猫を起こさないように
シュレック・フォーエバー・アフター
シュレック・フォーエバー・アフター

シュレック・フォーエバー・アフター


シュレック・フォーエバー・アフター


“No. You rescued me.” ホヤの幼生は脳を持つが、着床する岩場を見つけるとそれは消滅するという。脳の本来とは、移動がもたらす環境の変化に対応するための装置に過ぎず、生きる上で究極的な優先度は高くないらしい。ゆえに変化を求める脳にとって、誰かが側にいるとか、身の危険が無いとか、継続的な状態に対する幸福の感受性を維持するのは極めて難しい。無くしてから気がつくというフィクションが古来より普遍性を持つのは、必要が無くとも脳を維持しなければならない私たちに共通する生物学的な悲哀と直結している。確かに、アンチディズニーとして始まった1作目以外はただの蛇足だという指摘は正しい。確かに、3Dが導入されたことによって増えたカットが全体を冗長にしていることも事実だろう。だが、私は最後の台詞に涙が出た。すべて、この一言へたどりつくために必要な紆余曲折だったのだと私は信じる。でも、村人たちの幸福を笑顔で踏みにじるシーンにカーペンターズが流れたのには笑った。そういえば、カーペンターズって、映像で言えばディズニーだよな。