猫を起こさないように
グリッドマン
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グリッドマン最終回見る。おそらく、この解決編から逆算して構成されたストーリーであるがゆえに、少ない話数にも関わらず、一切の迷いを廃した力強いメッセージを発信することができたのだろう。むしろ中盤のエピソード群を冗漫に感じるほどで、二時間の劇場版にすればさらにスッキリとまとまるように思えるぐらいだ。演出面では特撮への偏愛に根ざした旧エヴァの手法をなぞりながら、旧エヴァではカントク(Cunt-Q)がインタビューなどで場外乱闘的にしか提示できなかった「現実へ帰れ」という悪態を極めてスマートに扱っており、もうシン・エヴァの制作が必要ないぐらい、テーマとしてきれいにオチをつけてしまった。何より感動的なのが、この解決を否定的なトーンでは描かない部分で、あらゆる虚構は人間の精神にとっての「フィクサービーム」だとする肯定的メッセージは、アニメというジャンルとそのファンたちを称揚してさえいる。旧エヴァの観客罵倒とは大違いの清々しさだが、これはかつて虐げられる側、圧倒的マイノリティであったおたく文化が、いまや権威の側、メインカルチャーとなりつつある状況へ多分に助けられていることは指摘しておきたい。まったく、「生きながら萌えゲーに葬られ」を書いた頃とは、隔世の感がある。