猫を起こさないように
月: <span>2009年10月</span>
月: 2009年10月

スラムドッグミリオネア


スラムドッグミリオネア


こういうのを売り込もうとか、こういうのを流行らせようとか、作り手を送り手の下に置いた「売らんがな」による受賞には、その作品を手に取る前に気持ちが萎える気難しい消費者であるところの俺様である。特に本邦の賞は、いま挙げた点においてどれも全く信用ならない。送り手どもは基本的に受け手の俺たちを全員馬鹿と思っているからであり、それ以上に作り手を不在にする人間への尊敬の無さには、機会さえあれば複数回ブン殴ってやりたいほどの立腹である。なので、評価されるべき作品が当たり前に評価されている単純さにすごく安心する。真に素晴らしいものは送り手の低俗な思惑を一蹴するのである。筋立てがご都合主義などという指摘は、先進国に特有の、精神病の描写をリアリティと賞賛する愚劣な態度なので、当サイトをご贔屓にするようなハイセンスの諸氏においては軽々と無視してよい。賢明な映画ファンであるところの俺様は、トレインスポッティングの続編という位置づけ視聴した。同じく社会の底辺を描きながら、人間への愛にたどりつく今回の結末に、ダニー・ボイルの遍歴を垣間見て、涙が出た。God is great.

真・女神転生SJ


真・女神転生SJ


映画は拘束される時間があらかじめ決まっているため、安心して没入できる。しかし、ゲームの場合そうはいかない。人生を時給計算する私は、プレイ中いつも時計が気になってしょうがない。今回も開始前、不機嫌にイヤホンを差し込みながら、確かに時計を確認したはずである。しかし、気がつけば室内は薄暗くなっており、時計に目をやればなぜか数時間が経過していた。これってもしかして、神隠し?

ザ・バンク


ザ・バンク


どの分野でもそうですが、最良のものとそうでないものって、簡単に区別がつきますよね。でも、俗に言う「B級」的なものと良いものの境界がどこにあるのか、指摘するのは難しいと思いませんか。はい、皆さん、注目して下さい。これがそれです。視聴開始1時間の時点では、この映画が「かっこいいぼくのかんがえたさいあくのこっかかんはんざいそしきぼくめつハードボイルド」になるとは予想だにできなかったのですから! しかしながら、積み上げられた伏線や人物造形のことごとくが物語の後半で放棄されてゆく様を見るのは、小生の如きすれっからしの享楽乞食にとって、ある意味では爽快と言えないこともありませんでした。

ある公爵夫人の生涯


ある公爵夫人の生涯


女にとってひたすら都合のいい、これだけ超絶ハーレクイン的な「実話」を見つけてきた時点で製作者側の勝利なわけですが、純情かつ知的な正しいおたくであるところの小生の清らかな心は視聴を通じてひどく汚されました。クソ忙しいのになんでこんなの見てんだよォォォ! 念願の男子出産ってオマエ、それ愛人の種に決まってんじゃねえかよォォォ! なんでそこスルーすんだよォォォ! このバカバカまんこ!

ダイアナの選択


ダイアナの選択


皆様のご想像通り、ユマ・サーマン目当てで視聴しました。人はただ己の生き方によってのみ、復讐されるというお話です。「エレファント」から少年の視点、「ボーリング・フォー・コロンバイン」から社会の視点をあらかじめ仕入れておくと更に深みが増すかもしれません。ところでこのオチですけど、はやってるんですかねえ。なんか最近よく見る気がする。