猫を起こさないように
ゲーム「エルデンリング:ナイトレイン」感想
ゲーム「エルデンリング:ナイトレイン」感想

ゲーム「エルデンリング:ナイトレイン」感想

 エルデンリング:ナイトレイン、20時間弱でいちおうのエンディングを見る。本作はDLCではなく独立したゲームになっていて、本家にくらべると規模感はかなり小さい。時限の拡張エリアがいくつかあるワンマップで、用意された6体のボスから3体をたおせばラスボスが出現する仕組みになっている。15分の探索2回と10分のボス戦が1セッションなので、ソウルシリーズに対して無意味な仮定と知りつつ、もっとも極端な理論値を言えば、2時間40分でクリアできてしまうぐらいのサイズなのである。ゲーム内容は、ローグライクという単語があまり好きではない、古いオタクに表現させるならば、「攻略に時間制限のかかった、あわただしい風来のシレン」であり、マップ各所に用意された中ボスが落とす「武具とステータス強化のガチャ」をいかに効率よく回しながら、最大レベル15へと近づけるかが攻略のキモになっている。そして、正直に告白しておくと、私にはナイトレインを正しく評価する資格がない。本作のリリース日には、フランス産のJRPGにどっぷりとハマりこんでおり、プレイを開始できたのは発売から2週間後だったからだ。シャドウ・オブ・ザ・エルドツリーへの感想にも少し書いたが、オンライン要素のある近年のゲームは、発売直後3日からせいぜい1週間ぐらいまでが、混沌としていていちばん楽しい。その最高の時期を「熱と光の奔流が乱舞するビッグバン」とたとえるなら、1ヶ月後の現在は「暗く冷えた宇宙における背景放射」を観測しているようなものだ。

 クリアまでの20時間に感じていたことを率直に申せば、「最適解を知っているプレイヤーたちに引率されるリアル・タイム・アタック」であり、毎回がアイテムを吟味するヒマさえない高速参勤交代みたいな道中になっていて、たび重なる死や頻繁な迷子状態に対してはリアルに耳元で舌うちが聞こえたほどで、ソウルシリーズだからと意地になっての乞食プレイでクリアまではこぎつけたが、まったく楽しくはなかった。プレイ中、多くの時間を占めていた気持ちは「自己決定できないみじめさ」であったことを、ここに書き残しておく。ナイトレインをプレイするなかで気持ちがアガったのは、ボスガチャで強い武器や良い効果が引けた瞬間だけであり、楽しさの質としてはエルデンリングというよりパチンコやパチスロに近い。それにしても、よくもまあ、こんなに賞味期限の短いゲームを世に出そうと思ったものである。もっとも熱くてうまい提供直後を過ぎれば、どんどん冷めてまずくなってゆく”油そば”みたいなもので、しょうこりもなく美味しんぼでもたとえておくと、「果汁で皮がふやけてしまうため、作成してから数分しかもたないマスカット最中」のようなゲームなのだ。すでにして、順次追加される強化ボス以外は過疎っぽくなっており、時間帯によってはマッチングにさえ苦労する有り様である。

 え、マルチプレイに苦労して疲弊するぐらいなら、ソロで攻略すればいいじゃないですか、過疎の心配をする必要はなくなりますよ、だって? ほうら、体育とスポーツの得意なオマエら陽キャは、いっつもそれだ! 逆あがりや二重跳びのできない児童に指導ではなく、ため息や冷笑をかえしやがって! 「ストリートファイター6は、だれでもマスターランクまでいけますよ」じゃねえんだよ! 人間社会には想像を絶する下の下がいるという、単純な事実へ考えもおよばないまま、本邦の上位10%の知能の集積体であるエッキスに引きこもって、ヘラヘラ高等遊民ゴッコばっかやってるから、そんな無神経な発言ができんだよ! 就職氷河期世代でも年収4桁万円ごえなんて簡単だし、世帯を持って子育てするぐらい、ふつうにできるじゃないですか? どうだ、これでオレの傷つきをよーく理解できたろうがよ! ナイトレイン、知能は低く反射神経は高く、長期の計画より短期の快楽が好きな、社会保障費で優遇されている層へ、おススメのゲームになっておるゾイ(暴言)!