します、と意志疎通を放棄しているとしか思えない早口で告げた。
 喪主、CHINPOの両親だろうか。確か大学教授をやっていると聞いたことがある。遠くから聞こえる耳障りな呼吸音と、畳を通して伝わるかすかな振動。障子と梁を漫画状の型に打ち抜きながら、何かの確たる意志を持っているかのようにふるえる肉を腹の両脇に大量に輸送しながら部屋へ入ってきたその人は、果たして――
 「CHINPO! やっぱり、CHINPOじゃないか!」
 その、ほ乳類ではクジラ以外が持ち得ないような巨躯を陸上で保持したおたくな有様は、CHINPO以外の何者かであるはずがなかった。私は、やはり照れくさかったのだろう、再会の喜びを怒りにまぎらせて詰め寄った。
 「これはいったい、どういう悪い冗談なんだ。説明してくれるんだろうな」
 「フフ、まぁ、それは道々話すとしよう」
 CHINPOはあの頃のような、他者への優越を感じるためだけにどんなにつまらない事象であっても、それが自分だけの知っているものである限り、もったいぶって教えようとしないあのやり方をかすかに漂わせた。だが、2年という歳月はやはりCHINPOの上にも流れたのだろうか、持たざる者のする深刻な自己存在肯定のための切り取り合戦の様子を呈することは、ついになかった。CHINPOは廊下の床板を漫画状の型に打ち抜きながら、こちらを振り返ろうともせずに歩き出した。左足を前に出しながら大きく、見ているこちらがはらはらするほど左に傾ぎ、今度は右足を前に出しながら大きく右へと傾ぐ。軽トラ程度なら前方から近づいてきていても後ろに歩く者は全く気がつかないだろうその膨大な背中に、私はめまいのするような既視感を覚えた。同時に、こんな最悪のおたくであるはずの、全世界の嫌悪の対象であるはずのCHINPOの後ろ姿に、涙が出そうな慕わしさを感じている自分に気がついた。では、私も、やはり年をとったということなのだろうか。
 と、CHINPOは廊下の隅に落ちている”小学生の顔にプレイメイトのボディ”をしたアニメキャラのポスターの横を、まるでそこに何もないかのように素通りした。私はいぶかんで、その背中に声をかける。
 「CHINPO…?」
 CHINPOはいま気づいたというふうにアニメポスターに視線をやると、奇跡のようなバランスで体を右へ大きく傾がせて床に落ちているそれを拾いあげ、ケミカルウォッシュのジーンズの尻ポケットにねじ込んだ。
 「どういう按配かな…?」
 庭の築山へ目線をやりながら、CHINPOは静かに言った。
 「記号の集合を有機的な連なりとして認識し、欲情するおたく的約束の部分が頭から三分の一ほどトンじまって、見えてねえ」
 CHINPOの意味するところは全くわからなかったにもかかわらず、その奇妙に静かな――まるで死者のような――達観した言い様に、私の心臓は早鐘の如く打ち始めた。
 「CHINPO、話してくれるって言ったよな。今日のこれはいったいどういうことなんだ。まさか、からかってるんじゃないだろうな」
 「どうもこうもねえさ。おまえが見てきたとおり、今日は俺の葬式なんだ…!」
 CHINPOは太りすぎた皇帝ペンギンのように滑稽に、肉に埋もれた肩を無理矢理すくめてみせた。
 「それはつまり、生前葬みたいな…?」
 「似ているが少し違うな、あと数時間後、俺は本当に死ぬ手筈になっている」
 「死ぬ手筈ってのは、いったいどういう…?」
 私はじりじりと歩み寄る不安に押し潰されそうになっていた。
 「まあまあそこから先はこれから行く部屋の連中に聞いてくれ。聞く方は初めてでも、俺は今日何回も同じことを話していて、いささか食傷気味なんだ。頼むよ…」
 「し、しかし」
 CHINPOが言いつのろうとする私を手で制す。廊下の突き当たりにある部屋の障子が、先ほどのおたく男により静かに開かれる。
 「さあ、着いた。懐かしい顔がお待ちかねだぞ」
 「みんな…!」
 そこには果たして、あの思い返すだにじめじめといじましい、日の射さぬ四畳半に放置された悪臭放つ牛乳雑巾、持たざる者たちの持たざるゆえによる黄金の蜜月を共に過ごした、忘れたい過去ナンバーワンの同人仲間たちがいた。本来ならそれぞれが何らかの形での社会性を手に入れたいま、二度と会いたくない、積極的に連絡を持とうなどとは毛ほども思わないだろうあの面々が一同に会するこの異常な空間を前にして、さすがに私も事の重大さを理解しはじめた。
 「CHINPOがさ、なんかおかしなこと言うんだよ――昔っからだけど、CHINPOが」
 問いかけに、ネクタイの締め方を致命的に間違えている、着慣れぬ喪服にぎこちなく逆緊縛されているといったふうの有島が、重々しく口を開いた。ああ、有島! なんという懐かしさ、そしてなんという嫌悪感だろう!
 「残念だが、その言葉の通りだ。これを見てくれ」
 有島は病院名の書かれた茶封筒から一枚の写真を取りだした。菌糸類としか言いようのないものが周囲を埋めた薄暗い部屋で、どうやってそんな小さな部屋に入ったのかと疑うような巨躯の男がこちらに背中を向けて写っている。男は下半身丸出しで、どうやらオナニーをしている最中らしい。青白く発光するテレビ画面には、名の知れた巨乳AV女優の出演するごく普通のアダルトビデオが映っていた。
 「これが、いったい……?」
 一瞬、私はなぜ有島がそんな写真を見せるのかわからなかったが、恐ろしい呪いの託宣のように、徐々にその意味するところが私の胸に染みわたり始めた。
 「ま、まさか、そんな…もしかして」
 この世で一番あり得ないことを聞いた人のように、私は自分が馬鹿のように首を振っているのを感じていた。
 「そのまさかだよ。この写真の男、これが、CHINPOのいまの姿なのさ…!」
 「バカなっ、信じられるか、そんなこと!」
 「事実よ。受け止めなさい」
 太田が脇から、かつての十八番の声まねで、目を合わさないまま言った。ああ、太田よ。言った自分を、あとで呪い殺したくなるだろうに。
 「しかも、進行の早い早発性だ。通常2、3年でアニメ絵に勃起できなくなり、ついにはおたく廃人かおたく死を迎えることになる。CHINPOはその事実を知り、決した。本当に更正してしまう前に、エロゲーに欲情できなくなる前に、己が人生を自ら閉じようと…!」
 「バカなっ! どうして…どうしてっ…! あの、最悪の2次元コンプレックスが、なぜそんなことに…!?」
 やはり、2年に渡るサナトリウム生活ではあの事故の傷を治癒できず、それはCHINPOの脳髄を見えないところで侵していったというのだろうか。私が言いかけるのを、有島はわかっているといったふうにうなづいた。
 「それは誰にもわからないし、そのことを考える時間はもう残されていない。こうしている間にもCHINPOはどんどん…そうだな、どういうべきか、良くなってきているんだ。受け止めよう。これ以上言葉を積み重ねることは無意味じゃないか。言葉を重ねることの無意味さに、言葉の無力さに一番気づいている俺たちじゃないか。人と人との熱心な話し合いや、心うち解けたやりとりが何かを生み出すなんて、そんな偽善がイヤでイヤでおたくを始めた俺たちじゃないか。そして、それが俺たちの唯一の美点だったはずだ。これから、それぞれがCHINPOとともに最後の面会を済ませる。俺たちはおたくだ。これまでだって、社会に冷遇されるものとして、曳かれ者同士の肩を寄せ合う集まりではあったが、本当の意味でお互いがお互いを必要だと思ったことなんて一度もなかったはずだ。話し合いなんてガラじゃねえ、それぞれが自分の思うようにCHINPOと15分か20分の最後の時を過ごしてくれ。無言で見送るもよし、引き留めるもよし。――俺たちはここでまた集まったが、明日にはきっと別の場所へと、2度と触れあわない別の世界へと逆戻りだ。寂しいなんて言わない、それがおたくだった罪で受ける相応の罰だ。それに、人間なんてもともとひとりぼっちだし、寂しいもんじゃないか……ともあれ、俺たちは俺たちの同類を見送る義務だけは果たそう。俺たちがずっと自分自身のものとして想像し続けてきた、おたくという人種のぞっとするような末路のひとつがいまここに、目の前にあるのだから…!」
 早い風が雲を押し流してゆく。誰に促されるでもなく太田が立ち上がった。後ろ手に障子を閉めるその後ろ姿を、そちらに視線をやらないまま、皆が無言で見送った。
 そう、有島は正しい。これは戦いなのだ。俺たち、更正してしまった元おたくたちが、過去の自分ではなくて本当に現在の自分の有様を肯定できるかどうか、CHINPOにつくりごとの世界よりも現実の世界の方が素晴らしいと説得することができるか、という――
 「(芋虫と表現するも芋虫に失礼な、たこ糸で縛ったボンレスハムのような指でマウスのボタンを圧迫しながら)やはり最初は太田、いや、ハンドルネーム”まみりんLOVE”と呼んだ方がいいかな」
 「フフ、懐かしい名前だ。(様々のアニメポスターが元の壁面の見えないほど貼られる中、唯一ある巨乳アイドルの水着グラビアがその調和を致命的に崩している部屋を見回しながら)ふ~ん。なるほど、なるほど。そうか…ここか。ここで死ぬんか?」
 「(モニターに映し出された18歳の小学生という矛盾を体現する美少女キャラの痴態に垂らした涎を服の袖でぬぐいながら)ククク…」
 「(床から足を上げる度に粘りけのある糸状のものが数本ついてくるのをズボンのすそでぬぐい取りながら)いいとこじゃねえか。死を迎える部屋としては最高さ。(床に散乱する歴代の家庭用ゲーム機を足で払いのけてスペースを作りながら)こざっぱりしてて…」
 「(巨乳アイドルの水着グラビアに大きな嫌悪と、かすかな欲情の入り交じった複雑な視線を向けて)そうかもしれねえ。言われるまで、考えてもみなかったな」
 「(机の上に並べられた無数の美少女フィギュアのひとつを手に取り)ひとつ、もらうぜ。(床にできたスペースに座り込み、美少女フィギュアをもてあそびながら、唐突に)特別なことじゃねえ。おたくは、決して特別なことじゃない。そう、思ってんだろ?」
 「(美少女フィギュアのスカートの中を机の下からのぞきこもうとしながら)まあ、おおむねそんなとこさ」
 「おたくは特別じゃない。皆…おたくを忌み嫌いすぎる。おたくであることは時に、救いですらある…! 本当に、羨ましい。一切の社会性を持たない、様々のグッズやおたく的人間関係だけを後生大事にためこんできた、夏にはコミケ、冬にはコミケの骨がらみの職業おたくには、決してたどりつけない境地…! だから本当にめでたく、羨ましい。(美少女フィギュアから顔を上げて、真正面から直視して)しかし、それでも、CHINPO、怖かねえか? おたくであることは? どんな気分だ? おたくのまま死ぬってのは」
 「(あきれたふうに、完全に隆起の埋没してしまった肩をすくめようと痙攣しながら)おいおい」
 「だって心配じゃねえのかよ! 美少女ゲーのキャラに操を捧げたまま、素人童貞として死んじまうんだぞっ…! もうすぐ…」
 「(フーフーと平静でも常人の数倍する風圧の鼻息を吹き散らしながら)……おたくは、おたくになる前はなんだったんだろうな」
 「(いぶかしげに)前?」
 「(半眼で)動物として生まれ、動物としての本能を通じて世界を感じていた俺たちは、名付け、定義することで、新しく生まれた知恵という機構の中での、世界に存在する万物の配置を決定しなおさなければればならなかった」
 「CHINPO…?」
 「ちょうど小さな紙にスケッチを描くようなもので、どんなにうまく描こうとも、描かれる対象と描かれたものとは、どこか致命的に違ってしまっている。知恵によって、世界は本来よりも矮小な形で切り取られ、その切り取られた世界の残骸が、人間の持つ”意識”だ。このプロセスがつまり俺たちの”虚構”と呼ぶもので、この意味においてすべての人類はおたくであると言える。――おたくというのは、自らがさげすまれ、おとしめられることで、自己存在の鬼子的発生理由に気がつきたくない一般人たちを、社会という綿々と続くより巨大な虚構に同化させてやるための、そうだな、いわばスプリングボードなんだ。人が、個人であるということの次のステージ”社会”へ進むための、すべての汚れ役を引き受けているんだよ、俺たちおたくは」
 「CHINPO…!」
 「世界を世界のまま、現実を現実のまま受け入れるのを拒否したことが知恵の始まりの本質なのだとしたら、現実すべての脱構築・再構成を促すおたくの持つ虚構力・虚構没入力は、知恵のはるか延長線上にある”超知恵”とでも形容するべき知恵の正当なる後継者であり――そして、すべての人間の自然がおたくに嫌悪をしか感じないのだとしたら、それは人の選んだ知恵という選択肢そのものが”間違って”いたことの証明に他ならない。だから、最初のおたくがリン・ミンメイの無重力シャワーに目尻と鈴口から随喜の涙を流したのが罪だと、皆が石もて俺たちを追うのだとしたら、俺は甘んじてそれを受けようと思うのさ。(照れたように笑って)ハハハ、まぁ、それがおたくだわな」
 「(下唇を噛み、涙をこらえながら)……そんな話をもっとしてくれ…もっと……! この間再発して…結婚してから2年間はなんともなかったんだが、おたく生活からはすっかり足を洗って、子どももできて…もうすっかり完治したと思ってたんだ。それが、そう思っていたのが、この間…ついに転移した。今度はペニスに……わしは、末期の童女趣味でっ…!! CHINPO、怖いんだ、これで妻子とするまっとうな社会生活もすべて終わりかと思うと…もうすぐ、幼女ポルノを備蓄した咎で社会から石もて放逐されるかと思うと…!!」
 「(穏やかに目を細めて)まみりんLOVE」
 「(涙で目をうるませ、おこりのように震えながら)わしは…」
 「(限りなく優しく)大丈夫…おっかなくなんかねえんだよ。俺が死ぬ前に、先に行われたような幼女誘拐・監禁を犯してやるっ…! だから、まみりんLOVE、おまえはおまえの童女趣味を受け入れてやれ。出来る限り温かく、本来なら恥じ入るべきその性癖による露悪的なキャラクター作りで集客をしていたおまえのHPを、大人との軋轢に疲れ果てた哀れなおまえの自我を迎え入れてやれ。俺の感触じゃ、童女趣味者たちは、そう悪いヤツじゃない。出来るさ、おまえにも出来る。俺が見てきた限りじゃ、最悪の童女趣味者は、かなりの年月裁かれないまま、幼女が幼女でなくなるほど長い間、幼女とともに暮らしていけるんだ。おっかなくなんかねえんだよ…!」
 「(もはや隠しようもなくボロボロと号泣しながら)CHINPO…、CHINPOッ……!」
 もはや、月は出ていなかった。夜は、静かに流れていくように思われた。うら若い乙女の狭すぎる膣へ無理矢理するように、私たちの心を内側より圧迫し、胸苦しい痛みを引き起こすのは、ただ一つの言葉だった。
 ――チンポ。

to be continued