ついに男性の欲望に敗北し、メタクエスト3購入の暴挙にいたる。PSVRのときの経験から、当初のものめずらしさが消えれば、すぐにホコリをかぶることは目に見えていたので、廉価版のSにとどめたところだけが理性的だった。あまりに市場規模が小さいため、だれもなぞらえないから勝手になぞらえるが、メタクエストとPSVRの関係は、VHSとベータのそれに酷似しているように思う。人類史上、だれも体験したことのないヴァーチャル空間の見え方のクオリティにこだわったところで、だれも体験したことがないのだから、その差なんてだれにもわかりっこないのである。そして、諸君がジリジリと言及を待っているところのスーパーリアル麻雀VRだが、平面のモニターに映しだされる2次元版とはまったくのベツモノであることを、ここに明言しておこう。
当初、VRバージョンのみを発売しようとしながら、より広範にとどけることのできる通常モードを搭載したのは、男性の欲望に敗北しなかった会長の英断であったことを認めつつも、それは湖面にうつる月の影のようなものにすぎなかったのである。脱衣をゼロ距離でながめることではじめて、「3Dキャラに服を脱がせる」という技術の異常性と超越性が理解できたし、なにより少女たちの実在感が圧倒的に、暴力的なまでにちがう。通常モードを女子の平手うちとするなら、VRモードはマイク・タイソンの左フックと言えるだろう。狂人の世迷言と言わば言え、私はたしかに、存在するはずのない甘い吐息をほおのうぶ毛に感じ、汗のにおいと湿気を鼻腔にかいだのである。その強烈きわまる没入感を、無線によるAirPlayの不安定さになんども中断されて発狂し、いまは有線でPCと接続できる1万円もするコードの購入を真剣に考えているほどなのだ。今回のVR体験を通じて感じたのは、「挿入することはもとより、ねぶることさえかなわない女体を、ただ宝石のように愛でる」ことの、かけがえのない尊さであった。
おそらく狩猟時代の非定住性からすりこまれたものとして、射精のたびに同一の肉の価値を漸減させる本能が男性にはあり、ポルノ・コンテンツが有限の男性に無限に売れるのも、この古い習性に由来すると分析できる。nWoでは最低の用語として、これを「ファックの一回性」と呼ぶのだが、ファックするほどに失われる魅力をファックしないことで維持するのは、さまざまなファック経験を経てきたからこそわかるファックの意味であり、文字どおり字義どおり一周まわって、ファックなしのおつきあいをとても新鮮に感じているでファック。そしていま、ヴァーチャル・リアリティ体験時に特有の酔いと頭痛と吐き気からグッタリとソファに身をよこたえながら、このテキストを書いているのだが、購入前にスペック表をながめて、「2時間しか充電がもたないなんて、欠陥商品じゃないの?」などと眉をしかめていた過去の自分を、しかってやりたい気持ちでいっぱいである。なんとなれば、2時間ぶッつづけのVRプレイに耐えられる脳を持つ人類はいないし、なんならバッテリーの持ちは30分で充分すぎるし、廉価版にしておいてほんとうによかったです(ガクリと首を落とす)。