猫を起こさないように
ブラックジャック劇場版
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すべてがスーパーフラットな本邦において、才覚や能力で衆に秀でた誰かが己の上に立つことは、許しがたい恥辱である。つまり血筋や世襲という方法は、他者への嫉妬が深く根ざした文化の、消去法による選択なのだ。しかしながら、アニメや漫画という新しい創作にまでそれが適用されるとき、そこにはある種の滑稽さがにじまざるをえない。もしかすると、宮崎や手塚は遠くない未来、市川や尾上と同じように扱われるのかも知れぬ。だが、己の子でさえ己の個とは似つかない。遺伝子を残す代わりに作品を残すのが、作ることの本質ではなかったのか。私にとってのブラックジャックは出崎統しかないことを、改めてここに宣言しておく。