告白
扱う題材が題材だけに、一般的な道徳や倫理の方向へ一瞬でもよれたら、全体が壊れてしまうだろうなと考えながら視聴を開始した。よれかかったと思えるシーンでさえ、次にひっくり返すための伏線となっており、結果、最後まで一糸も乱れなかった。いや、二箇所だけ乱れた。まず、現実のHIV患者へ向けた配慮の台詞、これは仕方がない。だが、後半の爆発シーン、てめーはダメだ。クソッ、クソッ、もっと真面目にCG作れよ! 松たか子の表情の方がより「地獄」を感じさせるって、恥ずかしくないのかよ! ともあれ、この作品がアカデミー賞を受賞して、普段は映画なんて見ない一般家庭のお茶の間を阿鼻叫喚の巷と変えることを想像するとき、私に浮かぶ微笑みは自然と優しいものとなるのです。え、もう落選決まったの? クソッ、クソッ、CGのせいだ!