猫を起こさないように
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その3

ゲーム「FF11の思い出」その3

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2

/shout トレインー! 逃げてー!
(真昼の陽光に白く輝く砂丘の向こうから、砂埃をあげながら怒涛の勢いで長文が迫ってくる)

 またFF11の話するね! ツッタイーじゃ反応ぜんぜんないけど、ノトーだとけっこう見られてるみたいなのでその下書きと思って、この世の95%はまともなのに残りの5%にあえてフォーカスする貴様らへ向けてわたしの熱いほとばしりを垂れ流すね! 最近のFF11はスマホゲーみたくログインボーナスを導入してて、毎日もらえるポインヨとかをためていくとソロでも最終に近い武器とか防具をもらえたりすんの。まあ、それでも下手すると半年単位のログインを求められんだけど、75時代の一日30時間HNM(ハイレベル・ノートリアスモンスターの略称)ポップ待ちという矛盾ッ!よりずいぶんマシな仕組みになったと言えるよね。だから、ログインしてポインヨもらって庭いじりして、ゴブ箱ポインヨであけてSPキーであけて、ドメインいってアンバスいってオデシーいかない……みたいにルーチンで順にこなしてくと30分~1時間ぐらいでヒマになんのよね、ホラ、ぼっちだから、おれ。FF11熱は高まってんのにあんまやることねーなー、とか言いながら小指で鼻ほじってたら、四畳半のすみでホコリかぶってるパソコンが目に入ったのね。そういやウインドーズ(Windose)?セブンが使えなくなるっつって、去年テン入りを買わされてパソコン一台あまってたんだったわ、よっしゃ、新キャラ作って10年ぐらいやろうと思ってた複アカ(垢)・プレイすっか、わーい、これでおれも所持アカウントのプレイ日数を足すと新生児が小学生になるぐらいの時間が経過していた廃人どもの仲間入りだーっつって、意気揚々とセブン入りのパソコンにオススメをインストールすんだけど、いざログインする段になったら、口のはしからヨダレたらしてペットボトルに排尿するような未来を幻視してすっかりブルッちまって、とりあえずフリートライアルでカンベンしてやっか!あとから有料アカウントへの切り替えもできるんですねすごい、それほどでもないっつってキャラメイク始めるわけよ。そしたらさ、まず名前がぜんぜん通らない。説明しとくと、オススメはキャラ名がそのままキャラIDになってて、同じサーバー内には同じ名前が存在できない仕組みになってんの。18年物の臭いたつオススメは休眠キャラも含めて有名どころ(KURAUDOなんて絶対にとれない。たぶん同名のアカウントは高額で闇取引されてる)はほとんど使われていて、名前を考えて順に通らないか試していくだけで半日ぐらいかかって、さすがオススメ思わぬところで貴重な時間を盗んでいくわーなんてボヤきながら、なんとかホビット族をキャラ登録までこぎつけるわけよ。視点が低いから酔うっていう理由でタルタル使ったことなかったから薄目のロンパリでおそるおそる歩き出すんだけど、この18年(こわ)のあいだに数々の3DゲームとPSVRによってわたしの三半規管はギンギンにきたえられてたことがわかるわけ。わーい、どれだけ地面スレスレをカメラがなめてもシラフのままだーっつって、そのままはだかで野外へとびだしてって同じサイズのウサギに胴まわしげりくらって床ペロ(死をエンタメ化するスラング)するわけよ。やっぱはだかはユニフォームじゃないかーっつって、ケツをプリプリしながらタルタルのあざとかわいい装備を身につけて、レベル上げしながら本国ミッションを進めてくの。新しい土地へエリチェンするたびに拡張版?のミッションが次々と始まってたいそう混乱させられるんだけど、さすがに本筋のストーリーはすごい面白いわけ。あと固有名詞がばつ牛ン(タイプミス、抜群の意)にすばらしくって、特にシャクラミとかフェ・インとか初期のネーミングはトールキン・レベルの世界構築だなって思うわけよ。余談だけど後期になるほどくすんできて、ケイザックとかモリマーとかぜんぜんあかんやん、どうしたんってなる。ちなみに直前までの文章を強制的に名詞化する「〜ってなる」「〜ってなった」語法が死ぬほど嫌いで、いま人生ではじめて使ってみてサブイボが止まらなくなり、こんなぞんざいな日本語を使うと思われたら私の名誉に関わるので、あくまでネタでやってることを文脈無視して注記せねばってなった。おまえにこのくらいのワクワク名詞ぢからがあれば十年前の同人誌ももっと売れたのにのう、なんてコ・ノムさんばりにボヤきながら、三日ほどの気楽なソロプレイだけでレベル40くらい(昔はギスギス・パーティプレイだけで三ヶ月以上かかった)になって、ラスボスのジュノ大公(バレ)に魔晶石を奪ってこいっつわれて獣人の本拠地をみっつ順にまわるんだけど、そのうちのひとつベドーに向かうことにしたのね。カメ人間のたくさんいるとこで、地上が段差で上下に分かれてて地下もあって、おまけに呪いの石まであちこちに置いてあんの。下調べの段階で、けっこうややこしいなー、すごい迷いそうだなー、腐ってもオススメだからなー、やっぱ5時間くらいみといたほうがいいのかなー、家人も実家に帰しとくかー?なんてビビッてたら、いざ現地に到着するとなんか景色を覚えてる。記憶のまま地図も見ずに歩いてったら、目的地の大伽藍の手前まですんなりたどりついちゃったの。おっかしーなー、なんでかなーって考えてたら、近くのカメの名前見たとたん、まるで現実みたいにパーッと記憶がよみがえってきてビックリした。このエメラルド・クダフってのをたおすと、再ポップのときに抽選でノートリアスモンスターが出ることがあんの。たしか、ガブー・アンバンキッシュトみたいな名前だったかな。もう15年以上(こわ)前だと思うけど、そのときはネコの青魔じゃなくてヒゲのナイトだったんだけど、ぐうぜん通りかかってそいつをソロで倒したら、バルキリーマスクってのを落としたわけ。オークションハウスで売ったら40万ギルぐらいになって、これがおれの金策だっつって数週間?数ヶ月?ぐらいベドーにこもってた時期があったことを思い出したんだわ。あの頃はみんなギッスギスしてて、まさに生き馬の目を抜くヴァナ・ディールって感じで、だれも金策の手段を他人に教えたりなんかしないの。有名どころのノートリアスモンスターにはアイドルの出待ちよろしく、つねに何人かが24時間体制で張りついているのに、このガブーのところには奇跡的に誰もいなかったの。それからベドーに通うようになって、それこそ現地ログアウト現地ログインする勢いでさ、バルキリーマスクのドロップ率は正直よくなかったけど、自分しか知らない金策ができたのがうれしかったのね。ところがある日、シナ(China)だか北米だかのプレイヤーがこつぜんと現れて、ガブーんとこに張りつくようになったのよ。たぶん、競売の履歴から名前で検索して、場所を割り出したんじゃないかと思う。そっからはポップの瞬間、どっちが早くタッチして赤ネームにできるかという熾烈な奪いあいがはじまるわけ。いまはぜんぶ南半球の発展途上国の、英語も日本語もわからない複アカの業者ばっかで風情もなにもないけど、あの頃は一人ひとりちゃんと中の人がいたのよね。とってもとられてもカタコトの英語でののしりあってさ、ファックオフ・サノバビッチ、ピスオフ・ユー・マザーファッカーみたいに。そのくせ戦闘が終わったら「出たか」「いや、出ない」「そうか、次のが持ってるな」みたいなやりとりして。そいつのキャラ名も忘れてて、いま生きてんのかもわからないけど、良きライバルっつーか、敵の将軍こそが味方の文官よりもこの前線でいちばん自分の考えていることを理解している、みたいな奇妙な連帯感があったなー。いないとホッとすると同時に心配したり、いるとムカつくと同時に安心したりさ。

 うへ、なつかしさと喪失感に涙がこぼれそうになってきたのであわてて話かえるけど、今回の再プレイでよかったのは、限界突破クエストがすごい面白いのがわかったことかな。新キャラはレベル50以降、5刻みでクエスト受けてキャップを外さないとレベルが上がらなくなる仕組みなのね。いったんキャップ外すとジョブ変えても適用されて、レベル99になれば旧エリアはどこ歩いても格下の敵ばっかになって、ワープ開通による移動の大幅緩和(昔は1時間半かけて歩いていったあの狩場にも5秒で到着、イメージはスター・トレックの転送。飛空挺の待ち時間で釣りしたりとかはもうだれもしてない)もあいまって、気分はパックツアーで行く海外の有名観光地巡りなわけ。でも、限界突破クエストには当時のバランスが残ってて、自分よりもかなり格上のモンスターばかりいる獣人本拠地に潜入させられたりするわけ。姿や足音を消す魔法を使ってヒリヒリしながら獣人たちの横をすり抜けていくんだけど、ときどき魔法を見破るヤツもいて、いったん見つかると周囲の獣人がいっせいに襲いかかってきて、あっというまに殺されちゃう。この緊張感を例えるなら、夜のヨハネスブルクで一杯ひっかけてこいと命じられた日本人バックパッカー(大学生)って感じ。そういう状況もあいまって、当時は奥修道とか大伽藍とか祭壇の間とかに行くのは本当に怖かったし、ある種の神秘性さえ湛えた場所になっていたように思う。アイテムレベル119の装備で全身を固めて、敵集団の大リンクのド真ん中に無傷でボッ立ちしたまま、「お前アルマスでボコるわ・・」とか言いながらカメの王を一瞬でカカッとなで切りにするオレツエエ・プレイでは体験できないものへひさしぶりに触れることができて、うれしかったなー。天外2のこと何度も引き合いに出すけど、ゲームという作りごとに実在感をまとわせるのは、グラフィックの精細さがどうこうじゃなくて、数値をいかにデザインするかに尽きると痛感させられたね。

 え、フリートライアルはレベル50までで限界突破クエストはありませんよ、だって? ハハハ、そこに気づいてしまったか。じつはフリートライアルでレベル50まで上げて、エフジーオーのテキストにはアホみたいに課金してるくせに、ザルカバードとかオンゾゾのネーミングというハイ・クリエイティブに一銭も入れてないのぜったいおかしーわってなって、結局2コめのダウンロード版を買ったのね。オススメをプレイするには、プレイオンラインIDとプレイオンラインパスワードとスクエア・エニックスIDとスクエア・エニックスパスワードとワンタイムパスワードとプロダクトキーの6つを遺漏なく準備した上で、それぞれ16桁くらいあんだけどOと0の違いなどをしっかり判別しながら1コも間違えず入力する必要があるのね、だいたい100文字ぐらい。なに言ってんのかわかんないと思うけど。んで、フリートライアルのプレイオンラインIDとプロダクトキーをひもづけようとすんだけど、うまくいかないの。1時間くらいいろいろ試すんだけど、ぜんぜんダメ。使ってるIDが違うのか、組み合わせが違うのか、そもそも入力ミスなのか、原因も特定できないわけ。そしたら入力ウィンドウの欄外にちっさい字でなんかユーではじまるIDがあれば入れろとか書いてある。これかーっつって、メールで送られてきたユーからはじまる文字列入れたら、フリートライアルと関係ないまっさらのプレイオンラインIDとプロダクトキーがひもづいちゃったわけ。気づいたときには時すでに時間切れ、いかりや長介あたまがパー状態で、また7千円払うか30時間ぐらい捨ててイチからやり直すかの二択を迫られることになってるわけ。時給計算したらもう一回7千円払うのがはるかにいいに決まってんだけど、アラブの石油王もスーパーの買い物で生野菜の10円差に悩むみたいな状態になって、四畳半を何周もぐるぐる回ってから、イチからやりなおすことに決めたわけ。んで、気を取りなおしてキャラメイク始めたら、フリートライアルで半日かけて決めた名前が他ならぬ自分に押さえられてて通らないっていう。いやー、このオススメ、もうほんとうにだれにもオススメできないわ。

ゲーム「FF11の思い出」その4
ゲーム「FF11の思い出」その5
ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」