見知らぬ明日 見知らぬ明日 死の気配が濃く漂う本文に、切り取られた四肢の断面の如き異様な末尾。想像してみてくれ。目前に迫る確実な死に際して、いずれの神にも懺悔しようとせず、ありあまるカネを使おうとせず、友人との旧交を暖めようとせず、近親との思い出を作ろうとせず、ただひとり、終わるはずのない物語を書き続ける。想像してみてくれ。ぞっとしないか、そんな深淵があることに。