猫を起こさないように
日: <span>2014年4月20日</span>
日: 2014年4月20日

ダークソウル2


ダークソウル2


前作はプレイを進めるうち、全エリアが立体的に鳥瞰されたマップが頭の中に構築され、その精緻に組まれた有機的つながりに強い感動を覚えたものだ。ひるがえって本作は、すべての篝火からお手軽に相互移動できることもあって、エリアとエリアが平面的に分断されているように感じられ、スペランカーかロードランナーのように短い面をトライ・アンド・エラーで順にクリアしている気分になる。また、これまでのようにステージ全体をギミックとして使って戦うボスが一体もおらず、その攻略法も時計回りでリーチの長い攻撃を繰り返すことに終始するせいか全体的に印象に残らない。武器・防具は数あれど、強化方式がひどく簡素化され、加えてテキストフレイバーも非常に淡白になり、お気に入りを選ぶというよりはデータ上の強弱だけで使用の判断をしている感じが強かった。細かいところで言えば効果音の付け方が不自然で、サラウンドで聞くと草の鳴り方など特に足下の環境音が気になってしょうがない。モンスターハンターが初代から2に移行したときにも感じたことだが、独自の世界観とその雰囲気を包括的な体験として楽しむ方向性から、対人を強く意識したアクションゲームへと大幅に舵が切られたように思う。昔から作家性を感じるゲームがすごく好きで、このシリーズが正にそれだったのに、ディレクターの変更に伴って作家性の部分がすっぱりと切り捨てられ、「作り込まれた良質なアクションゲーム」の位置へと、個人的には格下げされてしまった。そして、何より強く感じるのは、ああ、自分はデモンズソウルと初代ダークソウルがこんなにも好きだったんだという喪失の悲しみである。とは言え、四月のクソ忙しい中、睡眠時間を削って2キャラ作って合わせて3周して、その間にコントローラーを3つ破壊したので、ゲームとしてはすごく堪能したと言える。ダークソウルではなくキングスフィールドの新作だと思えば、フロムソフトウェア好きには大納得の仕上がりと言えよう。しかしながら、本作にとって最も楽しい季節は、全くの未知をオンラインの薄いつながりで攻略していく最初の一週間であり、早くもその黄金期は過ぎ去ってしまった。スカイリムのMODみたいに、ファンが新しいエリアを自作し、追加し続けるような動きがPC版であるといいなと思った。