猫を起こさないように
モンスターハンター・ワールド
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モンスターハンター・ワールド


西日射す四畳半一間のロスの大邸宅に設置された120インチのスクリーンと7.1chサラウンドが火を吹くゲームがようやっと現れやがった! モンスターハンターワールド! じつに気持ちよく5,000円もするコントローラーを破壊させてくれる! ぼくはもう君から目が離せない! エコノミック・ダウンサイジングが本邦へ引き起こしたゲーム機の小型化・携帯化は、このシリーズにとって非常に不幸なことだったと改めて感じざるを得ない。市井の一皇族に過ぎない当アカウントは、世界各地に残る巨人伝説をリアルに裏付けるほどの巨人少女なのだが、アンドレ・ザ・ジャイアントがスリーディーエスなるマイクロマシンを自在に操作できるか想像してごらんなさい。おまけにピーエスフォーのコントローラーはある程度頑丈で5,000円ポッキリだが、スリーディーエスなるマイクロマシンの画面やヒンジは、頭突きパツイチで簡単に破壊される上、20,000円超もするため、到底リーズナブルな遊戯とは言い難い。後半マップの力尽き具合とか、ドドガマルやらヴォルガノスの扱われ方とか、導蟲は目標へ誘導するくせにコンテンツへの誘導は絶無だったりとか、エンシェントドラゴンハンターワールドと化すエンドゲームまわりとか、全体的な作り込みの甘さを言われれば、確かにその通りだ。しかしながら、市井の一皇族はモンスターハンターワールドを全面的に肯定する。こういうのでいいんだよ、こういうので! 本作の前に触っていたブレス・オブ・ザ・ワイルドは、素晴らしいゲームだと理性では賞賛しながらも、ゾーラ編をクリアしたところでなんとなくプレイする気をなくして、一度も破壊されなかったコントローラーを置いてしまった。それがどうだ、モンスターハンターワールドではすでにコントローラーを2つも破壊し、夜中に心からの怒りを絶叫して隣人に通報され、路上のムシロで超多忙なエグゼクティブの日常を送る俺様のプレイ時間は、すでに100時間を越えた。ブレス・オブ・ザ・ワイルドがルーヴル美術館だとするならば、モンスターハンターワールドはタバコ臭い、手アブラとヤニでコンパネのべとべとする場末のゲーセンである。生まれも育ちも下品な元皇族の俺様からすれば、モナリザの美やヴィーナスの造形の完全さを高い知性から後付の教育で理解はすれど、結局この身になじむのはイーゲームだかなんだか知らない、昨今の教養や理性で脱臭されていない昭和のゲーセンなのだ。傷んでいない方のコンパネに身をねじこませ、メンチや奇声や台バンの盤外戦で心理的優位を得て、負けそうになれば出ッ歯の仲間が筐体の電源を引っこ抜く、折り目正しい大人とやらが眉を潜める、そういった無法の鉄火場こそが我が戦場なのである。……などとほとんど両手放しのベタ褒めで毎日プレイしていたのは、先月末のこと。いまや全くピーエスフォーを起動していない。この連続ツイートも数週間前に書かれていたのが、ずっと塩漬けにされていたものである。エンドゲーム周りの不完全さに飽きが早まった? いや、違う。ランスシリーズ最終作が発売されたからである。