パンズ・ラビリンス パンズ・ラビリンス リアルとファンタジーは対立概念ではない。現実が辛いから幻想に逃げ込むのか。幻想が現実での達成を困難にすると思うか。それは脆弱な思考だ。最後の場面で政治批判へと大きく軸足が傾き、子どものファンタジーを大人のリアルが蹂躙した形となった。私はこの救済を信じることができない。
バグダッド・カフェ バグダッド・カフェ 刺青師が最後に言う”too much harmony.”から、ミュージカルと求婚の場面は本来存在しなかったのではないかと推測する。この二場面が無ければ、同性愛の暗喩はより濃く浮かび上がり、代償として当時の視聴者の多くを失ってさえ、時空を越える「完全な映画」となれた。最後にイエスと言わせなかったのが、製作側の抵抗か。未見の人は主人公が黒電話を置いた時点で視聴をやめ、次の日に続きを見てみよう。